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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さん編
[2011.06.15]

戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さんが語る“デキる社員”の条件~ 「企業が成長しない」とは、「社員に夢がない」ということを意味する(2/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(29)

米倉誠一郎さん

(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

各分野で活躍されている10人の方にご登場いただき、“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのかを解き明かす本シリーズ。最終回となる第10回は、戦略と組織研究の第一人者、一橋大学イノベーションセンター長を務める米倉誠一郎さんにお話をうかがいました。第2回となる今回は、日本のビジネスパーソンが海外にチャレンジするに当たって求められるもの、そして「イノベーション」をどう捉えるかについてです。

日本では新入社員に「理想の上司」を聞くとタレントの名前が挙がるが、アメリカ人からトム・クルーズの名前が出るなんて考えられない

-英語力は必ずしも重要ではない、ということですね。では逆に、海外へのチャレンジをより実りあるものにするために必要なものは何だとお考えですか?

自分自身で、常にどんな分野のプロフェッショナルになりたいかを考えておくことです。漠然と「いつかは社長になりたい」というのではなく、「マーケティングを究めたい」「経理のプロになりたい」「経営企画に強くなりたい」というように、どのフィールドで自分を極めていくのかという意識を持ちましょう。

米倉誠一郎さん(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

今の日本は、キャリアパスを考えていない人が多い。学生も、「就職」ではなく「就社」に走って人気企業ばかりを受けたがります。キャリアは会社任せです。もう少し主体的に、自分のキャリアをどうやって作っていくかということを意識したほうがいいのではないでしょうか。日本では新入社員に「理想の上司はだれか」と聞くとタレントの名前が挙がりますが、アメリカ人に理想の上司を尋ねてトム・クルーズの名前が出るなんて考えられません。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズの名前が挙がるのが当たり前なんです。これは、ビジネスパーソンがキャリアパスのイメージやロールモデルを持っているかどうかが大きく影響していると考えられます。

例えば、Google社のCEOであるエリック・シュミットは、コンピューターサイエンスの博士号を持つ技術者です。彼をロールモデルとすれば、技術を学んで経営者になる道もあることが具体的にイメージできます。「大学でコンピューターサイエンスを学んで4~5年はSEとして働き、それからアメリカにMBA留学すれば技術も経営も分かるようになる。MBAを修了したら、シリコンバレーかインドのバンガロールで働こう。いずれは技術の知識を活かして、日本でビジネスをしよう」……こんなふうに、自分の中でキャリアパスを描くことが大事なんです。

「大企業に入って年収1000万円もらえたらうれしい」なんて、真のエリートが言うことではない

-景気の低迷が続いていることで、新たなビジネスに挑戦したり起業したりといったチャレンジ精神も失われがちなように思います。イノベーションを核とする企業経営を専門とされている立場から、昨今の状況をどうご覧になりますか?

新しい事業なくして企業は成長できません。そして、「企業が成長しない」ということは「社員に夢がない」ということを意味します。例えば、アメリカの3M社は事業部に対して「3年以内に開発した商品で利益の25%以上を上げる」という基準を設けています。これは、新商品を開発して成長し続けてこそ企業は夢を持てるという考え方を表したものといえるでしょう。

私は常々、学生に「尊いのはジョブシーカー(仕事を探す人)ではなくジョブクリエーター(仕事を創る人)だ」と伝えています。「大企業に入って年収1000万円もらえたらうれしい」というのは、真のエリートが言うことではありません。真のエリートの最大の使命は、仕事を創ることなんです。ビジネスにおいては、価値のある仕事、企業に利益をもたらす仕事、社会に貢献する仕事を生み出すことが一番大事。今、ビジネスの世界に欠けているのは、この視点です。仕事ができるビジネスパーソンになるには、まず「会社が何をしてくれるかではなく、会社に何ができるのか」と考えられなくてはダメでしょう。

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

イノベーションは、どんな場にいても起こすことができる。起業するかどうかは大きな問題ではない

一般にアントレプレナーシップというと起業と結びつけがちですが、本質的には、アントレプレナーシップは「イノベーションを起こすこと」なんです。そして、イノベーションはどんな場にいても起こすことができます。その意味で、起業するかどうかは大きな問題ではありません。会社に勤めていようがいまいが、新しい事業を興し価値を生み出すことは可能ですからね。所属する組織や立場を問わず、ビジネスにおいて最も尊いのはジョブクリエーションなのです。

Profile 米倉誠一郎(一橋大学イノベーションセンター長・教授)
1953年生まれ。1977年に一橋大学社会学部、1979年に経済学部を卒業。1981年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。1982年に一橋大学商学部産業経営研究所助手、1984年に同専任講師、1988年より同助教授。1990年にハーバード大学にて歴史学の博士号を取得。1995年に一橋大学商学部産業経営研究所教授に就任。1997年より一橋大学イノベーション研究センター教授。1999年より2001年まで同センター長、2008年から再び同センター長。季刊誌『一橋ビジネスレビュー』編集委員長も務める。専門はイノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究。『脱カリスマ時代のリーダー論』(NTT出版)、『経営革命の構造』(岩波書店)等、著書多数。

Profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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