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[2011.07.19]

計画停電で会社に電気が来ないことを理由に休業した場合、休業手当は必要か?


A 計画停電の時間に、事業場に電力が供給されないことを理由とする休業は、原則として労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しない。つまり、会社としては休業手当を支払う義務はない。また、計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する。しかし、一定の場合、計画停電の時間帯以外についても休業手当の支払い義務が課されない。

1.「休業手当」と「事業主の責に帰すべき事由」とは何か

【Q8-11-02】で紹介したとおり、労働基準法では、「使用者の責に帰すべき事由」による休業、つまり使用者の責任で労働者を休業させた場合については、休業としている期間中、「平均賃金の100分の60以上の休業手当」を支払う義務があることを定めています(労働基準法26条)。
この「使用者の責に帰すべき事由」は、使用者の不可抗力によるものは含まれないと解されています。不可抗力に当たるには、以下の2つが必要です。

①休業の原因が事業の外部で発生した事故であること
②事業主が経営者として最大の注意を尽くしても避けることができない事故であること

地震は使用者の不可抗力ですから、「使用者の責めに帰すべき事由」とはなりません。

2.計画停電の結果、電力が供給されないため休業とした場合はどうか

ここで、現在の状況下で焦点となるのは、計画停電による送電停止の結果、電力が供給されず事業が続行できないために休業したときは、「使用者の責に帰すべき事由」に当たるのか――という点ではないでしょうか。

(1)計画停電の時間に、事業場に電力が供給されないことを理由とする休業
厚生労働省の通達(平成23年3月15日 基監発0315第1号※)では、計画停電の時間に、事業場に電力が供給されないことを理由とする休業は、原則として労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しない――としています。つまり、会社としては休業手当を支払う義務はありません。

(2)計画停電の時間帯以外も含めた休業
一方、計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当する――としています。つまり、電力が供給されて事業遂行できるにもかかわらず、その時間帯を休業とする場合は、会社はその時間帯に関して休業手当を支払わなければなりません。

しかし企業経営上、計画停電の時間帯以外も含めて休業させる必要がある場合もあるので、通達では、計画停電の時間帯を含めて一定時間休業させる場合の取扱についても規定しています。
通達では、計画停電の時間帯を含めて休業させるケースについて、次のように判断を示しています。

「他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しない」

どういう場合に「計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当」と認められるかは、個別に労働基準監督署に照会することになります。計画停電とは異なりますが、ストライキ解決後操業を開始する場合に、作業工程が長工程の流れ作業であるために、作業工程ごとに順次操業を開始したケースでは、やむを得ない限度において一部の労働者を休業させることは、使用者の責めに帰すべき休業ではないと判断されました(昭28.10.13 基収3427)。

(3)計画停電により交通機関が使えないことによる遅刻・欠勤
計画停電により労働者が遅刻・欠勤する場合は、使用者の責任ではないので休業手当の問題は生じません。遅刻・欠勤は労働者の労務提供の不完全履行または不履行となり、労働者は賃金を請求することはできません。ただし労働者が当該日について、年次有給休暇を取得する旨を申し出ている場合は、使用者時季変更権を行使する時間的余裕がなくとも、年休取得を容認するべきでしょう。

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


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