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コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2012.02.15]

「OJTとOFF-JT」を好循環させれば、部下、後輩は確実に育つ!:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(22)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(22)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

「なかなか若手が育たない……」「人材育成の必要性は感じているけれど、どうやれば良いか分からない…」。人事コンサルティングを行っているとよく耳にする言葉です。そんなときは、まずOJT、OFF-JTの実施概要などを簡単にお聞きした後、「両者を連動させて運用していますか?」と質問します。OJTとOFF-JTは独立した別個のものではなく、連動させて行えば人材は確実に育ちます。そして、これはビジネスパーソンが自己成長する時にも言えることなのです。

■OJTとOFF-JT

OJTOFF-JTという言葉を聞いたことがあると思います。企業内で人材育成を行うときの方法です。

OJTとはOn the Job Trainingの略で「職場内訓練」と訳されます。日常業務を通して職場でスキルや知識を習得することです。

OFF-JTとはOff the Job Trainingの略で「職場外訓練」のことです。日常業務や現場を離れて、集合研修、セミナー、通信教育などでスキルや知識を学びます。

社員を育成するためには、OJTとOFF-JTを連動させてバランスよく行う必要があります。しかし、OFF-JTを行えていないことへの言い訳として「わが社の人材育成はOJT中心です」と言ったり、現場へ丸投げでOJTを行わせたり、OJTとOFF-JTが連動していない企業は少なくありません。

[図表1]は、人材育成の機会(OJT中心か、OFF-JT中心か)に関する調査データです(労務行政研究所実施)。これを見ると、OJT中心とする企業が多いようです。一方で「OFF-JT中心」と回答した企業はありませんでした。

[図表1]人材育成の機会

-(社)、%-

区 分 全 産 業 製造業 非製造業
規模計 1,000人
以上
300~
999人
300人
未満
合 計  (203)
100.0
 ( 55)
100.0
 ( 69)
100.0
 ( 79)
100.0
 (108)
100.0
 ( 95)
100.0



【A】OJT中心
【B】Off-JT中心
Aに近い 21.2 18.2 21.7 22.8 18.5 24.2
ややAに近い 47.8 34.5 55.1 50.6 48.1 47.4
どちらともいえない 25.1 41.8 17.4 20.3 27.8 22.1
ややBに近い   5.9   5.5   5.8   6.3   5.6   6.3
Bに近い            

労務行政研究所「企業の教育研修に関する実態調査」(2011年)より抜粋

人材育成では、どのような人材に育てたいかという「あるべき人材像」を具体的にして、育成方法の全体像を描き、OJTとOFF-JTを企画、実施することが有効です。

OFF-JTは基本、理論を学び、OJTはそれを実践して習得します。
「分かる」と「できる」は違います。理論を理解しても、それをすぐに完全には実行できないものです。

基本を教えることなく仕事を始めさせるのは「泳ぎ方を教えずにいきなりプールに投げ込む」ようなものです。泳げるようになったとしても、それは我流であるため、その後のさらなる成長は遅くなります。

[図表2]OFF-JTとOJTの良循環

■OJTとOFF-JTをリンケージ(連動)させるには?

OJTとOFF-JTを連動させるには、どうすれば良いでしょうか。

まず最初に、あるべき人材像(どのような人材に育ってほしいか)を具体的に描くことです。必要な知識、スキル(技術、ノウハウ、思考法など)を具体化し、それを習得するための育成方法を考えます。体系的なCDP(キャリア・デベロップメント・プログラム)という本格的なものを設計する企業もありますが、最初はそこまでしなくても良いでしょう。

人材育成とは、「あるべき人材像」と「現在の姿」のギャップを解消するプロセスなのです。

[図表3]人材育成とは

例えば「リーダーシップ」を持った人材に育てるというケースで考えてみましょう。

リーダーシップといっても階層、職種などによって求められるものは異なります(※注参照)。課長と現場リーダーでは必要なリーダーシップは異なる【職位による違い】でしょうし、人事、総務などの管理部門のリーダーと飲食店店長のリーダーシップも異なります【職種による違い】。

それぞれの業務で必要とされるリーダーシップを具体的に考えることが大切です。
まず基本的には、理論を理解させるのはOFF-JTです。集合研修で教えるのが一般的ですが、対象者が少ない場合などでは社外のオープンセミナーに参加させることも一つの方法です。コスト(時間と費用)に余裕がなければ、まずはリーダーシップに関する通信教育やビジネス書を利用することから始めると良いでしょう。

次にOJTで実践させます。
繰り返しますが、「分かる」と「できる」は違います。リーダーシップを理解しても、職場で部下に対してリーダーシップをすぐに発揮できる人は少ないでしょう。やってみて、うまくいかず、試行錯誤しながら少しずつ習得していきます。

その後、リーダーシップ応用編のようなフォローアップ研修や、マンツーマン指導を行うと効果的です。
職場でリーダーシップを十分に発揮できなかったのはどんな場面か? その原因は何か?――などを振り返り、その解決策を考えさせます。

このような形で、OFF-JTとOJTをリンクさせて継続的に行うことが、効果的で確実に人材育成を行う一番の近道です。OJTとOFF-JTが相乗効果を発揮して機能し、人材育成費全体のコストパフォーマンスが飛躍的に高まります。

※注:「リーダーシップ」という言葉同様、期待する人材像、スキルを考えるときに抽象的な言葉は要注意です。例えば「戦略的思考を持った人材」とは具体的にどんなスキル、思考特性を持った人材でしょう?

最近よく耳にする「グローバル人材」という言葉も曲者(くせもの)です。単に外国語を使える人がグローバル人材ではないでしょう。事業、国、地域、役割によって求められる「グローバル人材」は異なります。抽象的な言葉はブレークダウンして具体的にしていくことが大切です。

■個人の自己啓発でも同じ

OJT、OFF-JTは企業の人材育成だけの話ではなく、個人の自己成長でも同じことです。「基本、理論、原理原則」を学び、実践しながら習得する。できなければ基本に戻り、軌道修正を繰り返します。それを愚直に続けることが成長する一番の近道だと思います(「型破り」という言葉がありますが、「型」とは基本のことです。型破りとは、基本=型を身につけた人ができることです。「型」がない人は、型破りではない「単なる我流」で「かたなし」の人です)。

■ テニスを例にOJT、OFF-JTを考えてみる

さて、最後にテニスを例に日常生活でOJTとOFF-JTを考えてみましょう。

テニスで基本、理論、原理原則とは何でしょうか? 道具の選び方・使い方、ルール、基本フォーム、練習方法などいろいろとあります。それを理解した上で、素振り、練習、試合などの実践など行います。実際にプレーしてみると、理解したつもりの基本を実践できないことも多いはずです。まさに「分かる」と「できる」は違うのです。

望ましいのは、最初に本やレッスンできちんと基本を学ぶことです。「急がば回れ」です。基本を学ばないで我流で始めると、スイングの悪い癖などがついてしまい、それを後から修正するにはかなりの時間がかかるからです。そして、その後の上達を遅くします。

ビジネスでも同じです。できれば、悪い癖、習慣が身につく前の「まっさらな素直な状態」のときに、しっかりと基本を教えておくことをお勧めします。

では、最もまっさらな状態である、新入社員については、何から教えるのがよいでしょうか? 私が人材育成でお手伝いしている企業では、新入社員研修はビジネスマナーに加え、必要最低限の「思考力」、「コミュニケーション力」などが行われていることが多いです。


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