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給与計算の基礎知識 [2012.03.01]

年末調整


 毎年末、1年間の所得が確定した時点で所得税を算出し、納付した源泉所得税との差額を12月(または、翌年1月)分の給与で調整(追加徴収、還付)する処理を「年末調整」といいます。

(1)給与・賞与にかかる所得税の計算

 年末調整の業務を説明する前に、まず、所得税の計算方法を理解しましょう。
 給与・賞与にかかる所得税は、次のとおり算出します。
①給与収入(社会保険料等も含む総支給額)から経費を引いた「給与所得」を算出します。なお、実際には、各従業員の経費を算出することが困難なため、収入の一定割合を控除する「給与所得控除」という方法により算出します。
②給与所得から、基礎控除、扶養控除、社会保険料控除等を引きます。これを「所得控除」といい、所得控除後の残額が「課税される所得金額」になります。
③「課税される所得金額」に税率を乗じての所得税額を算出します。
※控除額や税率は改訂されることがあるので、毎年、必ず確認するようにしましょう。
※地方税の計算も所得税と同じ流れで行われます。ただし、控除額や税率は異なります。

【図表62】 所得税の算出

 

【図表63】 控除額、および税率(2011年) 

※住民税の税率は、都道府県などにより異なるので要確認。

(2)年末調整の業務

 年末調整とは、従業員の所得税を計算し、納付済みの源泉所得税との差額調整を行う業務です。所得税の計算を行うためには、各従業員について次の事項を確認することが必要です。
①所得控除の対象となる扶養親族の数
②生命保険料控除などの対象となる生命保険料などの支払い額
 そこで、12月31日時点で在籍している従業員(実務上は、12月の給与の支払いを受ける従業員)に対して、所定の申告書を配布、回収して、これらの点を申告してもらいます。人事部は、この申告に基づいて所得税を計算し、12月(または翌年1月)に支給される給与で清算します(過納の場合は還付、不足の場合は徴収)。
 なお、年明けに、年末調整の結果(その年の給与所得や所得税の納付額など)を記載した源泉徴収票を作成して、各従業員に配布します。
 控除対象となる扶養親族数などは、その年の12月31日時点の状態で決定されます。したがって、扶養控除申告書を提出した後に扶養親族の異動があった場合には、年明けに、あらためて年末調整を行わなければなりません(これを「再調整」といいます)。
 また、年の途中で入社した従業員も年末調整の対象となりますので、前職で支払われたがある給与が記載された源泉徴収票などを、入社時に提出してもらいます。

【図表64】 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

その年の最初に給与の支払を受ける日の前日(中途就職の場合には、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日)までに給与の支払者に提出。申告書の記載内容に異動があった場合には、その異動の日後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに異動の内容等を記載した申告書を提出する。
なお、この申告書は、給与の支払者が保管しておくことになっている(税務署などへの提出は不要)。

【図表65】 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

※給与の支払を受ける人(給与所得者)が、その年の年末調整において生命保険料、地震保険料などの保険料控除や配偶者特別控除を受けるために、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までに給与支払者に提出する。

【図表66】 源泉徴収票


(3)年末調整を行わない場合

 次の二つのいずれかに当てはまる人は、年末調整の対象外となります。
①1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2000万円を超える人
②災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人
 また、次の五つのいずれかに当てはまる人は、年の途中でも年末調整を行います。
①1年以上の予定で海外の支店などに転勤した人
②死亡によって退職した人
③著しい心身の障害のために退職した人(再就職の見込みのある人は除く)
④12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
⑤いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103万円以下である人
 したがって、年の中途で退職した人で①~⑤以外の人は年末調整の対象となりません。

 年末調整の対象外の人、また、年末調整の対象者であっても副業をしている場合(給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人)などは、翌年2月中旬から3月中旬までの間に、自分で税務署に行き、所得税の清算をしなければなりません。これを「確定申告」といいます。

深瀬勝範(ふかせ・かつのり)Profile
社会保険労務士
1962年神奈川県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大手電機メーカー、金融機関系コンサルティング会社、大手情報サービス会社を経て、2001年より現職。営利企業、社会福祉法人、学校法人等を対象に人事制度の設計、事業計画の策定等のコンサルティングを実施中。


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