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コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.11.09]

「マーケティング」って何だ? ――知っているようで知らないこのビジネス用語を、改めて考えてみる:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(15 )


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(15)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

「マーケティング」。誰もがこの言葉を一度は耳にしたことがあると思います。でも、あなたは、マーケティングの本当の意味を理解していますか?
マーケティングの話をすると、「私は広告や宣伝の仕事をしているわけではないので分かりません」と言う人が時々います。でも、マーケティングの理解、センスは全てのビジネスパーソンに必要なものです。
AKB48、村上春樹の『1Q84』などを例にしながら説明しましょう。

マーケティングほど十分に理解されていなかったり、誤解されたりすることが多いビジネス用語はありません。そして、とても奥が深い概念です。

マーケティングにはさまざまな定義がありますが、簡単に言うと顧客満足を軸に『売れる仕組み』を考える活動」です。マーケティング(marketing)の語源は、市場で取引するという意味の動詞「market:マーケット」です。

■セリング(販売)とマーケティング

これではまだ分かりにくいでしょう。理解を促すために、「マーケティング」と併せて説明されることが多い「セリング(販売)」と比較してみましょう。

セリングは、今日、明日の売り上げを確保する活動です。売り込む手段なので短期志向になりがちです。それに対して、マーケティングは中長期的に売れ続けることを目的とします

「セリング」と「マーケティング」の関係は、戦術と戦略の関係に似ています。

[図表]セリング(販売)とマーケティング

  セリング マーケティング
出発点 工場
供給者論理
市場
顧客ニーズ
視点 売り込み方 買ってもらう仕組み作り
方法 戦術 分析、戦略、創造
目的 目の前の売上げ 継続的成長
成果 売上数量、シェア 顧客満足に基づく利益

■商品が良いだけで売れる時代は終わった

「わが社の商品は品質が高いのになぜ売れないんだ?」「ウチの店はおいしいのにお客さんが少ない」と嘆く経営者、店主がいます。「客の目は節穴か?」「お客は分かっとらん!」と文句を言う人さえいます。

「良いものならば売れる」という時代は終わりました。それは商品を大量生産して安く売るという時代、高度成長期の話です。今は、商品の良さは必要条件であっても、十分条件ではありません。

村上春樹の小説『1Q84』があれ程の超ベストセラーとなったのはなぜでしょう?

もちろん、小説としてのストーリーの面白さ、文章の完成度の高さは大きな要因です。でも、それだけではないでしょう。

アイドルグループのAKB48が爆発的に売れ続けているのはなぜでしょう?

ルックスの良い個性的なメンバーがそろっていること、楽曲の良さもあるでしょう。しかし、それだけではありません。

どちらも、綿密なマーケティング戦略に基づいているのです。

マーケティング戦略を元に、コンセプト、セグメント、ターゲッティング、商品(価格、パッケージ、コピー)、宣伝、イベントなどが緻密に考えられ、実行されてきたのです。

■マーケティングプロセス

マーケティングの標準的なプロセスを図で示し、簡単に説明しましょう。

このプロセスは一方向で一巡すれば終わりというものではなく、行きつ戻りつしながら仮説検証を繰り返し、循環させていくものです。

[図表2]マーケティングプロセス

(1)マーケティング環境分析と市場機会の発見

自社の強み、弱みを把握した上で、強みを生かせそうな市場を探し、目的を定めます。

(2)セグメンテーション(市場細分化)

市場におけるニーズを考え、セグメント(ニーズのかたまり)に分類します。

(3)ターゲッティング(標的市場の選定)

自社の強みが生かせるセグメントを選択します。

(4)ポジショニング

セグメントの顧客に、自社商品・サービスを特別の価値があるものだと認識してもらうために、提供価値を定義します。

(5)マーケティング施策の設計

提供価値がターゲットに伝わるようにマーケティング施策の「4P」を設計します。4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(コミュニケーション)の頭文字を取ったもので、その組み合わせ(マーケティングミックス)を考えます。

(6)マーケティング施策の実行と評価

当初設定した目的に対して、マーケティング戦略がどれくらい実行できたかを検証します。

冒頭にも書きましたが、マーケティングの視点は広告、宣伝などに関わる人だけが持てばよいものではありません。営業マンはもちろん、全てのビジネスパーソンに身につけてほしいビジネス思考です。

■自分を労働市場での商品と考えてみる

例えば、労働市場で考えれば、あなたというビジネスパーソンは一つの(一人の)商品と言えます。高い値段で自分を売るには(≒高い報酬で働き続けるためには)、マーケティング思考で自分自身の商品価値を高め、買ってもらうことが重要になります。「知識とスキルを獲得する」(=良い商品になる)だけでは十分ではありません。どのような業界、企業をターゲットにし、自分の商品価値を伝えるのか? ――などについて考えなくてはいけません。

■マーケティング思考を高める カンタンで楽しいトレーニング法

では、マーケティング思考を高めるにはどうすれば良いでしょう?

難しく考えなくても、日常生活の中で簡単に楽しく行えるトレーニング方法をご紹介しましょう。

繁盛しているお店、売れている商品の理由を考えてみるのです。もしくは逆に、閑古鳥が鳴いているお店、品質が良くて手ごろな価格なのに売れない商品を考えるのもよいでしょう。

(具体例)

・あなたがよく利用する宅配ピザ屋さんを「3C」(顧客、自社、競合)で分析してみる

・ベストセラーのCD、書籍などを「4P」の視点で考えてみる

繰り返しますが、マーケティングとは「顧客満足を軸に「売れる仕組み」を考える活動」です。ユーザー、消費者の視点で身近なお店、商品を捉え、考え続けることがマーケティングのセンスを高める近道なのです。

マーケティングセンスを磨いて、あなたも売れるビジネスパーソンを目指してみませんか?

(今回のコラムは、以下の書籍を参考にしました)

『仕事が10倍速くなる ビジネス思考が身につく本』
(太期健三郎著 明日香出版社)

『新版 MBAマネジメント・ブック』
(グロービス・マネジメント・インスティチュート編著 ダイヤモンド社)


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