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コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考【太期健三郎】 [2011.10.26]

事業を構造的に分析するフレームワーク「バリューチェーン」:コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(14)


コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(14)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

バリューチェーンは、直訳すると「付加価値(value)の連鎖」です。事業活動を機能ごとに分解し、“どの機能、プロセスで付加価値を生み出しているか”を分析するフレームワークです。事業を厳密に分解し分析をすることが目的ではなく、各機能の役割、コスト、事業への貢献度を全体として捉え、事業モデルの構築や改善を行うことがポイントとなります。

■バリューチェーンとは何か

バリューチェーンは、アメリカの経営学者マイケル・ポーターが著書『競争優位の戦略――いかに高業績を持続させるか』(1985年、ダイヤモンド社)の中で提唱した言葉です。事業を機能別に分類し、どの工程で付加価値(バリュー)を出しているかを分析するためのフレームワークであるため、バリューチェーンと呼ばれます。

■バリューチェーンを構成する「主活動」と「支援活動」とは?

一つの製品、サービスが顧客に提供されるまでには、さまざまな業務活動が関係します。バリューチェーンでは企業の活動を「主活動」「支援活動」に分け、分析します。

主活動は、原材料などの購買、製造、出荷物流、販売・マーケティング、アフターサービスなどの直接活動です。

支援活動は、主活動を支える総務、経理、人事・労務、技術開発などの間接活動です。

製造業のバリューチェーンの例を図で示しましょう[図表1]

[図表1]製造業のバリューチェーンの例

■バリューチェーンの活用

このようにフロー図で整理すると、各機能の事業全体における位置付けを俯瞰(ふかん)して捉えることができます。

どの活動で高い付加価値を生み競争優位となっているのか? コスト削減が可能な活動はどこか? アウトソーシングできる機能はどこか? ――など資源配分の検討や、事業戦略の決定に役立ちます。自社のどこが強化すべき強みで、どこが補うべき弱みかを機能別に分析し、事業全体での打ち手の優先順位を決めるのです。

次に、小売業のバリューチェーンの例を示します[図表2]

製造業のバリューチェーン[図表1]と比べると、業界による違いをはっきりと理解いただけると思います。

[図表2]小売業のバリューチェーンの例

■業界構造の分析にも使えるバリューチェーン

バリューチェーン分析を利用すれば、業界構造を分析することもできます。理解したい業界の事業をバリューチェーンで整理、分析することで、業界特性や事業の成功要因が浮かび上がってくるのです。

例えば、医薬品業界では研究開発や営業力が、アスクルなどのオフィス事務用品・文房具通販業界では在庫管理と出荷物流が重要になります。

■小売から製造小売へと業態転換したユニクロ

ユニクロのブランドで有名なファーストリテイリングは、元は一般的な衣料品小売でした。しかし、途中から商品を全て自社開発にして製造小売へと業態転換したのです。そして、マーケティング機能を強化し、売れ筋商品に絞り込み、大量生産による徹底的なコストダウンを行いました。商品企画から製造、販売まで全て自社で一気通貫に行うようになったということです。

これは、従来は衣料メーカー、卸売り、小売等の個別企業が組み合わさって行っていたことを、卸売り業を中抜きにして自社内完結で実現したことになります。つまり、[図表1][図表2]の製造業と小売業バリューチェーンを1社で担うのです。

リスクを背負うことになりますが、バリューチェーン(この例の場合、サプライチェーンとも言えます)を全てコントロールし、市場のニーズを捉え、スピーディーで柔軟な経営の意思決定を可能にし、一気に顧客の支持をつかんで、事業を拡大させたのです。
※サプライチェーン:原材料の調達から生産・販売・物流を経て消費者に至るまでのビジネス活動の一連の流れ

■同一業界でもバリューチェーンが同じとは限らない

同じ業界の中でも、企業によってバリューチェーンが異なる場合があります。また、バリューチェーンの構成要素は同じであったとしても、競争優位の源泉としてのウェイト(比重)は企業ごとに異なります。

例えば、書店業界で考えてみると、従来型の大型書店とネット書店のアマゾンでは、ビジネスモデルもバリューチェーンは異なります。

パソコンという商品で考えても、中間業者を廃し在庫を持たない受注生産(※BTO)の直販方式を採用するデル(Dell)社などと、従来型のパソコンメーカー(NEC、富士通など)を比べてみるのも面白いでしょう。
※BTO(Build to Order):受注生産方式

上記では触れませんでしたが、建設業や、モノを商品としないインターネット広告代理店事業、そしてコンサルティング事業などのバリューチェーンを分析してみると、理解を深める良い練習になるでしょう。自分の勤務する会社と競合企業を比較分析するのも良いですね。是非チャレンジしてみてください。


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