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コーピングで始める「自分改造計画」【田中ウルヴェ京】 [2012.02.14]

左遷されてきた部下は自分より年上。落ち込む相手、自分はイライラ……:コーピングで始める「自分改造計画」(5)


コーピングで始める「自分改造計画」~第5回:ケーススタディ(その3)
田中ウルヴェ京(メンタルトレーナー/コーピングコーチ)
株式会社MJコンテス 代表取締役社長

管理職にもなると、自分よりも年上の人間が時には部下になることも。その相手がぶっちゃけ左遷されてきた人間で、対外的にはマネジャーの肩書きがあるものの、仕事が全くできない相手だったら? どんな仕事にチャレンジしてもらっても、自信を失ってすっかりやる気のない部下。そんな部下に自分はイライラ。正直とてもやりにくい……。今回は年上の部下との微妙な人間関係、コミュニケーション等についてお話ししていきます!

5回目:ケーススタディ(3)
マネジャーという対外的な肩書きは保持しつつも、部下を持たずに管理業務からはずされた50代前半の社員が異動してきて、自分の部下になりました。しかし、いろいろなことにチャレンジさせても、どれもうまくいかず、こちらはイライラが募り、本人はかえってやる気を失ってしまい、近ごろ、元気がありません。

■年上の部下を持つことは、人によってはそれだけでストレスのもとになる

あらゆる場面において「年功序列」というものが、まだまだ社会構造の中に色濃く残っていることが否めない日本社会において、自分よりも年上の部下を持つことは、人によってはそれだけでストレスのもとになるものです。年上は敬わねばという意識、しかし、指示系統上は自分が上司で相手が部下。さらにその相手が左遷されてきた人間で、仕事が全くできない人間だったら? しかもそんな自分にすっかり落ち込んでしまっており、やる気も失ってしまっているような状況だったら、あなたはその相手にどのようなアプローチをするでしょう?

このような状況下の方々に実際にお話を伺うと、まずは、「そもそも人間関係ストレスには明確な答えがないので」、漠然と頭を抱えてしまっているということが多いです。正直、「考えることすら面倒くさい」と感じ、イライラしてしまうこともあるかもしれません。しかし、問題の焦点が「漠然」としていては、相手との関係も、コミュニケーションも、そして、仕事のパフォーマンスも改善を望むことはできません。

■あらゆる「固定観念」をいったん白紙にしてみる

じゃあ、どうするか。

こんな時に一番重要になるのは、あらゆる「固定観念」をいったん白紙にしてみるということです。私たちは知らず知らずのうちに、社会通念上の「固定観念」をたくさん抱えて生活しています。例えば「年上=敬わねばならないもの」「年上=意見は言いづらいもの」「年上=仕事ができて当たり前」など、知らず知らずのうちに自分の中にできている、一種の「思い込み」があると思うのです。特に年上、年下、上司、部下という「社会的な役割」や「立ち位置」については、いったん忘れ、目の前の問題そのものだけに集中することをお勧めしたいと思います。

なぜなら相手に対し、そうした「思い込み」や「こうあるべきだ」というような考えが大前提になってしまうと、実際の目の前にある問題を正しく解決していく冷静な判断すらできなくなってしまうからです。また、漠然と問題解決をしたいと思ってみても、自分の中に不要な思い込みがあると、実際のところは「何が問題なのか」が自分の中で不明瞭になってしまいます。ですからまずは、問題の根本を知るために整理していきましょう。

あなたが年上の部下とのことを問題視する理由は:
-相手とうまくコミュニケーションが取れないのが問題なのか?
-相手が仕事ができないことが問題なのか?
-相手が年上だから指示をしづらいのが問題なのか? ……等

このように自分で問題と思う部分を明確化していただきたいのです。

■問題解決のための四つの基本ステップ

コーピングでは問題解決のためには四つのステップを踏むことを推奨しています。「問題の明確化」はまさにその最初のステップです。

問題が明確化されたら、次のステップはその問題を生み出している原因をできるだけ細かくリストアップすることです。広い視野で相手の立場や自分が解決したい問題を見ることはとても重要になります。そうしてリストアップした原因をさらに絞り込み、実際に解決していくための対策を立てるようにするとよいでしょう。その際なるべく具体的に対策を考え、解決のための実行に移すことも大切です。

問題解決のための四つの基本ステップ
(1)何が問題かを明らかにする
(2)原因をリストアップする
(3)原因を絞り込む
(4)具体策を考え、実行する

相手が年上だったり、仕事ができなかったり、落ち込んでやる気がないという「状況的」なことではなく、それによって生じる「問題」についての「解決策」の方に目がいくようになれば、アプローチの仕方もきっと変わってくるはずです。

また、もう一つ大切なことは、相手の人格とパフォーマンスをイコールで捉えないことです。人間、決して「仕事ができない=人間的に問題がある」ということはありません。問題を解決するためには常に冷静かつ常に客観的に、問題の根本にだけ集中したアプローチを心がけましょう。相手の人格に関わるようなことや、年齢その他のことを持ちだすのはルール違反です。相手に対して言いにくいことを伝える際にも、このルールを徹底するようにするとよいでしょう。

profile  田中ウルヴェ京(メンタルトレーナー/国立鹿屋体育大学客員教授)

1967年生まれ。聖心女子学院初中高等科を経て、日本大学在学中の1988年にソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得。1989~1999年に 日本代表チームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランス代表チーム招待コーチなどを歴任。1991年より渡米、米国カリフォルニア州セン トメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了。99年からは米国アーゴジー心理専門大学院にて認知行動療法とスポーツカウンセリン グを、2000年米国サンディエゴ大学院にてパフォーマンスエンハンスメントとアスレティックリタイヤメントを学ぶ。2001年に起業し、心身の健康を テーマに、株式会社MJコンテスを経営。アスリートからビジネスパーソンまで幅広くメンタル指導を行う一方、東京・白金台と大阪にピラティススタジオ 「DMJボディバランシング」を持つ。企業研修や講演は年に200を数え、最近では報道番組でコメンテーターも務める。夫はフランス人、二児の母。『書く だけで人生が変わる{感謝日記} すぐに幸福を引き寄せる30の方法』(実業之日本社)、『「リーダー力」を鍛える!メンタルトレーニング実践講座』 (PHP研究所)など著書、共著、訳著多数。
http://www.mjcomtesse.com


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