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[2010.12.02]

労働者の退職に際し、労働者にお金を貸しているという貸金業者が現れ、退職金を自分に支払うよう求めてきました。どのように対処すべきでしょうか。


A 賃金・退職金は、裁判所の手続きにより差し押さえがなされた場合などを除き、原則として労働者に直接支払わなければなりません。

1.賃金の直接払いの原則

賃金については、労働者に直接支払わなければならないとする「直接払いの原則」(労基法24条)が定められています。退職金も賃金ですので、「直接払いの原則」に従わなければなりません。
ところで民法上の一般原則では、債権が譲渡された場合、債務者は譲受人に対して債務を弁済することとされています。今回のケースでいうと、労働者が自らの債権である退職金請求権を貸金業者に譲渡した場合、債務者である会社は、譲受人である貸金業者に退職金を支払わなければなりません。
しかし賃金に関しては「直接払いの原則」が優先しますので、会社は貸金業者に退職金を支払うことはできません。会社としてはあくまで労働者本人に支払い、その後、労働者と貸金業者の間で話をつけてもらうしかありません)(参考資料①)。

2.賃金債権が差し押さえられた場合

労働者が税金を滞納し、賃金が国税徴収法の規定に基づいて差し押さえられた場合には、賃金を行政官庁に納付することが認められています。裁判所による民事執行手続きにより、賃金・退職金が差し押さえられた場合についても、例外的に差し押さえ債権者に対して支払うことが認められています(民事執行法155条)。
ただし労働者の生活を保障するために、定期賃金、賞与、退職金のそれぞれについて賃金の差押限度が定められているので注意が必要です(参考資料②)。

<参考資料>
①電電公社小倉電話局事件(最高裁三小 昭43.3.12判決):労働者が、酩酊中の暴行行為の弁償金として、退職金の一部を第三者に譲渡し、その旨を使用者に通知した場合でも、使用者は退職手当を第三者に支払うことはできないとした例。
②国税徴収法76条、民事執行法152条

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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