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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
成果を上げる社員の条件REVIEW
[2011.09.07]

成果を上げる社員の条件REVIEW(その3)―橘・フクシマ・咲江さん、林 敏さん編


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件―スピンオフ企画

―インタビューから分かった“デキる社員”のエッセンス(3/5)
佐藤文男 さとうふみお
佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役

人材コンサルタント・佐藤文男さんがインタビュアーとなり、各分野を代表する“成果を上げてきた”ビジネスパーソン10人に、その人の職業人生、キャリア、仕事観をお話しいただいた「各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件」。連載終了後に、コンスタントにアクセスがあります。
そこで今回は、そのスピンオフ企画として、佐藤さんがそれぞれのインタビュー内容を振り返り、各人に共通している視点や考え方、行動様式を分析し、成果を上げるための極意と、そのための条件を総括します。インタビューのエッセンスがぎゅっと詰まった内容で、ビジネスパーソン必見です。今回はその第3回です。

橘・フクシマ・咲江さん(G&S Global Advisors Inc. 代表取締役社長)

橘・フクシマ・咲江さんはヘッドハンティング業界では著名な大先輩であり、たびたびお話を伺ってきた経緯があります。一番印象に残っている言葉は、「自分が社長になった視点で仕事の進め方を考える」というものです。前出の勝間和代さんが「20代後半になったら、上司からの仕事の指示をそのまま受け入れるのではなく、上司がどういう仕事のアウトプットを求めているのかを、あえて疑って仕事に取りかかるように」と語っていますが、求められるスタンスは一緒だといえます。外国人留学生と一緒に暮らすホストファミリーとして、中学生のころから異文化に触れる環境にあったフクシマさん。対談を通して学んだ点を以下に挙げたいと思います。

●異業種・異職種のビジネスに挑戦

橘・フクシマ・咲江さん

20代にハーバード大学大学院で教育学修士号を取得し、日本語講師として一生生きていくつもりだったというフクシマさん。講師として6年目の30歳で、経営コンサルティング会社のブラックストン・インターナショナルに入社する転機を迎えました。これまでのキャリアとはまったく異なる業種です。コンサルティングビジネスは「リサーチして仮説を立てて検証する」という過程は、これまで日本語講師として追及していた学問との違いが小さくなかったそうです。そうした中で、フクシマさんは、ビジネスと学問との違いの一つひとつが、私には非常に面白く感じられたといいます。そのようなポジティブな姿勢で異業種にチャレンジしたことが、その後のフクシマさんの人生を大きく変えることとなったわけです。リスクはあるにせよ、30代半ばまでで、本人の思い入れがあれば、こういった挑戦は十分に可能であると、私も考えています。フクシマさんの転身は、異業種・異職種への挑戦において大きく成功された事例といえましょう。

●MBAの取得

その後、ビジネスについて体系的に学びたいという思いで、スタンフォード大学でMBA取得をされたこともまた、フクシマさんにとって、その後のキャリアの重要な布石になっているといえます。

一般に、日本人が米国でMBAを取得する場合は、英語がネックになることが多いようですが、フクシマさんは同時通訳も可能なネイティブレベルの英語力があったこともあり、MBAの授業内容を理解するのにまったく支障がなかったといいます。フクシマさんは「もしもビジネススクールに行っていなかったら、現在のようなグローバルなヘッドハンティングビジネスには携わっていなかったかもしれない」と語ります。

●さらなるキャリアアップ

ビジネススクールを経てベイン・アンド・カンパニーで再びコンサルティングのキャリアを積んだ後に、世界最大のヘッドハンティング会社であるコーン・フェリー・インターナショナルに入社し、日本支社でエグゼクティブ・サーチの仕事に携わることとなります。この転身について、フクシマさんは、コンサルティングで求められる3要素、①ビジネスディベロップメントスキル、②分析力や戦略立案のスキル、③クライアント・マネジメント・スキルのうち、②の要素が「良い人材を探すスキル」に置き換わっただけであるとフクシマさんは語っています。結果的に入社後2年半で共同経営者に昇格して、アジアでトップの売り上げを維持し続けた実績を認められ、日本支社の社長になりました。

●グローバル人財への意識

その後、コーン・フェリー・インターナショナルの日本支社長、会長のみならず米国本社取締役を12年間経験されたフクシマさんが若手ビジネスパーソンに訴えたいのは、海外でビジネスを経験することの重要性です。その際に、「責任を負うことで人は学び、成長する」こと、たとえ失敗しても「同じ失敗を繰り返さないために、次に打つ手を自ら考える」といった認識を持つこと、そして、世界で研さんを積んでいってほしいと強調します。この点は、一橋大学イノベーションセンター長である米倉誠一郎さんの「混んでいるラーメン屋」エピソード(ビジネスチャンスの多いアジアへ雄飛せよ)というメッセージと重なります。

「社長になるために努力したのではなく、目の前のことを一生懸命コツコツやっているうちに巡り合わせに恵まれた」と語るフクシマさん。その言葉には、大和総研の引頭麻美さんがコメントしていた“目の前に訪れた機会や出会いを一つひとつ大切にしていくことで道が開ける”と相通じるものがあると感じます。

佐藤文男氏

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

林 敏さん(SAS Institute Japan株式会社 執行役員 人事総務本部長)

林 敏さん

林さんは、人事分野を中心にキャリアを積み重ねてきました。日本の商社での人事経験からスタートし、外資系保険会社を経て、次の外資系IT企業では、人事のみならず法務や財務・経理部門を束ねる最高財務責任者(CFO)を務めました。その後、日系大手証券会社に移り、企業の合併・買収(M&A)やグローバル人事といった戦略的人事を経験して、現在SAS Institute Japanの執行役員として活躍しています。人事という仕事を核にして、一貫したキャリアを積み上げてきた林さん。対談を通じて学んだことを振り返ってみたいと思います。

●キャリアに対する認識

対談の中で、林さんは自身のキャリアを「会社」ではなく「仕事」を中心に考えてきたと語ってくれました。社会人になって、たまたま配属された「人事部」での経験を大切にして、その後一貫して人事畑を着実に歩んでこられた次第です。「在籍している企業でチャレンジすべき仕事が見つからないと感じた時に、社外に目を向け、新たな仕事を見つけてきた」というのが林さんのキャリアの基本スタンスであると思われます。たまたま新卒で縁があった「人事」という職種との相性が良かったこともあると思われますが、転職を契機に自らのキャリアを「人事」一筋で積み上げてきた林さんのキャリアアップは、若手ビジネスパーソンにとっては大いに参考になると思われます。勝間和代さんのキャリアアップの基本的スタンスが「金融」と「IT」の二刀流であるならば、林さんは「人事」の一刀流を貫いてきたと言えましょう。

●研修よりも体験

人事の仕事の中でも、研修はどこの企業でも重要な位置づけにあるかと思われますが、人事のプロである林さんは「本を読んで知識を蓄えても、実務の現場では机上の空論となる。何事も経験に勝るものはない。人の成長期待度は、研修で1割程度、人事評価による気づきでも2割程度であり、残りの約7割は実務における経験によるものである」と強調します。新しい仕事やより難易度の高い仕事にチャレンジする、あるいはプロジェクトに参加するといったことを通じ、経験によって培われることこそが人を大きく成長させる――言い換えれば、現場でしか人は真に成長しないということです。「若い時はお金を払ってでも苦労を伴う体験をすること。給料にはこだわらずに、仕事は自分への投資であることを理解し、量をこなしていろいろな経験を積んでいくべきである」というのが林さんの持論です。

●転職を考えるタイミング

新卒で社会人になったら、まずは与えられた場で自分を鍛えていくことがとても大切であると林さんは語っています。「石の上にも3年」という言葉があるように、まずは目の前の仕事に一生懸命に取り組むことこそが最も重要なことであり、仕事を通じてスキルを磨いていくことに注力すべきであると説きます。前回(2/5)の大和総研の引頭麻実さんも「与えられた仕事に対して、まずは一生懸命取り組むことで次の展開が見えてくる」と語っていますが、林さんもまさに同様の考えです。キャリアアップの基本スタンスは、目の前の仕事をきちんとこなせるようになってから、その上で次のステップを目指す、そして、その選択肢を社内だけでなく、社外にも開いておくということです。「目の前の仕事で、きちんと結果を出す」ことは、年齢を問わず重要であると林さんは力説されます。

●マネジメントの要諦

林さんは、マネジメントにおいて大切なことは「部下とのコミュニケーション」であり、そのコミュニケーションを深めるためには「時間を共有すること」が第1であると語ってくれました。メールやインターネットによるIT技術の浸透によりコミュニケーション手段の変化は著しいものがありますが、やはり「顔を突き合わせてミーティングを行い、時間を共有することで、出てくる情報に深みが生まれる」と語っています。このように、日頃からフェース・トゥー・フェースのコミュニケーションを重ねておくと、部下に注意を与える際にも効果があります。上司からなぜ注意を受けるのかという認識の改善、すなわち部下の気づきを期待できるからとのことでした。

林さんは、普段から相手のことを考えてゆっくりと話をし、かつ聴き上手でもあるといった印象を強く受けます。やはり人事を核にしたキャリアを積み重ねてきたからこそ自然ににじみ出てくるものなのでしょう。まさに「人事のプロ」といった風格を備えた方といえましょう。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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