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人事パーソン要チェック! 新刊ホンネ書評 [2012.04.17]

[1]『会社人生は「評判」で決まる』 ―相原孝夫 著

  日経プレミアシリーズ 2012年2月


 企業内では「評価」に基づく人事が前提となっているにもかかわらず、「評判」が“裏スタンダード”として大きな影響力を有していると、本書の著者は述べています。評価が高くても、一つの悪い評判のために昇進が見送られたりすることもあるというのは、社内を見回して、思い当たるフシのある人は多いのでは。

 こうした悪い評判につながりがちな人とは、1番目が、自分の力を誤認している自信過剰の「ナルシスト」、2番目が、自分自身を省みないで他人のことはとやかく言う「評論家」、3番目が、自分の立場を理解していない「分不相応な人」であると。一方、評判の良い人はこの裏返しで、1番目が、自分自身をよく知り「他者への十分な配慮のできる人」、2番目が、労をいとわない「実行力の人」、3番目が、自分の立場や役割を正しく理解し「本質的な役割の果たせる人」であるとしています。

 また、著者がこれまで行ってきた好業績者に対する数多くのインタビューから、それらの人たちの共通点として、20~30代前半の時期に脇目も振らず目の前の仕事に没頭してきたことを挙げ、決して社外人脈づくりや資格取得に励んでいたのではないとしています。

 若年層の間で“自己ブランド化”が流行っていますが、著者は、「パーソナル・ブランディング」は、結果として現在の仕事や組織と乖離(かいり)しがちであり、キャリアを切り拓く実力を養うには、現在の仕事に没頭し、組織との密着度を高めていくべきであるとしています。つまり、社外へ向けての「パーソナル・ブランディング」ではなく、社内での自分の価値を高め、同時に評判を高めていく「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」こそが大事であると――。

 全体を通して、具体例を踏まえ、分かりやすく書かれており、とりわけ若いビジネスパーソンには示唆を与えるものになっていると思いますが、人事パーソンから見れば、「好業績者に対するインタビューから」という箇所で、〈コンピテンシー〉を想起する人も多いはずです。

 〈コンピテンシー〉は、最近あまり言われなくなった気もしますが、「行動評価」というように形を変えて、定着している企業には定着しているのではないでしょうか。本来は「(性格に近いところの)能力」を指すものであったはずが、そうした「行動」をしたかどうか評価するようになっているというのが、“日本的コンピテンシー”の特徴ではないかと思います。

 著者が本書を人事部に向けて書くとすれば、「他者への配慮のできる人」「実行力の人」「本質的な役割の果たせる人」という項目を、考課要素に織り込みましょうということになるのでしょうか(そのほうが、本来的なコンピテンシーに近いかも)。
 ただし、本書にも事例があるように、日本企業の場合、昇格・昇進においては、候補者の「パーソナル・レピュテーション」のチェックがある程度“自動装置”的に働き、それによって結果がコントロールされてきたようにも思います。
 むしろ、「評価」と「評判」が乖離しないための手法として、〈コンピテンシー〉の考え方が補完的に生かせるというのが著者の考えなのではないでしょうか。対象読者層が一般ビジネスパーソンであるため、そのあたりまで踏み込んでいないのが、人事部目線で見た場合にやや物足りないかも。

※本記事は人事専門資料誌「労政時報」の購読会員サイト『WEB労政時報』で2012年3月にご紹介したものです。

<本書籍の書評マップ&評価> 下の画像をクリックすると拡大表示になります
【本欄 執筆者紹介】
 和田泰明 わだ やすあき

 和田人事企画事務所 人事・賃金コンサルタント、社会保険労務士

1981年 中堅広告代理店に入社(早稲田大学第一文学部卒) 
1987年 同社人事部へ配転
1995年 同社人事部長 
1999年 社会保険労務士試験合格、2000年 行政書士試験合格 
2001年 広告代理店を退職、同社顧問(独立人事コンサルタントに) 
2002年 日本マンパワー認定人事コンサルタント 
2003年 社会保険労務士開業登録(13030300号)「和田人事企画事務所」 
2004年 NPO生涯教育認定キャリア・コンサルタント 
2006年 特定社会保険労務士試験(紛争解決手続代理業務試験)合格 
    
1994-1995年 日経連職務分析センター(現日本経団連人事賃金センター)「年俸制研究部会」委員 
2006年- 中央職業能力開発協会「ビジネス・キャリア検定試験問題[人事・人材開発部門]」策定委員 
2009年 早稲田大学オープン教育センター「企業法務概論」ゲストスピーカー 

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