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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
成果を上げる社員の条件REVIEW
[2011.08.31]

成果を上げる社員の条件REVIEW(その2)―引頭麻実さん、三ツ森隆司さん編


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件―スピンオフ企画

―インタビューから分かった“デキる社員”のエッセンス(2/5)
佐藤文男 さとうふみお
佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役

人材コンサルタント・佐藤文男さんがインタビュアーとなり、各分野を代表する“成果を上げてきた”ビジネスパーソン10人に、その人の職業人生、キャリア、仕事観をお話しいただいた「各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件」。連載終了後に、コンスタントにアクセスがあります。
そこで今回は、そのスピンオフ企画として、佐藤さんがそれぞれのインタビュー内容を振り返り、各人に共通している視点や考え方、行動様式を分析し、成果を上げるための極意と、そのための条件を総括します。インタビューのエッセンスがぎゅっと詰まった内容で、ビジネスパーソン必見です。今回はその第2回です。

引頭麻実さん(株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長)

引頭麻実さんは、大和総研で執行役員としてコンサルティング部隊を率いる一方で、政府関連の審議会委員の要職を務めてきました。最近では、東京電力に対する政府の経営・財務調査委員会のメンバーに名前を連ねています。大和証券に女性総合職第1号として入社し、現在の執行役員のポジションに到達するまでの過程には、さまざまな苦労も経験したと語ってくれた引頭さん。対談を通して学んだ点を以下に挙げたいと思います。

引頭麻実さん(株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長)

●意見をぶつけ合うことで信頼を築く

入社後、約15年間経験したアナリストやストラテジストの業務は、どちらかというと“個人商店の仕事”だったのが、チームとして取り組む投資銀行業務に変わった時点で、引頭さんは仕事の進め方の面で大きな壁にぶつかったといいます。新しいスタイルに真正面から取り組む必要が出てきたわけです。ある時、チーム内で意見が衝突。取っ組み合い寸前の言い争いになるも、引頭さんは冷静に皆の意見を集約し、良い成果を得るという経験をします。そこから、メンバーとの「信頼」を築くためには、衝突を決して避けずに意見をぶつけ合うことが大切であると認識したそうです。最近の若い世代のビジネスパーソンは周囲との衝突を恐れる傾向があるようですが、引頭さんの言葉を借りれば「たとえ取っ組み合いをしても、お客様を第一に思い、お互いの意見をぶつけ合っているのだから、傷つく必要はない」と積極的に意見を出し合うことが大切だと考えます。

●部下の育成とマネジメント

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

部下とのコミュニケーションで大切にしていることは、単なる指示ではなく「指示する背景を説明すること」であると言います。指示の意図、なぜそういう指示をするのかという上司としての「思い」を伝えることで、初めて部下に納得して動いてもらえると強調していました。すなわち「部下を動かすというよりも、自分が何をしたいのかを理解してもらい、部下に自分のサポーターになってもらう」という考えで“自らが動く”ことと言えましょう。

また、若手の育成に関しては、同じことを繰り返し言い続けることが大切であり、辛抱強く指導していると、ある時、急に成長する――とも語ってくれました。

さらに若手のビジネスパーソンには、仕事において自らの「機会」ばかりを主張するのでなく、与えられた、あるいは目の前に訪れた機会や出会いを一つひとつ大切にしていくことで道が開けていくと強調されました。

●人生におけるつらい時期の対処法

引頭さんは30代に入ったばかりのころ、プライベートで不運が続いて非常につらい状況に陥りました。その時期は、死を覚悟するような病気にもかかり2カ月ほどの休職も余儀なくされました。退院して仕事に復帰した後も数年間は気持ちの晴れない日が続いたそうです。どんなビジネスパーソンにも、病気を含めて、谷底にいるようなつらい状況に陥る可能性はあります。でも人生は山あり谷あり。悪い状況は続かないと割り切ることが重要です。引頭さんは、ある時、社外の仲間と出掛けたカラオケで、知人が歌った中島みゆきの「時代」の歌詞を通じて「悪いことはいつまでも続かない」というメッセージを伝えてくれたことに気づきます。歌を介して周囲に支えられている有り難さを実感したそうです。

今回の対談では、引頭さんが人生の山だけでなく谷も経験して現在に至っている過程を聞くことができました。何事においても大成される方は、自らの弱い面を気後れせずに話すことができ、それこそが器の大きさの裏返しであると言えるのでしょう。

三ッ森隆司さん(日本NCR株式会社 代表取締役社長兼CEO)

三ッ森隆司さんは、1998年39歳の若さでコンピューター・アソシエイツ日本支社の代表取締役社長に就任してから、一貫してトップマネジメントのキャリアを積み、現在は日本NCRの代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)として活躍しています。ビジネスパーソンであれば、企業のトップに就くことに憧れを持つ方は多いでしょう。三ッ森さんとの対談を振り返ってみたいと思います。

●20代後半の人生の転機

新卒で入社した外資系コンサルティングファーム(現在のアクセンチュア)で、入社5年目に、日本法人の社長にアメリカ本社で新しいことにチャレンジしたい旨を英語でしたためニューヨーク赴任の機会を得ました。いわば自ら人事異動を仕掛けたようなものです。

三ツ森さんは、そのことが後の人生を大きく変える重要な鍵だったと言います。

結果的にニューヨークに赴任できたのは、入社後5年間の仕事ぶりを上司や周囲が評価していたからであり、アメリカに赴任するのにふさわしい人材であると判断されたからであると言えるでしょう。

当時、海外への人事異動がなかったにもかかわらず、「機が熟した」と思ってアメリカ赴任を申し出たのは、三ッ森さんにもある程度“勝算”があってのことと思われます。

また、アメリカでの約2年半の赴任中、現地においてビジネス面で鍛えられたことがその後のキャリアに大きく貢献していることは言うまでもありません。三ッ森さんが「日本と違い、アメリカでは自分から動かなければ何も始まらなかった」と当時を振り返って語った言葉には苦労の一端が垣間見られます。

三ッ森隆司さん(日本NCR株式会社 代表取締役社長兼CEO)

●30代での体験

1997年、38歳でコンパック・コンピューターに当時の社長の補佐役として転職してから、三ッ森さんは新たな激動の時期を迎えました。転職した際には300人程度だった社員数が、企業買収により一挙に約4000人に膨れ上がり、マネジメントしていく上で非常に苦労したそうです。

三ッ森さんにとって、買収後の企業のマネジメントを経験できたこと、また、社員数が10倍以上になった組織をどうコントロールしていくかを把握できたことは、後に自らが社長となってからの実務で大いに役立ちました。

●社長として、さらなるステップアップへ

39歳でコンピューター・アソシエイツ日本法人の代表取締役社長に就任し、最初の3年間はアメリカ本社を巻き込んで仕事をする傾向にあったため、ほとんど日本支社の部下を振り返る余裕がなかったと三ッ森さんは語ってくれました。年末の納会で自分と社員との会田に心理的な距離感があることを察知したことが自らの態度を軌道修正する大切な“気づき”になったとのことです。その後、新卒を採用するプロセスをきっかけにして社員の一体感や会社に対する愛着心を高めていくことに注力をしたそうです。「皆で新卒採用した人材を育てよう」という雰囲気が徐々に生まれ、それが社員のやる気につながり、社内の空気はどんどん良くなっていったそうです。アメリカ本社の意向ばかりを気にするのではなく、日本支社の社員のフォローに注力するようになったわけです。三ッ森さんが外資系企業の日本支社のトップとして一段高いステージにステップアップした時期であると考えます。

●和魂新才

現在、三ッ森さんは、「和魂新才」という言葉を日本NCRの経営スローガンに掲げています。和魂新才とは、「IT革命によって次々と誕生する新技術(新才)を、お客様第一主義に代表される日本の精神(和魂)でソリューションに昇華していく」という思いが込めています。同社は国内では最も古い米系企業であり、日本的な面も色濃く持つ、真に日本に根付いたグローバル企業といえます。日本を含むアジア太平洋地域の売上高総利益率は、NCRグループ全体の20%を占めており、セルフレジをはじめとして日本NCRのITソリューション技術はグローバルな展開が期待されています。トップとして、企業のビジョンをわかりやすいスローガンで打ち出すことは、組織をリードしていくうえで不可欠の資質といえます。

総じて、三ッ森さんは「仕事とはリスクを恐れずチャレンジして、達成するというプロセスの繰り返しである」と言います。もちろん、その姿勢を持つ前提としては「普段から常に限界と思うレベルに目標を設定して、実力を養うべく日々鍛錬しておくことが大切である」点を強調します。常にハードルを高く設定してキャリアを積んできた三ッ森さんだからこその、説得力あるメッセージと言えるでしょう。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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