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セミナー、イベントレポート
Learning bar@Todai 2010
[2010.12.07]

「人事は経営と現場のコミュニケーション・エンジン!」 ―Learning bar@Todai 2010レポート②


東大・中原 淳×サイバーエージェント・曽山哲人
「成長するしかけを会社に創る!」 〜経営成果につながる人材マネジメントのあり方とは?

2010年9月29日(取材・文=和田東子)

中原 淳先生(東京大学准教授)が開催する、現在“最も熱い”人材開発分野のワークショップ「Learnig bar」(ラーニングバー)のレポート、第2弾です。
サイバーエージェント 人事本部長の曽山哲人さんが、同社が打ち出してきたさまざまな取り組みの背後にあった思いを語ります。

■人事は経営と現場のコミュニケーション・エンジン

「人事強化策としては人事評価制度を整備したほか、2005年には人事本部を設立しています。私が人事部長に就任したのもこの時です。最初に行ったのが、人事の役割を定義することでした。
人事とは何をする部門なのか。一般に人事というと堅い、怖い、近寄りがたい、そんなイメージがあります。しかし自分たちは、経営にも現場にも好かれる部署になりたいと考えていました。でも現場の声を聞けば、一人ひとりバラバラのことを言い、経営の声を聞けば、現場とはまた違う。しかし、人事は簡単に矛盾する事柄を切り捨ててはいけない部署だと思うのです。例えば「こちらがダメだから、この人はいらない」とはできない。では、どうすればよいのか。

株式会社サイバーエージェント 人事本部長 曽山哲人さん

そんな議論の中で、『人事とは会社と現場のコミュニケーション・エンジン』という言葉が出てきました。コミュニケーション・エンジンだから経営も現場同士もつないでいくことが仕事。この言葉が出たことで、やっと自分たち自身、何をやればよいのか明確になったのです。
私が今思うのは、人事には『and』の思考が大切だということです。経営と現場、どちらかの声を聞こうとするとどちらかが落ちてしまう。人事はそのとき『or(どちらか)』ではなく、どちらも成り立たせようとする『and』を考える。これが人事の役割ではないでしょうか」

■「挑戦」と「安心」を両立させる

その意味で、曽山さんたちが考えたようとした「and」は、「会社には挑戦する風土が必要。でも、安心して働ける場所であることも必要」というものでした。当時のサイバーエージェントでは新事業に失敗すると、その担当者がどんどん辞めていったそうです。これでは安心して挑戦することができません。そこで人事部では「挑戦」と「安心」の2軸のマトリックスを作り、社内制度の見直しを行いました

ラーニングバーのモットー「語って気付く」

「まず『安心』を強化するために行ったのは、コミュニケーション強化です。社員の部活動支援制度、イントラネットの社内報サイ・バーのスタート、現場の声を拾うバージョン・アップ委員会開始、社員総会での表彰などを始めました。
部活動は数が非常に多く、複数の部に所属している人もいるようです。表彰式は社内からの推薦もあり、成績優秀者だけではなく縁の下の力持ち的な人にスポットが当たるよう、さまざまな賞を作っています」

■新事業提案制度「ジギョつく」

「挑戦する風土をつくるために実施したのが、『ジギョつく』です。これは事業企画の提案制度であり、提案者が役員の前でプレゼンを行い、優勝者は実際に事業部長(社長)となって事業を立ち上げるというもの。一見やりがいのある制度のようですが、当初は応募者が少なかったのです。
現場の声を聞いてみると、『優勝者だけしか表彰されないとなるとハードルが高い』『忙しくて出せない』『社長にはなりたくないから出さない』といったものがありました。そこでまず優勝者には副賞として100万円を出すことにし、次にアイデア提案だけでも応募できるルールにしました。
これで少し応募数が増えたのですが、次の問題は提案のレベルが低いということでした。そこで優勝経験者に事前勉強会を開いてもらい、“傾向と対策”を伝授してもらうことにしたのです。これは効果がありました。
『ジギョつく』をしていると、毎回応募してくる常連が出てきます。こういった社員は最初はダメでもだんだん提案のレベルが上がります。経験値がつくのです。このような人は、やがては事業責任者や子会社の社長に抜てきされるようになります。こういった人材の発掘と育成の点でも大切にしている取り組みです。

ラーニングバーの特長は、会場を巻き込むような一体感!

『ジギョつく』と合わせて重要な意味をもっていたのが、新事業撤退のルール『CAJJ制度』を作ったことです。
これは新規事業をJ5からJ1までランク分けし、J4は粗利月500万円以上、J3は3カ月平均粗利1500万円&黒字、などと条件を定めたもの。あらかじめ『ここまで来たらJ3昇格』『ここまでにやらないと撤退』といったことが明文化されているため、事業撤退になっても、その人たちが辞めなくなりました。
それまでは「事業に失敗すること」イコール「会社に否定された」といった気持ちになり、経営陣との関係性が悪化しました。しかし、あらかじめ決められたルールに従って、合理的な判断として撤退が決まるなら、『会社に否定された』とはあまり思いません。何より、『あの事業はそろそろ撤退だ』ということは周囲にも見えるので、そうなると他の事業部からこっそり引き抜きが行われるようになったのです。やはりめぼしい人はどこでも欲しいですから(笑)。今では撤退が決まると、『僕は次、ここに行くことが決まってます』とあっさり言う社員も増えたほどです。
現在サイバーエージェントは、悪意のない失敗に対しては寛容な会社だといえます。以前は悪意があってもなくても失敗すると辞めていった。そこがこの制度によって変化しはじめたのです」

■人事制度は流行らなければ、意味がない!

サイバーエージェントのさまざまな施策に共通するのは、「社員がおもしろそうだ」「やってみようかな」と思わせる工夫が凝らされていることです。

端的なのがネーミングです。提案制度である「ジギョつく」は、「事業をつくる」という意味から作った名前。社内公募制度は「キャリチャレ」(キャリアチャレンジ制度の略)ですし、経験を高めるためのジョブローテーションは「ジョブロ」と呼ばれています。

また、家賃補助制度としては、「2駅ルール」(会社の最寄り駅から2駅内に住む場合に月3万円の補助)と「どこでもルール」(入社5年目以降の社員はどこに住んでも月5万円の補助)といったものがあります。

※9月29日のLearnig barについてのフツサラ(hutusara)さんの「まとめTweet」→http://togetter.com/li/54955 (当日のケータリングの画像もあり)
※Learnig bar応募方法などについて→http://www.nakahara-lab.net/learningbar.html
※Leanig barについての紹介ビデオ→http://www.youtube.com/user/nakaharalab#p/a/u/0/KX8bJ4o3Q8g


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