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[2011.06.27]

年俸制適用者で賞与が年額で決められている者が中途退職した場合、賞与はどう払うか


A 労働契約の内容にもよりますが、賞与対象期間の定めがあれば、在籍期間を案分すべきです。

1.年俸制とは

年俸制とは、賃金の計算においてその起算日を定め、向こう1年間の賃金総額を決定し、その総額を月数(12分割あるいは、賞与部分を含んだ月数、例えば15や17分割)で案分して毎月一定日に支払うものです。例えば1日当たりで賃金を決めれば「日給制」となり、1カ月当たりで賃金を決めれば「月給制」となるように、年俸制自体、賃金の支払形態に関するもので、労働基準法24条(賃金の支払)等に抵触しない限り、導入そのものに法的な問題はありません。当然のことながら、給与規程等にその適用対象者の範囲や取扱方法等を明確に規定することが必要となり、あわせて年俸契約を使用者と労働者間で締結するというのが一般的といえます。
そもそも年俸契約とは、労働契約の期間を定めるものではなく、賃金支払いの形態を定めたものであり、1年分の賃金総額を定めるとともに、その支給方法を定めるものです。

1年間の賃金総額を定めるということは、労働者側からすれば、起算日から1年間は定められた賃金で、誠実に労務を提供するということが前提となっており、また使用者側からすれば、労働の対償として定められた賃金を支払うことになります。

2.年俸制適用労働者が中途退職した場合の賃金の取り扱い

年俸制を適用されている労働者が年俸契約期間の途中において退職する場合、1年間の労務提供が前提とされていることから、債務不履行に該当すると考えられます。民法628条により、やむを得ない事由がなければ一方的な契約の解除(退職)はできず、これを行った場合、会社は債務不履行によって生じた損害の賠償を請求することも可能となりますが、一方、「やむを得ない事由」があり、本人に過失がない場合は、期間途中の退職を理由として損害賠償請求を行ったりすることは認められません。
しかし、年俸制契約であっても、日給者や月給者と同様、ノーワークノーペイの原則により、不就労部分についてまで賃金支払いを求めるものではありません。したがって、規定や契約において特約がない限り、退職後の賃金について支払う義務はありません。

3.退職者の賞与支払い

例えば、年俸制が1年分の賃金総額を12分割で支払う場合には、どの月にも12分の1ずつ賞与分が含まれていますが、賞与部分を含んだ月数、例えば賞与年間5カ月分で除して、特定の月に賞与として2.5カ月分を年2回上乗せして支払う場合では、退職月により、有利・不利が生じることになります。こういったことは、不公平感にもつながり、得策ではないでしょう。
年俸制においては、給与規程あるいは年俸制契約の締結時に、明確に月例給与部分と賞与部分を区分し、かつ賞与考課期間の定めがある場合には、それに従って在籍期間を案分するなど、できる限り詳細に規定しておくことが望ましいと考えます。

回答者 益田浩一郎 社会保険労務士(益田社会保険労務士事務所 代表)


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