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BOOK REVIEW 【編集部】 [2012.02.10]

BOOK REVIEW(70) 当たり前だけど、できていない人事の「見える化」のツボ


『人事の定量分析』
林 明文 中央経済社
A5判・202ページ・2400円(税別)

人事の定量分析人事の定量分析

人事担当であれば読むべし!
目からウロコ
人事分析の決定版
本の通りに実践し、結果をだしたいと心から思いました。

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■“感覚”人事から“客観”人事へ

まず、もしあなたが人事担当者だったら、以下の質問にどう答えますか?

「社員のモチベーションは高いですか?」
「人件費は適正な額ですか?」
「適正な人員数は何人ですか?」

これらの問いに、客観的なデータの根拠もなしに「高いほうだと思う」とか、「会社として利益が出ているから適正」とか、「○人くらい」とか答えたとすると、あなたは感覚的・主観的な視点でしか物事を捉えていない“感覚”人事です。

みなさんの会社の人事部では、適正な人件費、適正な人員数、人員構成、人件費単価と配分などについて、客観的なデータに基づいて実態を把握・分析し、課題を浮き彫りにして、解決のための施策を講じているでしょうか?

日本の企業、特に製造業では製造コストを数円下げるために厳格な管理を行うのに対して、経営上重要な人件費(賃金、賞与、退職金、福利厚生)に関しては管理が甘く、経営という観点で合理的・科学的な根拠のある運営を徹底している企業は非常に少ないと筆者の林さんは言います。

本書は、激しく変化している経営環境において経営管理という観点から人事部が組織貢献していく必要性と、そのために求められる定量的・合理的な分析ノウハウを紹介したものです。感覚や主観ではなく、客観的に定量的に人事問題を論じるスキルが、これからの人事担当者の必須の素養になってきます。

 

■何を、どう分析する?

経営と連動した人事管理とは、下記の三つを満たす人事管理をいいます。

①量の合理性(合理的なポートフォリオ管理)
経営計画を達成するのに必要な人材か調達され適正な配置がなされている

②システムの合理性(合理的なパフォーマンス管理)
各人材の期待される目標をより高く達成できる仕組み、状態となっている

③継続の合理性(中長期の合理的な継続性)
中長期の経営計画と連動した人事の仕組みが構築されている

人事管理の問題・課題の分析・診断のために使用するデータは、①過去の損益情報、②現在の社員データです。それだけで確度の高い分析ができ、人事の「見える化」が可能になります。

①損益情報とは、過去の売り上げ、売上総利益、付加価値額、人件費関連データ(正社員、非正社員別の人員数と人件費額)、営業利益額。数年間のトレンド分析をする場合を想定して、過去6期以上のデータをあることが望ましいとされています。

②社員データとは、現時点(直近時点)での社員の属性情報(社員番号、年齢、所属組織、職種、等級など)、給与関連情報(月給、直近1年間の賞与、超過勤務手当額など)、評価情報(過去数回の評価階級)です。

本書で、分析手法を詳細に解説しているのは、以下の5分野12テーマです。

■人件費に関する分析
①適正人件費分析
②人件費連動性分析
③適正人件費モデル比較分析
■人員数に関する分析
①人員構成分析
②適正人員数分析
■人件費単価に関する分析
①人件費単価ベンチマーク分析
②その他の人件費単価に関する分析
■人材流動性に関する分析
①人材流動性分析
②人件費配分妥当性分析
③賞与配分妥当性分析
■将来予測分析
①現行ベース将来予測分析
②計画ベース将来予測分析

上記の分析を行うことで、現状の実態把握だけでなく、過去からの推移、自社の売り上げ・規模から導き出した適正な状態とのギャップ、それに5年後、10年後の自社の状況が見えてきます。そうした現実に、短期・中期・長期の視点からどう手を打っていくのかが、人事の腕の見せ所です。定量的・客観的な分析で自社を捉え直してみると、いつもとは違った“風景”が見えてくるはずです。

遊びのない実用に徹した内容ですが、これからの経営の要請・期待に応えていける人事として意識を変え、思考・行動様式を変えるきっかけを与えてくれます。

◆目次
第1章 人事を合理的・科学的にするための定量分析
第2章 人件費関連分析
第3章 人員数に関する分析
第4章 人件費単価に関する分析
第5章 人材流動性に関する分析
第6章 将来予測分析
第7章 その他の分析
第8章 分析と人事施策
終章 今後の人事管理の発展に向けて

◆著者profile
林 明文 はやし あきふみ
株式会社トランストラクチャ 代表取締役シニアパートナー
青山学院大学経済学部卒業。トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして、数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後、株式会社ウエイステーション(ライトマネジメント コンサルタンツ)の代表取締役社長を経て現職。この間、人事・雇用に関するコンサルティングとともに講演、執筆活動を数多く行っている。主たる著書に『人事リストラクチャリングの実務』(実業之日本社)、『人事制度改革と雇用調整の実務』(中央経済社)、『CFOハンドブック』(中央経済社・共著)、『よくわかる希望退職と退職勧奨の実務』(同文館出版)、『人事の定量分析』(中央経済社)がある。


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