jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

Business Report-我が社の次の一手 株式会社アクティブ アンド カンパニー [2011.05.27]

第2回 事業価値転換(バリュートランスフォーメーション、VT)の進め方

大野 順也 おおの じゅんや

株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役

1.ビジネス資産とは

前回のコラムでも述べたとおり、バリュートランスフォーメーションコンサルティング(以下、VTC)とは、その企業における"ビジネス資産"を明らかにすることを通して、新しい事業形成を図る事業戦略の手法である。

このVTCで抽出するビジネス資産とは、大きくふたつに大別され、「基本資産」と「形成資産」からなる。

「基本資産」とは、既存およびこれまでの事業を下支えする(してきた)基本となる資産のことを指し、その項目は"戦略"や"人材"、"ビジネスモデル"など10項目からなる。一方、「形成資産」とは、基本資産を用いて事業活動を行う中で作られた(新たに形成された)資産のことを指し、"顧客"や"スキル"、"販路"などからなる。VTCは、まずこれらのビジネス資産を抽出するところから着手する。

図:ビジネス資産項目

ビジネス資産は業務の流れと密接な関係があり、業務の流れの効率化・高度化を支えているため、日常業務の流れを通して、「成長」「衰退」「発生」「消滅」などを繰り返し変化していく。したがって、網羅的にビジネス資産を抽出する場合は、組織階層や各部門などのさまざまな視点に立って検証・検討を行い、抽出していく必要がある。

2.VTCの作業内容

VTCでは、インタビューや資料調査によって、その会社のビジネス資産の概観を明らかにし、事務局ミーティングやワークショップを通して、ビジネス資産の具体化・詳細化を図っていく。前述のとおり、このプロセスを進めていく際には、経営陣の関与だけでなく、現場を担う社員の関与も重要なポイントになってくる。

図:本プロジェクトの流れ
図:ワークショップの全体像

それというのも、ビジネス資産の中の「基本資産」に関しては、組織の上位層によって意図的に形成されているビジネス資産である場合が多く、比較的見つけやすい。
しかしながら、「形成資産」に関しては、基本資産を基にして組織の下位層によって形成される場合が多く、その発生も意図的なものから偶発的なものまであるため、比較的見つけづらいという事情があるからだ。
そのため、VTCを進めていく場合には、経営陣の関与だけでなく、現場を担う社員の関与も必要不可欠になってくるのである。

3.VTCの成果物と期待効果

VTCでは、このようなプロセスを通して、中長期事業計画の策定および実行支援、また中長期事業計画に基づく人材マネジメント施策を策定し、実行を支援していく。

さらに、経済産業省が提唱している知的財産を可視化する取り組みに準拠し、VTCを通して抽出されたビジネス資産をどのように活用しているのか、また今後どのように活用していくのかを"知的財産経営報告書"としてまとめることも成果物としている。

また、VTCには、このような可視化された成果物だけでなく、より実業の面でも有効な効果が得られる。代表的な効果としては、事業開発、M&A、組織行動の面からアプローチすると、以下のように整理できる。

図:ビジネス資産を明らかにするメリット

(1)事業開発
自社が保有するビジネス資産を活用するため、計画が立てやすい。しかも、コントロールしやすい分だけ実現可能性も高い。さらに、既存のビジネス資産を活用するため、比較的低コストで実現できる。

(2)M&A(事業買収/売却)
財務上の価値だけでなく、事業活動に直結した事業上の必要価値を加味した売買が実現できる。

(3)組織行動
自社の本質的な価値を知ることを通して、組織活動のブレが低減できる(具体的には、競争力のあるビジネス資産に対する資源の集中など)。さらに、ビジネス資産を検証・模索する活動を通して、組織に一体感が醸成できる。また、社員からビジネス資産を活用した新規事業などの発案が期待できる。

このように、先の見えにくい経営環境だからこそ、既存事業の枠組みだけにとらわれず、自社の強みを構成する"ビジネス資産"を正しく認識し、時代に合った市場ニーズとの結び付けを通じて、将来の自社の礎を築いていくことが、現状を打開するためのカギを握っている。

今回紹介した事業価値転換(バリュートランスフォーメーション、VT)は、そうした会社の現状を謙虚かつ大胆に展望していくうえで、強力なツールとなるといえるだろう。

自社におけるビジネス資産を明確にしておくことは、事業価値転換を目前に控えた企業においては急務課題であるが、目まぐるしく変化する市場環境・社会構造に対して、発展・成長していくうえでも必要な考え方といえるだろう。

(了) 

 バリュートランスフォーメーションコンサルティングに関する詳細は、下記のサイトをご覧ください。

http://www.aand.co.jp/consulting/transform.html

写真:大野 順也さん

Profile

大野 順也 おおの じゅんや

株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役
1974年兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社パソナに入社。営業部を経て、営業推進室及び営業企画部門を歴任。アウトソーシングに関わるコンサルティングから同社関連会社の立ち上げを手掛ける。その後に、現デロイト トーマツ コンサルティング株式会社にて、組織・人事コンサルティングに従事し、2006年に株式会社アクティブ アンド カンパニーを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。


労務管理、人事評価、ハラスメント対応など充実のコース!

労務行政eラーニング 詳しくはこちら

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

シリーズ記事

キーワード

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品