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[2010.12.02]

懲戒処分としての始末書の提出に従わなかったことを理由に懲戒処分を課すことができますか。


A 始末書の提出は任意のものであり、これを強制することはできません。

1.始末書

懲戒処分として「譴責」を課す場合、通常、始末書を提出させて将来を戒めます。始末書は顛末書と異なり、単に非違行為(非行・違法行為)の経緯を報告させるだけにとどまりません。基本的には非違行為に対し謝罪の意を表明させ、本人に反省を促すことを目的としています。
しかし、労働者が懲戒処分に不服を申し出ている場合は、始末書の提出を拒むこともあり得ます。こうした場合に、使用者が始末書の提出に固執し、始末書の提出を強制するようなことがあると問題となります。

2.始末書の提出と内心の自由

単なる顛末書であれば問題ありませんが、反省・謝罪の意思を含む始末書の提出を強制し、さらに始末書を提出しないことを理由として懲戒処分を課すことは、憲法が保障する「内心の自由」を侵害するおそれがあり問題となります。
この点に関しては、始末書を提出しないことが就業規則に定めた懲戒事由である「職務上の指示命令に従わない」ことに当たるとして懲戒処分の対象とした裁判例もあります(参考資料①)。一方で、労働契約は労務提供と賃金支払いという対価関係にあり、そこに反省・謝罪といった精神的な服従は必要ないとして、始末書の提出は労働者の任意にゆだねられ、懲戒処分を通じてその提出を強制することはできないとする裁判例(参考資料②)もあります。
一般的には後者の見解が支持されていますので(参考資料③)、始末書の提出は強制できないものと理解しておくべきでしょう。

<参考資料>
①エスエス製薬事件(東京地裁 昭42.11.15判決)
②福知山信用金庫事件(大阪高裁 昭53.10.27判決)
③カジマ・リノベイト事件(東京地裁 平13.12.25判決):4回目の譴責処分後、始末書提出を命じられたのに対し、これを提出しなかったことを理由とした解雇が無効とされた例。

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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