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[2010.12.02]

傷病による休職期間の満了を理由に、退職させることはできますか。


A 休職期間満了時に傷病が治らず復職できない場合、当然に退職扱いとするのではなく、復職可否の判断について慎重に行うべきでしょう。

1.休職制度の趣旨

休職制度とは、労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、従業員としての地位を維持しながら、就労を免除あるいは禁止するものです。休職には、①公職への就任、組合専従、出向など、他での就労等を可能にするための「就労免除措置」を目的とするもの、②私傷病等で就労不能のため長期欠勤が続く場合の、「解雇猶予措置」「治療に専念させるための措置」を目的とするもの等があります。

2.私傷病による休職期間の満了

私傷病等で長期の欠勤が続く場合に、一定期間の休職を認め、休職期間が満了した時点で傷病が治らず復職できないときは、自然退職あるいは解雇とする取り扱いについては、一定の合理性があると考えられています。
私傷病等が長期間治癒せず、労務の提供ができない場合、労働者は雇用契約上の義務を果たせないことになりますから、本来であれば解雇になります。休職は解雇を一定期間猶予して治療に専念させ、回復の可能性を待つというものですから、休職期間満了時に復職できないのであれば、解雇はやむを得ないこととなります。

3.休職期間満了時における復職可否の判断

傷病が治癒した場合に復職となりますが、傷病の「治癒」とは、「従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したこと」であると考えられています。(参考資料①)したがって、ある程度治癒したものの、従前の職務を遂行できる程度には回復していないのであれば、復職を認める必要はありません。(参考資料②)
もっとも、当初は軽易な作業に就けて体を慣れさせればほどなく通常業務に復帰できる見通しであれば、使用者は一定の配慮をしなければならないとする裁判例が散見されます。(参考資料③)
特に労働者の職種が限定されていない場合には、会社は現実に配置可能な業務の有無を検討する義務があるとした裁判例もあります。(参考資料④)これに対し、職種が特定されている場合には、そこまでの義務はないとされています。(参考資料⑤)

<参考資料>
①平仙レース事件(浦和地裁 昭40.12.16判決)
②アロマカラー事件(東京地裁 昭54.3.27決定)
③エール・フランス事件(東京地裁 昭59.1.27判決)、全日本空輸事件(大阪地裁 平11.10.18判決)、キャノンソフト情報システム事件(大阪地裁 平20.1.25判決)
④JR東海事件(大阪地裁 平11.10.4判決)
⑤カントラ事件(大阪高裁 平14.6.19判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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