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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
成果を上げる社員の条件REVIEW
[2011.09.14]

成果を上げる社員の条件REVIEW(その4)―四方ゆかりさん、田中ウルヴェ京さん編


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件―スピンオフ企画

―インタビューから分かった“デキる社員”のエッセンス(4/5)
佐藤文男 さとうふみお
佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役

人材コンサルタント・佐藤文男さんがインタビュアーとなり、各分野を代表する“成果を上げてきた”ビジネスパーソン10人に、その人の職業人生、キャリア、仕事観をお話しいただいた「各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件」。連載終了後に、コンスタントにアクセスがあります。
そこで今回は、そのスピンオフ企画として、佐藤さんがそれぞれのインタビュー内容を振り返り、各人に共通している視点や考え方、行動様式を分析し、成果を上げるための極意と、そのための条件を総括します。インタビューのエッセンスがぎゅっと詰まった内容で、ビジネスパーソン必見です。今回はその第4回です。

四方ゆかりさん(日本マイクロソフト株式会社 執行役 人事本部長-取材時点)

四方ゆかりさんは前出の林敏さんと同様に、人事の分野において一貫してキャリアを積み重ねてきた方です。GEおよびAIU保険、そして日本マイクロソフトと会社を変わるたびに人事としてのキャリアアップを成し遂げました。人事分野でのキャリアを積む上で、人事としての業務全般の実務をこなしながらも、同時にマネジメントについても注力してきました。現在は、取材当時に在籍していた日本マイクロソフトを離れ、本年7月より外資系医薬企業であるグラクソ・スミスクラインでの人事全般のマネジメントを担当されています。それでは四方さんとの対談を通して学んだ点を以下に挙げます。

●外資系でも企業ごとに違う“人事”のスタンス

四方ゆかりさん

日本の企業では“人事”という仕事に対して、“縁の下の力持ち”的なイメージが強いといえます。しかし、四方さんがこれまで在籍したGEやAIU保険、あるいは日本マイクロソフトといった外資系企業における人事の役割は、企業の戦略と切り離すことができないといいます。企業がビジネス戦略を練る場合に、人材面や組織体制面では人事と一緒に考えていく必要があります。したがって、外資系企業における“人事”は、人事制度設計といった企業の土台となる仕事のみならず、企業の成長戦略を左右する経営企画にも関わる仕事であると基本的に認識されています。

四方さんは、複数の外資系企業での人事の経験から、置かれた環境と戦略の違いによって、さまざまな人事戦略に関われたことが貴重な経験になっていると語ってくれました。例えば、人事戦略を考えていくうえで、GEでは「良いリーダーを育てることが組織全体を成功に導く」という考え方なのに対して、マイクロソフトでは「人材全体の底上げを重要視する」との違いがあるとのことです。こうした企業による“人事”に対する考え方の違いは、基本的に企業文化やトップの価値観から影響を受けて醸成されるものであり、結果的に人事における研修体系や報酬体系にも大きく反映されることとなります。そうした異なる企業文化での人事の経験が四方さんのキャリア形成において、大いに刺激となったといいます。

●マネジメントで培ったこと

年齢や性別がバラバラで、外国人も多く在籍する多様な組織において、さまざまな立場にある部下をマネジメントすることには、当然ながら苦労がつきものです。GEでは元同僚が部下になったり、年上の部下を持ったりしたという四方さん。どんな組織をマネジメントするにしても、最初が一番つらく、しかし肝心であると強調しています。マネジメントする部下に対して、自らが「リーダーとしての役割を担える人」であることを最初に示し、納得してもらう必要があるからだそうです。いったん、自分がリーダーとしての付加価値を持っていると証明して納得さえしてもらえれば、年上の部下がいても組織はきちんと機能するものであると語ってくれました。

もう一つ大事な点としては、マネジメントにおける「上司」「部下」の関係がお互いの「役割」であると考える必要があり、仮に仕事を離れたらその役割は関係ないものとさっさと割り切ることだといいます。すなわち、仕事を離れたアフター5の飲み会では「上司」も「部下」もないというわけです。

四方さんによれば「上司」としての基本的役割は2点。一つは物事を決定することであり、もう1点は部下であるメンバーが良い仕事のできる環境を整えることであると語ってくれました。部下が気持ちよく仕事をすることができれば、組織としてのパフォーマンスは上がり、結果的に部下の成果も上がる。しかもそれが、上司にとってもプラスに跳ね返ってくるわけです。

●仕事で“女性”であることを不利に感じたことはない

四方さんは現在のマネジメントのポジションに就くまでに、自分が女性であることを不利に感じたことはないと語ってくれました。前出の橘・フクシマ・咲江さんも同様のコメントをされていましたが、男性社会の中に一人だけ女性がいると良い意味で目立つため、逆に男性よりもチャンスを多く得ることができるという考え方です。また、転職の際には、入社後に自分の上司となる方を見て決断してきたとのこと。自分なりに判断・決断したからこそ、転職した後も自らの選択の結果と割り切れるのだといいます。

●デキる社員を目指すために

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

四方さんは、デキる社員を目指すためには「規模」と「時間」という二つの軸で考えることが大切であると強調します。

「規模」とは、ここではものさしや視点といった意味で、上司の目線で仕事を考えるということです。自分を客観視できるだけでなく、仕事のレベルを上げていくことができるようになり、自分が実際にマネジメントをする立場になった際にも役立つとのことです。また、「時間」とは、明日や1週間先のスケジュールを考えるだけではなく、1カ月、3カ月、半年、1年後の仕事を通じた自分の将来像をイメージすることです。イメージした将来から逆算して「今、何をすべきか」ということを考える習慣を持つことが重要であり、長期的な目標を持てば、目の前の仕事でより成果を上げることができるようになると熱く語ってくれました。

この「規模」と「時間」に関しては、前出の勝間和代さんも「20代後半からは上司の指示をそのまま受け入れるのではなく、疑いの視点を持ってで考えよう」と提言しており、「1年後、5年後、10年後のビジョンからさかのぼって月間および1週間単位でのスケジュールを決定することを心がけている」とも述べており、共通した見解といえます。

四方さんは、前出の林さん同様に人事の分野でキャリアを磨いてきた“人事のプロ”であり、その高い自覚と内に秘めた力を持った方との印象を受けました。

田中ウルヴェ京さん(メンタルトレーナー/コーピングコーチ)

田中ウルヴェ京さんはソウルオリンピックのシンクロナイズスイミングで小谷実可子さんとペアを組んで見事銅メダリストに輝いたアスリートです。その後、シンクロナイズドスイミングのコーチを経てから米国に留学、現在はアスリートからビジネスパーソンに至るまで幅広くストレスコーピングに関して普及・啓発に携わる活動を行っています。

●アスリートとしての視点から“勝負”を語る

オリンピックでメダルを獲得した田中さんだからこその言葉ですが、「誤解を恐れずに言えば、スポーツ選手はバランスが悪くなければダメなのです。スポーツで競うことは、限界を知り、学び、成長する機会になります。その反面、人生を根本的に考えれば、人に勝つことよりも共存することのほうが大事です。そういった意味で、アスリートは、アンバランスでないと、他人を押しのけてでも「勝とう」という思いには至らないのです。私は“勝つ”ということに関して非常に思考が強かったと思います」と“勝負”に対する思いを語ってくれました。オリンピックというアスリートならではの“勝負”に対する認識は、ビジネスの世界においても参考になると思われます。成果主義の浸透から、特に営業の分野では、結果すなわち“勝負”に対するこだわりが存在するからです。

田中ウルヴェ京さん

また、田中さんは、次のようにも言います。「私が正選手としてメダリストになれたことは、もう一人の(控えとなった)選手より努力したからではありません。勝負は、結局、最も努力したものが勝つわけではありません。ソウルオリンピックのとき、自分が正選手になれたことに何の意味があるのかということが今の仕事の原動力になっているように思います」

●キャリアチェンジのきっかけ

田中さんのアスリートからの転身は24歳でアメリカに渡ったことから始まります。英語学校に通っているうちに、スポーツ心理学の一分野にメンタルトレーニング手法があることを知ります。その後セントメリーズ大学院に入ってスポーツ心理学を勉強したのも「メンタルについて学ぶ」という自分がやりたかったことを発見したからだそうです。田中さんは、「人は好きなこと、やりたいことに関しては続けられますし、それにのめり込むことができるのです」と語ってくれました。ビジネスの世界においても「自分がやりたい仕事」を見つけるのは大切なことであり、もしもそれに出会えたなら徹底的な努力も苦にはならないでしょう。その後、田中さんは、結婚したご主人のMBA取得に伴って再渡米。その際に、家の近所にプロスポーツ選手が勝つための認知行動療法を研究しているアーゴジー心理専門大学院を見つけ、そこでコーピングを学び、2001年に起業しました。前出の橘・フクシマ・咲江さんが、ハーバード大学での日本語講師から、30歳の時にコンサルティング会社に転職して、本格的にビジネスの世界で仕事を開始した流れを彷彿とさせます。

●自分の感情に気づくことが重要

ビジネスパーソンのメンタルヘルス不調が多い現状に対して、田中さんは「絶対にメンタルを強くしようとしないこと」とアドバイスします。頑張ろう、強くなろうと思うと心が折れてしまいます。メンタルは強くしようとするのではなく、しなやかに保とうと考えるべきであるといいます。メンタルをしなやかにするためには、日々の自分の感情に気づく必要があるとのことです。例えば「仕事が面倒くさい」「この上司は嫌だな」という思いは大切なことであり、要は、自分は何を面倒だと思い、何が嫌なのか、何が楽しいのかを理解して、自分のクセを把握しておくことが重要であると田中さんは語ってくれました。

すなわち自分の考え方の癖に着目して、さらに現在「起きているストレス」を検証するといった姿勢を普段から身につけていくことが、ストレスを軽減する上で必要であるとのことです。

●やると決めたらトコトンやるが、視野を広く持って取り組むこと

また、ビジネスパーソンが仕事に対してプレッシャーを感じた時の気持ちの持ちようにっついて、田中さんは「本気で達成したいと思って頑張るならば、死ぬ気でやればいい」とアドバイスします。「やると決めたら達成しなければいけません。格好をつけずにがむしゃらに頑張って、絶対に結果を残してください」これが、プレッシャーに対する基本姿勢であると語ってくれました。ただし、頑張っているかどうかは他人が評価することであって「私はこんなに頑張っているのに」と自ら主張する人が成功したためしはないとのことです。

また、完璧主義で仕事を100%でなく120%を目指そうとしてプレッシャーを感じている人は、「とりあえずやれるだけのことをやってみよう」「ダメだったら周りに相談しよう」「失敗したら思い切ってわびることも考えておこう」というように、視点を変えて、肩の力を抜いた“適当力”を発揮することも大切とのことです。

「休む時は休まなければ発想も生まれませんし、寝ずに頑張ればいいというものではありません。プレッシャーを感じるのは120%を目指すからです」というコメントも、自分を客観視する重要性を教えてくれます。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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