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セミナー、イベントレポート
Leadership Strategy 2010
[2010.10.13]

個人よりもチームで、成長する組織を目指すテルモの挑戦(2/2)【注目セミナーレポート】


テルモ/Leadership Strategy2010(ジンジュール編集部セミナーレポート 2/2)

前回は、“プライド”を通じて挑戦する風土作りを推進していくテルモの組織改革の概要をレポートしました。今回はプライド編成に至るまでの経緯と風土改革のヒントを紹介します。

■部・課制度からプライドへ-組織変更の流れ

プライドのような全社を挙げての風土改革は、とにかく経営者の理解とリーダーシップがなければ成功しません。部・課制度からプライドへの変更は、段階を踏んで進められました。

 

①2009年7月-まずは形から

2009年4月から、従来の部・課・チームをプライドに見立て、自分たちのミッションは何かを3カ月間、徹底的に議論しました。こうした全社員が課題を認識し、問題意識を共有化する前段階のステップをおくことで、スムーズな移行を可能にしています。そして、2009年7月に従来の部や課をプライドという名称に置き換えました。一方、こうした動きと平行して経営トップが、いろいろな場面を通じて社員に対してプライドの意味や目的を語り続けました。

 

②2009年8月-ミッション・テーマを公開

8月には、各プライドのミッション・テーマを全社に公開しました。公開することで逃げられない状況を作り、有言実行の雰囲気を醸成することにしたわけです。社内のイントラネットの画面からアクセスすると、全社のプライドのミッションが見られます。さらにクリックすると、そのプライドの名称、リーダーやメンバーの名前、個別のミッションの内容が表示されるようになっています。

 

③2009年10月-部門横断プライドの編成

10月には、プライドを全社的に推進していくための専門部署として「プライドアップ推進室」を設立し、ここに専任の社員を置いてプライドの活動の支援をしていく体制を固めました。メンバーは4人で、出身部署も高松支店、知的財産部、経営企画、それから人事と多彩な構成にしています。さらに、ミッションの議論をしていく中で、「我々の部門は、もっとこういうミッションをやったほうがいいのではないか」という意見が出てくるのを受けて、プライドを再編したり、新たに部門横断のプライドを編成したりしています。

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まず形から入り、とにかく動き、時に摩擦や軋轢も起こりつつも、全社という一歩高い目線からミッションをとらえ直すことで新しいプライドができてくるという流れです。2010年1年には、部門ごとにプライドの発表会を実施して、自分たちが取り組んでいる仕事の内容を共有化しました。

現在のプライド数は、2009年7月に既存のチームの置き換えで650あったものが、2010年1月には再編したり、非公式のプライドもできたりと、約100増えて755になりました。新たに誕生した新リーダーは、主任クラスで229名、一般社員でも31名が出ています。人事発令していない非公式のプライドも44、組織を横断したプライドも20以上あるといいます。

■テルモにみる風土改革のヒント

組織を変えていく際には、経営トップがその主旨や目的を繰り返し説明して組織に浸透させようとしますが、多くの社員は、最初は様子見なので、変革のフェーズごとにいろいろな施策を仕掛けていきます。

冨田部長は、そのポイントを「人事部が前に出ないこと」とアドバイスします。

「人事部が前に出ると、大体失敗します。プライドアップ推進室のような社員主体の組織を前面に出して、人事部は後ろに控えて、サポートする立場というのが基本スタンスです。」

社内での説明会やビデオでの事例紹介を通じて、自分から手を挙げて希望する若者も徐々に増えてきて、着実に浸透しているとのことです。

「やはり、こうした全社的な改革では、まずは全体の2~3割の社員を盛り上げ役として巻き込んでいくことが重要です。プライドの運営には、ITを使った仕掛けというよりは、どうやって社員のハートに火を付けるかという点を重視しています。」

2010年5月には、プライド・コレクションというプライドの全国大会を開催しました。生産、開発、営業、本社と、それぞれプライドで予選大会を実施し、予選を勝ち上がってきたものが最終的に全国大会で発表できます。

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全国大会は経営陣も全部集まって、部門長自ら意識変革を実現したケースや、大きく営業のやり方を変えた事例などが発表されました。全国大会で発表できるのは5チームで、残りの十何チームは、会場に発表内容をパネルで掲示して見てもらうようにしました。こういった仕掛けを通じて、プライドの存在と意義を全社で盛り上げていくことが、目下のテーマだといいます。

最後に、冨田部長はプライドをはじめとする風土改革の考え方を、以下のように説明します。

「組織にとって、仕事を今までと違う見方でとらえて、違う人を入れて、違う角度から新しいやり方を考えてみることが大事なのだろうと思います。これが、一つは新しいリーダーを生むきっかけになりますし、組織として成長していく糧になるのだと考えています。私どもの考え方は、「時流」に流されず「自流」でやるということです。いろいろな経営の手法や組織論がありますが、こういったものから解決策は出てこないと考えています。やはり自社に合ったやり方を考え、実践していくことが重要だということです。そして、大事なのは仕組みだけではなく、共鳴だったり、共振だったり、やり抜く使命感といったものをいかに社員が持てるかということだと考えています。変化は摩擦を生み、摩擦は進歩を生むと考えの下に、積極的に摩擦を仕掛けることをやっていこうと考えています。変化することを恐れない、そうした風土を根付かせていくことが目標です。」


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