jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

[2011.07.19]

賃金の非常時払とは、どんなときに必要か?


A 災害等の非常時の費用に充てるため、労働者から請求があった場合に支払いが必要。

1.非常時払の趣旨

労働基準法25条(非常時払)では、「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない」としています。

通常であれば、同法24条(賃金の支払)の規定によって賃金の支払期日が定められた場合、使用者は、その期日に賃金を支払えば足ります。一方、労働者も、特約がある場合を除き、支払期日が到来するまでは賃金の支払を請求できません。そこで、賃金を主たる収入として生活をする労働者に、出産、疾病、災害等の不時の出費を必要とする事情が生じた場合、労働者が請求したときは、支払期日前であっても、使用者に賃金の支払いを義務付け、労働者の不便を補うこととしたものです。

2.非常時払いを請求できる事由

労働者が非常時払いを請求することができるのは、労働者本人の出産、疾病、災害のケースのほかに次の場合が示されています(労働基準法施行規則9条)。

①労働者の収入によって生計を維持する者の出産、疾病、災害
②労働者またはその収入によって生計を維持する者の結婚、死亡
③労働者またはその収入によって生計を維持する者のやむを得ない事由による1週間以上の帰郷

なお、①の「労働者の収入によって生計を維持する者」については、労働者が扶養の義務を負っている親族に限らず、労働者の収入で生計を営む者であれば、親族以外の同居人であっても差し支えません。ただし、親族でも独立の生計を営む者は含まれません。

3.既往の労働に対する賃金

使用者が、労働者から非常時払に係る請求があった場合に支払わなければならないのは、「既往の労働に対する賃金」です。「既往」とは、通常は請求の時以前を指しますが、労働者から特に請求があれば、支払の時以前と解するべきでしょう(請求時以降の労務提供があった期間の賃金も合わせて支払う)。

いずれにせよ、いまだ労務の提供のない期間に対する賃金(この賃金は「前払の賃金」に該当することになる)については、支払う義務はありません。なお、月給、週給等で賃金が定められている場合には、「既往の労働に対する賃金」は、労働基準法施行規則19条で規定する方法により、日割計算して算定することになります。

4.支払いの時期

非常時払いの賃金は、請求があったときから何日以内に支払う必要があるかについては、法律上の規定はありません。ただし、非常時払いということの性質上、当然に、請求の趣旨に応じて遅滞なく支払わなければならないものと解されています。

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)


管理職のeラーニング講座、お試しできます

無料トライアル受付中

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

キーワード

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品