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[2010.11.30]

社員が会社に損害を与えました。損害額を給与から差し引いていいのでしょうか?


A 労働者の故意・過失によって会社に損害を与えた場合であっても、その損害を一方的に賃金から相殺することはできません。

1.使用者による相殺

労働者の故意・過失によって会社に損害を与えた場合(不法行為をした場合)、使用者は労働者に対して損害賠償請求が可能です。しかし、この使用者が労働者に対して持つ損害賠償請求権(債権)と賃金債権(労働者が使用者に対して賃金の請求できる権利)を、一方的に相殺することはできません(参考資料①)。

2.賃金の全額払いの原則とその例外

「賃金はその全額を支払わなければならない」という「賃金の全額払いの原則」があります(労働基準法24条)。この原則の例外は、①法令に別段の定めがある場合(所得税法に基づく源泉所得税の控除など)、①労使協定に基づき労働組合費等を賃金から控除する場合、の2つしかありません。
「賃金の全額払いの原則」は、使用者が一方的に賃金を控除することを禁止し、労働者が賃金全額を確実に受領できることを保障するものです。

3.控除と相殺

「賃金の全額払いの原則」は、賃金からの控除(差し引くこと)を禁止していますが、この「控除」には「相殺」も含まれるというのが判例の立場です(参考資料②)。よって使用者は、労働者から受けた損害と賃金との相殺を一方的に行うことはできないのです。

4.合意があれば相殺は可能

使用者が労働者から被った損害を、労働者に支払う賃金と一方的に相殺できないとしても、労働者の合意を得れば相殺は可能となります。ただしその合意は、「労働者の自由な意思」に基づいたものであることが必要で、裁判ではその点が厳格に判断されます(参考資料③)。

<参考資料>
①関西精機事件(最高裁二小 昭31.11.2)
②日本勧業経済会事件(最高裁大法廷 昭36.5.31判決)
③日新製鋼事件(最高裁二小 平2.11.26判決)

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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