jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

BOOK REVIEW 【編集部】 [2012.03.09]

BOOK REVIEW(74)あなたの会社は経営戦略よりも大事なことを忘れていませんか?


『最高の職場 いかに創り、いかに保つか、そして何が大切か』
M.バーチェル、J.ロビン著/伊藤健市、斎藤智文、中村艶子 訳
A5判・286ページ・2000円(税別)

最高の職場―いかに創り、いかに保つか、そして何が大切か 最高の職場―いかに創り、いかに保つか、そして何が大切か

本書では、100社近いケーススタディをもとに実践につながる解説を行い、「最高の職場」創出の秘訣を明らかにする。20年にわたるGPTWIの調査成果と気鋭の執筆者による、よりよい職業人生の実現と、組織目標の達成に導く提言。

■競争力のある会社は、まずは社員を大切にする

アメリカの著名な経済誌である『フォーチュン』は、1998年から毎年「100 Best Companies to Work for in America」(最も働きがいのある会社ベスト100)を掲載しています(http://money.cnn.com/magazines/fortune/best-companies/2012/full_list/)。 2012年のベスト10は、下記のとおり。2007年、2008年と1位を獲得したグーグルが、4年ぶりにトップに返り咲きました。ほかにもSAS インスティチュート、ウェグマンズ・フード・マーケッツ、エドワードジョーンズ、ボストンコンサルティンググループなどもランキングの常連企業です。

1 グーグル(メディア)
2 ボストンコンサルティンググループ(専門サービス)
3 SAS インスティチュート(IT)
4 ウェグマンズ・フード・マーケッツ(小売)
5 エドワード・ジョーンズ(投資銀行)
6 ネットアップ(IT)
7 カムデン・プロパティ・トラスト(建設・不動産)
8 レクリエーショナルイクイップメント(小売)
9 CHG ヘルスケアサービス(ヘルスケア)
10 クイッケンローン(金融)

本書は、こうした「最も働きがいのある会社100」に名を連ねる企業が、いかに社員のモチベーションを保ち、仕事の効率を高める組織として、どのような取り組みや工夫をしているか、そして、社員が自社を誇りに思い、どんな点を評価しているかを明らかにしたものです。

■社員のモチベーションの源泉ってなんだ?

この「最も働きがいのある会社ベスト100」のサーベイを実施しているのが、サンフランシスコに本部を置くGreat Place to Work Institute(GPTW:http://www.greatplacetowork.com/)です。GPTWのサーベイの特徴は、従業員の視点を重視している点です。
「働きやすさ」の指標である「従業員満足度」を向上させていくことも重要ですが、不満を減少させる衛生要因的な改善だけでなく、モチベーションにつながる「働きがい」に着目した経営をしていくことが、これからはより重要になってきます。
GPTWでは、長年にわたる研究から「働きがい」の構成要素を、下記のように定義しています。そのうち①~③までの上位概念が「信頼」です。つまり、「信頼」「誇り」「連帯感」の三つは、組織におけるプラットフォームで、それがない組織では、どんな制度や仕掛けを導入してもうまく機能しないということです。

①信用
・コミュニケーション:オープンで気さくなコミュニケーション
・有能さ:人材とその他のリソースを調整する際の有能さ
・誠実さ:誠実さを重視し、一貫性をもってビジョンを遂行している
②尊敬
・支援:専門性の育成への支援と感謝の表明
・協働:関係する意思決定における従業員との協働
・配慮:従業員の家庭や生活への配慮
③公正
・公平感:全員に対する公平な報酬
・偏りのなさ:採用・昇進でえこひいきをしない
・正義:差別がなく、意見や不満をアピールする方法が整っている
④誇り
・自分の仕事:自分の仕事と個人的貢献に対する誇り
・チーム:自分のチームやワークグループが行った仕事に対する誇り
・組織:組織の製品や地域社会での位置づけに対する誇り
⑤連帯感
・親しみやすさ:白分らしくいられる環境が整っている
・思いやり:社交的で親しみやすく、歓迎する雰囲気がある
・仲間意識:《家族》意識や《チーム》意識

本書では、上記の構成要素の一つひとつを各章で、細かく解説し、さらにケーススタディを追加することで、説得力のある構成に仕上げています。自社を“最高の職場”にするためのヒントが随所に隠されており、読み進めるごとに解決の糸口を見つけるかもしれません。
本書は、すべてアメリカの企業の例をベースにしていますが、「働きがい」は世界共通といえるでしょう。実際にGPTWの活動は、世界40カ国以上で展開されています。
企業規模、業種などに関係なく、少子高齢化による国内市場の縮小、本格的なグローバル化を前に日本企業は、バランスシートに載らない財産(=社員)の「働きがい」を見つめ直す必要がありそうです。本書の質実剛健な構成・書きぶりの中に、経営の本質を見ることができます。そのような意味で本書は経営者や管理職の方にとって格好の教材といえます。

◆目次
第1章 序論 最高の職場を創り上げることがもつ価値
Case study SASインスティチュート-最高の資産に配慮する
第2章 信用 「私はリーダーを信じる」
Case study プライスウォーターハウスクーパース-優秀な社員の鼓舞
Case study グーグル-巨大な干し草の山からグーグラーを探し出す
第3章 尊敬 「私はこの組織の価値ある一員です」
Case study ジェネラル・ミルズ-優秀な管理職の育成
Case study SCジョンソン-ファミリー企業
第4章 公正 「皆が同じルールでプレーする」
Case study スクリップス・ヘルス病院-全員は一人のために、一人は全員のために
Case study CH2Mヒル 所有権をもつ生き方
第5章 誇り 「私は本当に意味あることに貢献します」
Case study ウェグマンズ・フード・マーケッツ-地域社会への貢献を誇りとする
Case study WLゴア&アソシエイツ-革新的な文化と革新のための文化
第6章 連帯感 「わが社の社員はすばらしい」
Case study カムデン・プロパティ・トラスト-社員と同社製住宅の住民にとって楽しいコミュニティの構築
Case study マイクロソフト-天才大歓迎
第7章 グローバルな視点 世界各国にある最高の職場
第8章 行動を起こす 最高の職場を創り上げる


労務管理、人事評価、ハラスメント対応など充実のコース!

労務行政eラーニング 詳しくはこちら

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品