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[2011.07.04]

当社には退職金制度はありませんが、これまで慣行として退職金を支給してきました。今後は退職金を支給しないように変更したいのですが、問題はありませんか。


A 退職金を支払うこれまでの慣行が、労働契約の内容となっていると判断される場合、退職金の支払いは義務となります。

1.退職金請求権の発生根拠

常時10人以上の労働者を使用する事業場には、就業規則の作成義務があります(労働基準法89条)。また退職金制度を設ける場合には、就業規則に退職金制度の適用労働者の範囲、金額の決定・計算・支払い方法、支払い時期を明記しなければなりません。
退職金制度が就業規則において具体的に定められている場合、退職金は、労働基準法上の「賃金」であるとされ、使用者は就業規則に基づいて、労働者に退職金を支払わなければなりません(参考資料①)。

2.労使慣行の法的意義

会社が退職金制度を設ける場合、就業規則でその内容を定めるのが基本です。しかし、就業規則の作成義務があるのは常時10人以上の労働者を使用する事業場だけです。労働者が10人未満の事業場では、退職金制度を設ける場合でも、就業規則に定める法律上の義務はありません。また、就業規則作成義務のある事業場でも、実態として、退職金制度を就業規則に定めず、労使慣行として退職金を支払っているケースもあるでしょう。
労使慣行は、次の3つの要件を満たす場合に労働契約の内容となり、法的な効力を持つとされています(参考資料②)。

①同種の行為または事実が長期間反復継続されていること
②労使双方が慣行を明示的に排斥していないこと
③使用者が慣行に従うという規範意識を有していたこと

使用者が長期間にわたり例外なく退職金を支払ってきた事実があり、労使ともこれを認め、使用者が過去の慣行に従う心づもりがあったのであれば、労使慣行となり、退職金を支給しなければなりません。

<参考資料>
①昭22.9.13 発基17
②国鉄池袋・蒲田電車区事件(東京地裁 昭63.2.24判決)、商大八戸ノ里ドライビングスクール事件(最高裁一小 平7.3.9判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


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