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[2011.07.04]

企業年金を一方的に引き下げる(給付減額する)ことは認められますか?


A 自社年金であれば、退職金制度の不利益変更の問題となります。外部拠出型の年金であれば、その制度における受給権保護の問題として判断されます。

1.企業年金の種類

企業年金は一般に、①企業自身で運営する「自社年金」と、②外部の資産管理機関等に年金原資を拠出してその運営を委ねる「外部拠出型年金」(厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金)に分けられます。企業年金の給付引き下げの可否も、このどちらであるかによって判断が異なります。

2.外部拠出型年金の場合

外部拠出型年金の場合は、使用者とは別の資産管理機関等が年金を支給することになるので、使用者が支払うものではありません。賃金とは「労働の対償として使用者が支払うもの」ですので、外部拠出型の年金は賃金ではないということになります。外部拠出型年金は、企業と外部の機関等との契約を前提としており、給付減額はその外部の機関等から年金を受給する権利(受給権)保護の問題であって、会社とは関係ありません。

3.自社年金の場合の減額

自社年金は自社で運営しているものですから、退職金制度そのものになります。当然、労働基準法上の賃金となります。在職者に対するその減額は、労働条件の不利益変更になりますので、減額の必要性、不利益の程度、代償措置などが判断要素となります。
一方すでに退職している方は、企業年金規程によって受給権が確定しており、その減額は、一方的な不利益しか与えないため慎重に行う必要があります。多くの退職者の同意が得られるよう、減額の必要性に関する情報開示と説得が重要となります。
自社年金の給付を引き下げたことで争われた裁判例があります(参考資料①)。この事件では、分割して支給する退職金に付す給付利率を2%引き下げることが認められるかが焦点となりました。判決は、年金原資となる退職金の分割払い分および一般に運用可能な利率による利息相当分については賃金の後払いとして保護されるとする一方、それを超える部分については、恩恵的給付に当たり減額することは許されるという判断を示しました。

社会経済情勢が変化し、当初予定された運用利率では運用できておらず、会社も営業利益等が減少している中、これ以上負担を増やすことも困難であり、給付利率の2%引き下げは許容範囲であるという判断です。

<参考資料>
①松下電器産業グループ事件(大阪高裁 平18.11.28判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


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