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[2010.11.30]

賃金を労働者の指定口座に振り込む場合、払込手数料を差し引いても問題ないですか?


A 賃金額から金融機関の振込手数料を一方的に控除することは、労働基準法(24条)の「賃金の全額払いの原則」に反することになり違法です。

1.賃金の全額払いの原則

賃金は、その全額を支払わなければならないという原則です。賃金の一部を控除することは、この原則違反となり認められません。
我が国では過去、使用者が積立金、貯蓄金等の名目で賃金の一部の支払いを留保し、労働者がかってに退職しないように足止めを行っていました。賃金の全額払いの原則は、そのような前時代的な悪弊を排除することを目的としています。

2.賃金の全額払いの原則の例外

賃金の全額払いの原則によって、賃金の全額を確実に労働者に受領させることができますが、全く賃金から控除できないとなると、逆に不都合なことも起こります。そこで、この原則の例外として賃金からの控除が認められる場合があります。所得税の源泉徴収、社会保険料の控除など法令(所得税法、健康保険法など)で定められた控除です。それ以外でも労使協定を締結することで、購買代金、社宅、寮などの福利厚生施設の費用、社内預金、組合費等、事理明白なものであれば控除することができます。
労使協定とは、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、ない場合は労働者の過半数を代表する者と締結した書面による協定のことです。

3.振込手数料の控除は可能か

「労使協定」を締結せずに、一方的に賃金から振込手数料を控除することは、全額払いの原則違反となり、違法となります。これは、労働者の同意を得ていた場合も同様です。では労使協定を締結し、本人の自由な意思での同意も得て振込手数料を控除する場合はどうでしょうか。賃金の口座振り込み制度は、現金を用意して個々の労働者に支給する手間が省けるなど、主に使用者に利益がある制度ですが、労働者にとっても利益がないとは言い切れません。また振込手数料は、グッドウイル事件(福岡地裁 平20.12.4判決)のデータ装備費と異なり事理明白なものです。そうすると、違法とまではいえないと考えられます。

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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