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[2010.11.30]

就業規則の規定を根拠に、従業員を他社に出向または転籍させることはできますか?


A 出向については就業規則の規定で原則可能ですが、転籍については本人同意が必要となります。

1.出向と転籍

配転(転勤含む)は企業内の人事異動ですが、出向・転籍は企業間の人事異動であり、使用者が変わってしまう点が配転と異なります。また出向・転籍によって労働条件が低下することもあります。特に転籍は、元の会社を退職して新たに別の会社に就職するのと同じ効果を持ちますので、労働者の地位は一層不安定になります。これに対して、出向は、基本的に元の会社との労働契約関係が継続している点で、転籍とは異なります。

2.出向

出向とは、労働者を指揮命令する権利を、元の使用者とは異なる使用者に譲り渡すのと同じです。労働者も自分の身は、元の使用者にだけに属していると考えています(一身専属性)。よって出向には労働者の承諾を得ているなど「特段の根拠」が必要とされています(民法625条1項)。

この「特段の根拠」となるものが就業規則、労働協約の出向規定です。この場合、就業規則等の規定が、「出向を命じることがある」程度の記載では十分とはいえません。出向条件(出向期間、出向後の労働条件)が詳細に規定されていて初めて、「特段の根拠」となっているといえます(参考資料①)。

出向が一般的になっている今日、使用者は就業規則の規定を根拠に出向を命じることができますが、必要性がない出向、労働条件が著しく悪化するような出向は認められず、無効となります(条件付包括的同意説)。

労働契約法(14条)でも、使用者が出向を命ずる場合においても、出向の必要性や労働者の選定、労働者の個別事情に照らして、使用者の権利濫用があった場合は、出向命令を無効とする旨規定しています(参考資料②)。

3.転籍

転籍には、①元の会社との労働契約を解約して、新な会社と労働契約を締結する場合(解約型)と、②使用者としての地位を別の会社に譲り渡す場合(譲渡型)の二つがあります。いずれにせよ、元の会社との労働契約が切れてしまいますので、基本的に本人同意が必要で、就業規則の規定だけでは転籍を命じることはできません。

<参考資料>
①新日本製鐵(日鐵運輸)事件(福岡高裁 平12.11.28判決)
②労働契約法(14条)
使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

回答者:本田和盛 社会保険労務士(あした葉経営労務研究所 代表)
http://profile.allabout.co.jp/pf/honda/

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