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コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2012.03.14]

餅は餅屋。アウトソーシングで外部の力を借りて、やるべき業務に専念しよう!:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(24)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(24)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

アウトソーシングと聞いて、あなたはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。システムの保守・運用、データ入力、在庫管理などの単純業務をコスト削減のために外部へ委託する――そんなイメージを持っていませんか? アウトソーシングの本来の意味はもう少し広いものです。そして、コスト削減だけを目的に安易に行うと大抵の場合失敗します。
アウトソーシングはビジネスだけでなく、実は日常生活の中で多く行われています。上手に行えば、アウトソーシングは私たちの仕事や生活を快適なものにしてくれます。

■アウトソーシングとは

アウトソーシング(outsourcing)の語源は「Out(外部)+ Sourcing(資源利用)」で、直訳すると「外部資源を活用すること」となります。単純業務を専門業者に任せるという単なる「外注」ではなく、「外部の資源を有効に活用する」ことがアウトソーシングの本来の意味です。

先日、長年お付き合いしているクライアント企業を訪問したときのことです。職場では少人数の総務スタッフがいつも慌ただしく、一生懸命に仕事をしています。しかし、総務部長は「日々の業務に追われ、やるべき仕事ができていない」と嘆いていました。私は「中長期視点でやるべき業務にもっと注力されるために、アウトソーシングを積極的に行ってみてはいかがですか」と言いました。すると部長は「弊社のような小さい会社では、アウトソーシングするほど業務のボリュームはなくて……」とおっしゃりました。この言葉はアウトソーシングへの誤解を端的に示した言葉だと思います。

■アウトソーシングを行う目的と効果

アウトソーシングというと、まとまったボリュームの業務を専門会社に委託すると思われるかもしれません。しかし、会社や業務の規模に関わらずほとんどの企業でアウトソーシングを利用しているのです。それを認識しているか否かは別の話ですが。

例えば、小さな会社でも法人組織であれば、税理士の先生に税務業務を依頼しているでしょう。これは、税理士の有資格者を正社員として雇わず、税務業務を税理士にアウトソーシングしているのです。業務のボリュームとしてはそれほど大きくはないでしょう。

名刺や社名入り封筒を印刷会社に発注することもアウトソーシングといえます。印刷設備を持ち、印刷技術者を雇って固定費を増やすより、必要なときに発注する方が効率的だからです。例えば、企業の人事部門においてアウトソーシングを活用している業務領域には、[図表1]のような領域が挙げられます。

[図表1]企業がアウトソーシングしている業務内容とその範囲(業務アウトソーシングを実施している企業の人事部門/クリックして拡大)

また、社内改革や新しいシステム導入でコンサルタントを活用することを考えてみましょう。コンサルタントを社員として雇う/育てるよりもコストが安いというだけで依頼するのではないでしょう。多くの業務実績、ノウハウを持つ外部のコンサルタントを活用する方が、高い成果を早く得ることができるからです。また、客観的な外部の視点、社内の「しがらみ」のなさ――など外部だからこそ行えることも少なくありません。

ですから、「自前主義・内製」で業務を社内で行うか、アウトソーシングを活用するか(「餅は餅屋」で外部の力を使うか)を検討する際は、コストだけでなくコスト・パフォーマンス(費用対効果)を考える必要があります。ここでいうコストは言うまでもなく「お金」と「時間」です。

コスト削減だけを考えてアウトソーシングを行うと大抵失敗します。そして、お菓子のように「美味しくなければ別のものを買えばいい」という単純な話ではありませんから、失敗するとコストの問題だけでは済まないこともあります。

参考として「業務アウトソーシング開始にあたり期待した効果と実際に得られた効果」という調査結果[図表2]をご覧下さい。

[図表2]業務アウトソーシング開始にあたり期待した効果と実際に得られた効果(クリックして拡大)

調査を見ると、「経営資源のコア業務への集中」や「コスト削減」だけでなく、アウトソーシングを行うことによって「業務プロセスの改善」や「組織のスリム化」という効果が当初期待していた以上に得られているというのは興味深いものです。

■日常生活でのアウトソーシング

アウトソーシングはビジネスのシーンだけで行われるものではありません。

最近は、「家事代行」「便利屋さん」のようなサービスがあります。共働き家庭などでは、お掃除、かたづけ、洗濯などの家事を代行してもらえば便利かもしれません。

しかし、そのようなものでなくても、実は多くのアウトソーシングを私たちは利用しているのです。

例えば、電気製品などの故障修理もその一つです。昔は家庭内の簡単な修理はお父さんが行ったものです。私の父も電気製品や家具の簡単な修理、自転車のパンク修理など何でもやっていました。今は電気製品などの仕組みも複雑になり、修理を依頼する(=アウトソーシングする)人が以前より増えているでしょう。

塾や家庭教師なども「子どもの家庭学習を親が見る」という仕事をアウトソーシングしていると考えられます。塾選びなどこそ、よく検討せずに価格だけで選ぶと失敗につながる典型的なものです。

忙しいときにお惣菜(そうざい)を買ったり、宅配ピザなどの出前サービスを利用するのは「調理」という家事をアウトソーシングしているのです。

時は金なり」です。忙しいときは「時間をお金で買う」。自分ができないこと、不得手なことは「専門家の技術、ノウハウをお金で買う」。それがアウトソーシングの本質ではないでしょうか。

■アウトソーシングを上手に行うポイント

最後に、アウトソーシングを上手に行うポイントを簡単にまとめます。

1.自社で行う業務と、アウトソーシングする業務の範囲を見極める

→中長期的視点で、コスト(費用)とパフォーマンス(効果)、メリットとデメリットなどを考えて行います。

2.適切な委託先を選定する

→実績、コスト、サービス提供体制などを考慮して選定します。受注したいがために、本当はできないことまで提案していないか等のチェックが必要です。

3.コストを広く捉える

→コストは、毎月の費用だけではありません。委託先検討、決定という時間コスト、初期導入コスト、月々の費用、トラブル発生時の追加費用など広く捉える必要があります。

4.委託先とWIN-WINの関係を築く

→成果をモニタリングし、継続的改善を行えるように協力的なパートナーシップ関係を築くことが理想です。そのためには、アウトソーシングのための準備や、業務と成果の説明など発注側の力量も問われるところです。

企業も人も保有する資源(お金と時間)には限りがあります。上手にアウトソーシングを行い、他社・他者の力を上手に借りれば、企業も個人もやるべきことに専念して良い成果を生み出すことができるでしょう。


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