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セミナー、イベントレポート
リンク栃木ブレックス山谷拓志社長に聞く
[2010.09.22]

新進チームは、強大な戦力を持つ王者をどうやって倒したのか? ――リンク栃木ブレックスを支える山谷拓志社長に聞く(2/3)


日本バスケットボールリーグ(JBL)、2009—2010シーズン、ファイナル第3戦。連覇中の王者アイシン精機に対し、2戦を先取したリンク栃木ブレックスだったが、第3戦は一進一退の攻防に。試合の残り時間は6.3秒、3点のビハインドという状況の中、ブレックスの川村卓也選手が放ったスリーポイントシュートは、試合終了のブザーと同時にフープをくぐった。 

この「ブザービーター」により、残りゼロ秒という土壇場で同点に追いついたブレックス。延長戦で逆転に成功し、プロチームとしては初めてJBLで優勝をもぎ取りました。
レギュラーシーズンの得点王に川村卓也選手、プレーオフMVPに田臥勇太選手が輝きました。

死回生のブザービーターを決めた、リンク栃木ブレックス#1川村卓也選手。レギュラーシーズン得点王に輝く

起死回生のブザービーターを決めた川村卓也選手。レギュラーシーズン得点王に輝く(C)Link Sports Entertainment / Photo by Toon Nakamura 

■ 「そもそもの能力」よりも、
L「能力の発揮度合い」を重視する組織

2009−2010シーズンのファイナルで対戦したアイシン精機は、リーグ2連覇中の超強豪です。選手層の厚さや練習環境の充実ぶりなど、リンク栃木ブレックスに比べて「圧倒的にリソースを多く持っているチーム」でした。

そうした相手と伍していくためにヒントとなったのは、山谷さんが学生時代に注目していた、日本大学と京都大学のアメフト部のチーム構築の違いだったといいます。

「日大のアメフト部というのは、非常に有力な高校選手を多く集めていて、アスリート能力の高い選手を多く擁しているチームです。
一方、京大は国立大学ですから、厳しい受験勉強を経て入ってきた子たちを練習で鍛えてチームを作っていくわけです。
しかし、この両者は、数多くの名勝負を演じてきました。そもそものフィジカル的な能力では差があっても、能力の発揮度合いを高めることで、互角にもっていくことができるのです。また、選手の適性を見極め、その選手が最も機能するように配置し、戦略を練っていく。つまり、「強いチーム」よりも「勝つチーム」を目指すうえでは、能力ではなく行動の質と量が問われてくるのではないか、と考えました。
これは、例えば桶狭間の戦いにおける、今川軍と織田軍にも当てはまると思います。

リンク栃木ブレックスとアイシンの戦力と発揮力を比べてみると…

最終的には、あきらめない気持ちと、成果を出すための準備が問われてきます。できるか/できないか、ではなく、やるか/やらないかという発想です。

“自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ”というリクルートの社訓や、“国があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えよ”というJ.F.ケネディの言葉は、大きな示唆を与えてくれると実感しています」

コミュニケーションが生み出すモチベーション

リンク栃木ブレックス創設に当たり、以下の二つのビジョンが掲げられました。

強く愛されるモチベーションあふれるチーム
設立から5年以内に日本一

結果、このビジョンは3年後に達成されるのですが、そのために重要なキーとなったのは、選手やチームのモチベーションでした。

豊富な経験をもとにチームを牽引する、リンク栃木ブレックス#0 田臥勇太選手 

豊富な経験をもとにチームを牽引する、田臥勇太選手 (C)Link Sports Entertainment / Photo by Toon Nakamura

「一般企業でも、創業して最初の数年は採用が非常に大変ですが、ブレックスでも選手を獲得するのにとても苦しみました。何しろお金も施設も信用もありませんから、とにかく夢を語るしかないのです。

とはいえ、夢だけではなく、経営の現状もそのまま語るようにしました。それというのは、経営環境や運営母体の経営状況について、選手から心配されていたのですね。その不安要素を、正直に語ることで取り除かないといけません。

田臥選手との契約がまとまった時にも、“実はこのチームは、まだ練習施設がとても貧弱なんです”と説明しましたが、彼が即座に、”じゃあ僕がアジャスト(適応)しなければなりませんね”と言ってくれたのは印象的です。さすがに、本場の厳しい環境で何シーズンも過ごしてきた選手だと思います。

また、こういったことを選手に伝える際に、ミーティングや面談だけではなく、手紙というツールを意識的に用いました。経営の状況以外にも、プロスポーツ選手なら不祥事には気をつけろよとか、ブログをやっている選手ならちゃんと更新しなよとか(笑)、毎週メッセージを考えることで、選手に向き合うことができ、また信頼関係も生まれてきたと思います。

その後、地元紙でコラムを書かせてもらっていますが、これも選手へのメッセージにもなるよう、意識していますね」

また、もう一方で重要なのは、フロントとチームで視界を共有することだといいます。

「一般企業で言えば、フロント=営業部門、チーム=生産部門/工場と言い換えられるかもしれません。さまざまなチームにコンサルティングとして入っていても、フロントとチームの仲が非常に悪いケースはよくありました。

しかしチーム運営というのは、信頼関係がなければ成り立ちません。そこで大きなカベになっているのは、お互いをあまり知らないことなんですね。そこで、相互理解を深めるためのコミュニケーションとして、チームスタッフ全員の自己紹介雑誌を作ったこともあります」

リンク栃木ブレックスを支える、(株)リンクスポーツマネジメントの代表取締役 山谷拓志さん

(株)リンクスポーツマネジメントの代表取締役 山谷拓志さん

 

リンク栃木ブレックス http://www.linktochigibrex.com/
栃木県を本拠地とするプロ・バスケットボールクラブ。2007年に日本バスケットボールリーグ(JBL)2部に参入、2008年にトップリーグであるJBLへ昇格。2009-2010シーズンには同リーグで初優勝を飾る。日本人初の NBAプレーヤーである田臥勇太選手、日本初の高卒プロ契約選手である川村卓也選手らを擁する。
BREX SHOP(リンク栃木ブレックス オフィシャルネットショップ) http://www.brexshop.com/

山谷拓志 やまやたかし Profile
1970年東京生まれ。1992年、アメリカンフットボール日本代表選出。1993年、(株)リクルート入社、リクルートシーガルズにて2度日本選手権優勝。その後シーガルズの運営を経て、2005年(株)リンクアンドモチベーション入社。組織人事コンサルタント、研修講師として多くのスポーツチームのコンサルティングを手掛ける。2007年に(株)リンクスポーツマネジメントの代表取締役に就任。


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