jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

[2010.12.02]

労働条件が低下する出向命令を会社は労働者に強制できますか。


A 労働条件の低下が大きい場合、経営上の特別な理由や労働条件低下に対する何らかの配慮措置がなければ、出向を強制することは困難です。

1.労働条件の不利益変更を伴う出向命令

就業規則の出向規定など、使用者が労働者に対して出向を命じる根拠がある場合でも、「出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は無効」となります。(参考資料①)
出向先での労働条件の低下がわずかであれば別ですが、労働者の不利益が大きい場合、その不利益の程度と出向命令の業務上の必要性との比較により、出向命令の有効・無効が判断されます。一般に、労働条件が一定以上低下する出向命令は、整理解雇の回避など経営上の特別な事情がない限り、認められないと思われます。

2.出向命令が無効となったケース

裁判で出向命令が無効と判断されたものとして次のようなものがあります。
①週休2日制の出向元から週休1日制の出向先への出向命令(参考資料②)
出向によって減少した休日分に対しては、休日出勤手当を支給することも可能であるとして、出向による労働条件の悪化は信義則上許されないと判断しました。
②年間勤務時間の増加(33時間増)と賃金減額(14%強低下)を伴う出向命令(参考資料③)
③定年退職者への肉体的・生理的負担が多い清掃業務を伴う出向命令(参考資料④)
④身障者の両親を抱える労働者に対する出向命令(参考資料⑤)

3.出向命令が有効と判断されたケース

①時間外勤務の減少に伴う賃金の減少が僅少なケース(参考資料⑥)
②年間総労働時間数が微増したが、出向手当等が支給されていたケース(参考資料⑦)
③労働組合との協議を通じて出向条件について配慮していたケース(参考資料⑧)

<参考資料>
①労働契約法14条
②神鋼電機事件(津地裁 昭46.5.7決定)
③神戸高速鉄道事件(神戸地裁 昭62.9.7判決)
④JR東海事件(大阪地裁 平6.8.10決定)
⑤日本ステンレス事件(新潟地裁高田支部 昭61.10.31判決)
⑥光洋自動機事件(大阪地裁 昭50.4.25判決)
⑦相模ハム事件(大阪地裁 平9.6.5決定)
⑧新日本製鐵(日鐵運輸第二)事件(最高裁二小 平15.4.18判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

管理職のeラーニング講座、お試しできます

無料トライアル受付中

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品