jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

[2011.06.27]

減給の制裁を賞与支給時にまとめて行うことは可能ですか?


A 1回の事由について平均賃金の1日分の2分の1を超えず、総額が賞与支給額の10分の1を超えない範囲でのみ、減給制裁に関する規定が整っていれば可能です。

1.賞与における.減給の制裁の適用

就業規則で定められているような場合、賞与は、労働基準法上の賃金と考えられます。また賞与に対する減給の制裁は禁じられていません。ですので、労働基準法第91条(参考資料①)に定める制限の範囲において、減給の制裁を行うことについての問題はなく、通達でもその旨を通達しています(参考資料②)。
ただし、制裁として賞与から減額するには、就業規則等においてその旨を定めていることが必要です。

2.人事考課による支給額の減額

現在では、多くの企業において、賞与の支給に当たり人事考課を実施し、考課期間中の非違行為や勤怠を考課要素の一つとして盛り込み、結果としてそれらの事項に該当した場合には、賞与の支給額が減額されるケースがあります。

あくまで人事考課により支給額が減額されることについては、減給の制裁に当たらないとする裁判例があります(参考資料③)が、一方で、懲戒を受けた従業員に対し、賞与受給資格を失わせる規定については、実質的には懲戒事由該当を理由とする制裁を定めたものであり、労働基準法第91条の制限を超えた無効なものであると判断している例(参考資料④)があります。実務においては、懲戒に関する規定とともに賞与支給の方法に関する就業規則や賃金規程の内容、実際の運用方法等に関し注意しておく必要があるでしょう。

<参考資料>
①労働基準法第91条
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

②昭63.3.14 基発150
制裁として賞与から減額することが明らかな場合は、賞与も賃金であり、法第91条の減給の制裁に該当します。したがつて賞与から減額する場合も1回の事由 については平均賃金の2分の1を超え、また、総額については、1賃金支払期における賃金、すなわち賞与額の10分の1を超えてはならないことになる

③マナック事件(広島高裁 平成13.5.23判決)
「労働基準法91条は、従業員が具体的賃金請求権を取得していることを前提に従業員の非違行為等に対する制裁としてこれを減給する場合に適用される規定」であり、人事考課により支給額が少なくなることについては、労働基準法91条の適用はない

④新日本製鉄事件(札幌地裁 昭50.3.14判決)。
賃金としての賞与の特色の一つは同じ労働に従事した労働者においてもその支給額に高低が存する点にあり、その意味で被告(編注:会社)のいう各自の貢献度 に応じて支給すること、すなわち被告が成績考課にもとづき一定の幅で支給額を定めうる裁量権があることはもとよりであるが、これを越えて減給処分を行うこ とを実質的な理由として賞与を全く支給しないと定めることはやはり賞与の賃金であることを否定することとなり、前記91条に反することとなるのである。

条件付出勤停止処分を受けたものは他に存する企業への貢献度を一切考慮することなく、一律に無資格者と定め、不完全受給資格者と比べ極めてきびしく取り扱 われているものであり、右条項は労使間の協定という形式をとってはいるものの実質的には懲戒事由該当を理由としてこれに対する制裁を定めたものと言わざる を得ない

回答者 益田浩一郎 社会保険労務士(益田社会保険労務士事務所 代表)


管理職のeラーニング講座、お試しできます

無料トライアル受付中

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

キーワード

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品