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現役ヘッドハンターが指南する“デキる社員”はここが違う 【佐藤文男】 [2011.11.08]

“デキる社員”はここが違うケーススタディ(6)-後輩が上司として赴任してきた場合


現役ヘッドハンターが指南する“デキる社員”はここが違う(13)
佐藤文男 さとうふみお
佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役

今回は新しい上司が年下だった場合に、いかに対処すべきかを考察します。今では、自分の上司が年下で、自分のほうが年上といったケースは決して珍しくありません。しかしながら、世の中のトレンドとは言え、自分の上司が年下というだけでなく、かつて自分が指導した部下が自分の上司になるようなこともあり得るのです。今回は、自分より2期下の後輩が自分の上司になってしまったFさんのケースを取り上げます。果たして、Fさんは、どう上司と向き合っていくべきなのか考えます。

■2期下の後輩が自分の上司になる現実

Fさんは、中堅専門商社の30代後半の営業係長です。定期人事異動の際に、海外赴任から戻ってきたGさんが、自分の上司となる課長の立場で異動してくることがわかりました。Gさんは、新卒入社ではFさんの2期下にあたる後輩です。

実はFさんは、今回の人事異動で、現在の部署において自らが係長から課長に昇進するものと思っていました。現在の課長であるHさんとは普段から人間関係がうまくいっており、Hさんが部長に昇進することは事前に聞いていました。Fさんはたまたま飲んでいる席でHさんから「自分が部長になったら、今後とも部下として頑張ってほしい」と言われていたので、明確に内諾を受けていたわけでありませんが、すっかり自分が課長に昇進するものだと思い込んでしまったのです。早合点で、家族にも「課長に昇進することになった」と宣言してしまいました。

そして、人事の正式辞令発表の日。いざふたを開けてみると、自分が課長に昇進しないばかりか、なんと2期下のGさんが課長になることが判明したのです。Fさんは二重のショックを受けてしまいました。

そのショックを引きずっているせいか、新課長のGさんとは仕事の面で何となくうまくいかず、さらに部長に昇進したHさんに対しても、自分を課長に昇進させてくれなかったことへの不信感から、ギクシャクした関係となってしまいました。

さて、Fさんがもしも“デキる社員”であるならば、この状況をどう打開すべきでしょうか?

■この現実をどう受け止めるべきか

現在の企業人事の流れとして、「後輩が自分の上司になる」ことは、当たり前のことと受け止めるべきでしょう。もちろん初めてそうした状況に置かれた場合には、正直言って慣れるまでは時間がかかるかもしれません。しかし、今の時代、当然のことと前向きに受け止める姿勢を持つことが大切です。

むしろ、自分が昇進できなかった理由を分析して、次の機会に活かすくらいの、よい意味での“開き直り”がFさんには必要なのです。予想もつかないことが起きるのが“人事”であると割り切る必要があるでしょう。人事異動は、さまざまな要因が複雑に絡み合って決定されます。組織が大きくなればなるほど、一見、理不尽とも思える人事異動が生じることは、実はやむを得ないことなのです。

すなわち、すべての社員が全員満足し、納得するような人事異動は、物理的に不可能といえます。自分にとって面白くない人事異動に直面したとしても、決して腐らずに次回の人事異動、次々回の人事異動の可能性を信じて、目の前の仕事をきちんとこなしていくひたむきな姿勢が、これからのビジネスパーソンには求められているのです。

■一つは気持ちの切り替え、もう一つは原因の分析

それでは、Fさんは現状にどう対処すべきでしょうか?

まず、Fさんは次の2点の現実を真摯に受け止め、行動すべきと考えます。

1点目は「新課長となった自分より2期下のGさんを上司として気持ちよく受け止め、仕事に積極的に打ち込むべく気持ちの切り替えを図ること」です。

2点目は「自分がなぜ課長に昇進できなかったか、その原因を分析すること」です。


組織において人事異動は、好き嫌いや政治的判断といった要素が加味される可能性があり、単純に仕事そのものの評価だけで決まるものではありません。なぜ自分が課長に昇進できなかったのか検証しておく必要があります。

自分ではなく、Gさんが課長に昇進したのはなぜなのか。人事異動の発表後からしばらくして、Fさんは部長になったHさんにその理由を思い切って尋ねてみました。Hさんによると、営業として売り上げ目標(計画)を確実に達成してきたFさんでしたが、所属する課のメンバーの人望があまり高くなかったことを明かしてくれました。その点は、実のところ、本人も多少気づいてはいました。自らの営業実績は出しても、部下の面倒見(フォロー)がそれほど良くなく、課長としての役割を全うするだけの周囲からの期待はそれほど高くなかったことが気付かされました。結果として、Fさんはプレーヤーとしては優秀であっても、マネジメント力が期待されていたレベルに達していなかったわけです。

その後、Fさんは、新しい課長であるGさんの下で仕事に一層励むだけでなく、部長になったHさんからのアドバイスを受け止めて、次回ないしは次々回の定期人事異動で課長に昇進すべく部下のフォローにも力を入れるようになりました。長いビジネスパーソン人生を考えれば、課長に昇進するタイミングが遅れても、いつでも取り戻す機会はあります。

私が、かつてビジネスパーソン時代にお世話になった課長は、同期の中では課長に昇進するタイミングがかなり遅かったにもかかわらず、持ち前のバイタリティーと卓越した人間関係構築力で、最終的には役員にまで登り詰めました。Fさんは30代ですから、まだ先があります。将来の昇進・昇格に向けて日々精進してほしいと心から願います。

profile 佐藤文男 佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。2011年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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