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採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント [2012.04.09]

2012年4月

 


HRプロ株式会社/HR総合調査研究所
代表 寺澤康介 てらざわ こうすけ
(調査・編集: 主任研究員 松岡 仁)


 HRプロ代表の寺澤康介です。

 最近、大学の4年生向けキャリアガイダンスで学生に講演する機会がありました。その大学では、これまで4年生に就職講座を行うことはなかったそうですが、今年の状況を見て開催に踏み切ったそうです。しかも、4月だけでなく、6月中旬まで計8回も実施し、エントリーシートや面接をなかなか突破できない学生にきめ細かい指導をされるそうです。大学側も今年の状況に困っているのですね。
 私に依頼をされたポイントは以下の通りです。

 学生の二極化が見られ、この時点で多くの面接に進めるようになっている学生と、すでに“球  
 切れ”を起こしている学生に分かれてきている。今後の就職戦線の進み方を分析した上で、特  
 に後者の学生に情報を与えることでモチベーションを上げ、励ますことを目的にしたい。      
 そこで、以下のポイントで話をしてほしい。
  ・5月中旬以降の採用環境の予測
  ・大手一辺倒になっている視点を、どう中堅・中小企業に向けていくか?
  ・「学歴フィルター」の存在について
  ・企業人事は何を求めてくるのか?
  ・就活で学生が陥っている傾向
  ・倫理憲章改定の影響

 採用面接真っ最中で、当日どれだけの学生が来るか分からなかったのですが、数百名の学生が参加し、みな真剣な表情で私の話を聞いてくれました。講演の後も10名ほどの学生が積極的に質問をしてきてくれて、こういうガイダンスで情報を収集しようとする学生は、それだけでうまくいきそうな感じがします。キャリアセンターとしては、こういう場にすら来てくれない学生が問題なのでしょう。

■面接をどのように行うか

 多くの学生にとって、面接は最も怖い就職の関門です。怖いのは、何を見られているか分からないことが大きな理由です。また、面接は、学生が企業を最も嫌いになる瞬間でもあります(逆に好感を持つ瞬間でもある)。それまで採用担当者が、いかに学生を引きつける魅力的なPRや説明会を行ってきても、面接官の不用意な一言でそれまでの苦労が台無しになることも多々あります。学生に迎合するということではなく、面接の基本的な態度、マナーを身につけるように、面接官には指導を徹底すべきでしょう。

 それでは、学生へのアンケートのコメントから、どのような面接官が学生の印象が良くないかを見ていきましょう。

【印象の良くない面接官】
・面接官の態度が横柄。携帯電話をいじりながら質問する。こちらの話を聞く姿勢が感じられない
 (外資系金融)
・採用する意志が感じられなかった(ネットベンチャー)
・やる気が一切見られなかった。上司にやらされている感が前面に出た面接で、受けていて非常
 に不愉快だった(金融)
・あくびをされた(旅行)
・人が話しているのに白目をむいて寝ていた(旅行)
・あからさまに疲れており、これでは学生のことをきちんと見られないのではないかと思った
 (食品)
・圧迫というか、学生を小馬鹿にしたような雰囲気があったから(情報システム)
・他社のプロの方らしき人が会社の人事のフリをして面接していたから。人材会社の方でホーム
 ページにも顔が載っているので、受験者にはバレバレでした(セキュリティ)
・1人2分しか時間が割かれなかったから。そのような短時間で何が見られるのか疑問に思った。
 流れ作業だった!(テレビ)
・理不尽なまでの圧迫面接。面接態度の悪さ、学生をばかにしているような言動(設計・コンサル
 ティング)
・ビックリするほど上から目線…(電機)
・無表情で学生の話を聞いているほど、人間味のない面接官はいないと思った。この面接で●●の
 イメージがガラリと変わり、途中で面接を辞退した(自動車)
・面接官がどうやら「人事」の社員ではないようで、とにもかくにもテキトーな扱いを受けた。自己
 紹介と志望動機を聞かれただけで、「あとは何聞けばいいんだろ? もう聞くことないや」などと
 独り言を漏らし、その後も終始ぐだぐだ(文具)

 これらはほんの一部です。「とんでもない学生がいた!」と企業の採用担当者が話されるのをよく聞きますが、企業側にも非常識な面接官がたくさんいることが分かります。そういえば、連絡なしに説明会や面接を欠席する学生を社会常識がないと採用担当者は怒りますが、私たちが主催する人事向けのセミナーでも無断欠席率は大して変わりません。企業人の非常識率は学生とそう変わらないのです。だから、貴社の面接官にも、何の対策もしていなければひどい態度の人が紛れ込む可能性が高いということです。
 高度な面接技法を教える前に、普通の社会人マナーを教えることから始めたほうが良いでしょう。「人事から多忙な社員に面接官をお願いしているのに、そんなことは言えない」などと言っている採用担当者は仕事失格です。
 
 あまりに問題外な態度は別として、印象の良くないポイントを整理すると、以下の通りです。

×態度が上から目線、冷たい感じがする、圧迫的な印象
×やる気が感じられない、真剣さがない
×自分の話をよく聞いていない、引き出していない
×時間が短い、集団面接などで、きちんと見られていない
×質問の意図が分からない

――などが多い回答です。

【印象の良い面接官】
・私の思考、良いところを引き出してくれる面接だったと感じたから(電機)
・すごく親身に、話を聞いてくれました(損保)
・和やかかつ、こちらが言いたいことを引き出してくれるような印象(製薬)
・選考中にもアドバイスをくれた(コンサルティング)
・人事の方が、世間話を取り入れながら質問してくださったので、普段の自分を見せることが
 できた(福祉サービス)
・一次面接(集団面接)の時点で、詳しくフィードバックをしてくださった(生保)
・「一瞬の面接でも1人の学生の人生と関わった責任がある」という言葉が忘れられません。
 採用・不採用に関わらず、次に進むための指針をくれる会社でした(人材サービス)
・学生の本質を見抜いている企業だと感じた。質問がどの企業よりもロジカルな内容だった
 (旅行)
・落ちたのですが、すごく自分を見てもらっていると感じ、誠実な会社だと思ったから(コンサ
 ルティング)
・面接官の方がESをあらかじめ読み込んでいるのが分かった。ESにマーカーを引いて、
 聞き出すことを決めておられた。ある程度自分のことを知った上でさらに深く自分を知って
 評価してもらえたと思う(自動車)
・型にはまった面接でなく、学生時代に一番力を入れたことのエピソードを深く質問してくださ
 り、そこから人間性を読み取ろうとしてくれていたから。一番話しやすく、自分を表現できた
 面接だった(化学)

 印象の良かった面接官に共通するポイントは、

○雰囲気作りがうまく、リラックスして自分が出せる
○真剣に自分のことを知ろうとしてくれる
○自分の伝えたいことが話せる、引き出してもらえる
○質問の意図が分かる
(共通ではないが↓)
○結果をフィードバックしてくれるので、次に役立つ

――などとなります。

 印象の良くない面接官、良い面接官のポイントを見ると、学生から見た理想とする面接官像が浮かび上がります。
「社会人として尊敬できるマナー、和やかな雰囲気を作り、話しやすい状態を作ってくれる、上から目線ではなく学生目線で話を引き出してくれて、自分らしさを引き出してくれる、質問意図が明確で何を見られているかが分かり、落ちたとしても納得がいく」
――といった感じでしょうか。これを逆に、採用する側からどのような準備をすればいいかを考えると、以下のようなポイントにまとめられます。

◎採用したい人材要件を明確にし、面接官に共有する
◎面接時の評価ポイントとインタビュー項目を明確にする
◎面接マナーを徹底する
◎学生から好感をもたれる面接官を選抜する。もしくは、そのような印象を持たれるようにトレーニングする
◎面接インタビュースキルをトレーニングする
◎(できれば)結果をフィードバックする

 優秀とされる学生ほど企業に対する見方は厳しくなるものです。採用の成功率を高めるためには、単に自社にとって優秀かどうかを見極めるだけではなく、学生から選ばれる企業にならなければなりません。面接という場はその最も重要な要素なのです。

110506terazawa_pic.jpgのサムネール画像寺澤 康介 てらざわ こうすけ
HRプロ株式会社 代表取締役

86年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。07年採用プロドットコム(現HRプロ)を設立、代表取締役に就任。約20年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。
http://www.hrpro.co.jp/


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