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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さん編
[2011.06.14]

戦略と組織研究の第一人者 米倉誠一郎さんが語る“デキる社員”の条件 ~グローバリゼーションとは、「電話1本ですぐつながる友人が世界に何人いるか」ということ(1/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(28)

米倉誠一郎さん

(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

各分野で活躍されている10人の方にご登場いただき、“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのかに迫る本シリーズ。最終回となる第10回のゲスト、米倉誠一郎さんは、イノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究の第一人者として知られています。
先行き不透明感を強める日本経済、多くの企業が直面しているグローバル化の流れ――こうした中にあって、ビジネスパーソンはどう行動すべきなのでしょうか。キーワードとなるのは「混んでいる/空いているラーメン屋」です。

日本は「空いているラーメン店」で、新興国は「混んでいるラーメン店」。どちらに大きなビジネスチャンスがあるか?

-日本経済にかつてのような成長が望めない状況で、先行きの不透明感に多くのビジネスパーソンが不安を抱いているように思います。このような不安を乗り越えるためには、何が必要だとお考えですか?

考えなくてはならないのは、「自分をどこに位置づけるべきか」ということです。

米倉誠一郎さん(一橋大学イノベーションセンター長・教授)

ここ10年の中国のGDP(国内総生産)の成長率は年9~10%の間で推移しています。ほかの新興国を見ても、近年はインドが年率8%前後、インドネシアは同6%前後という高い成長率を維持しているのです。ちょっと計算してみれば分かりますが、年率10%で成長すれば6年で経済規模は2倍になります。つまり中国やインド、インドネシアなどの新興国は、ここ7~8年で経済規模がほぼ倍にまで成長したわけですね。2009年には中国がGDPで日本を抜いてアメリカに次ぐ世界第2位となりましたが、これだけの勢いで成長すれば当然のことでしょう。それに対して、日本やEU諸国、アメリカの近年の経済成長率は1.5%程度。新興国と比べると、成長の鈍化は明らかです。

例えて言えば、日本は「空いているラーメン店」で、新興国は「混んでいるラーメン店」なのです。どちらに大きなビジネスチャンスがあると思いますか? たとえ味が良くても、空いているラーメン店でビジネスをするのは難しいでしょう。今、ビジネスパーソンにとって重要なのは、積極的に海外に打って出て自分を成長領域に位置づけることだと思います。

「グローバリゼーションとは何か」と問われたら、「電話1本ですぐつながる友人が世界に何人いるか、ということだ」と答える

-グローバル化の流れは、多くのビジネスパーソンが意識していると思います。20~30代の若手ビジネスパーソンが、自力で海外に渡りMBAを取得することについてはどう評価されますか?

MBAを取りに海外に行くのは、すばらしいことです。もっとも、MBAにどんな意味があるのかといえば、学問として大きな意味はないと思います。重要なのは、若いうちに海外に出ることによって、世界中に人脈ができることなんです。

私は「グローバリゼーションとは何か」と問われたら、「電話1本ですぐつながる友人が世界に何人いるか、ということだ」と答えます。「英語が使えます」「Newsweekを読んでいます」というのは、単に情報を集めているだけであって、グローバリゼーションとは言えません。私はハーバード大学に留学し、中国、イスラエル、ドイツ、インドなど、世界中から集まるトップエリートと友達になることができました。今なら、中国にMBAを取りに行くのもおもしろい選択でしょうね。アジアの近隣諸国からはもちろん、アメリカからも人が集まっています。

海外でMBAを取得することのもう一つの意義は、「あんなつらいことを乗り越えたのだから、私にできないことはない」という強い自信を持てることにあります。海外のトップレベルの大学は非常に厳しいので、自分を極限まで追いつめざるを得ません。また、そういった環境だからこそ共に学ぶ仲間との連帯感が生まれ、強固な人的ネットワークを作ることができるのです。

英語力なんてどうでもいい。大事なのは、話す中身と話す勇気。その2つがあれば、“根性英語”でいい

-ビジネスパーソンが海外に打って出るには会社の留学制度を利用する、海外赴任するという選択肢もありますが、語学力への不安を持つ人は少なくありません。

不必要に恐れず、チャンスがあるなら自ら手を挙げて行かせてもらうべきだと思いますよ。英語力の有無は、実はまったく問題ではないんです。英語力なんてどうでもいい、と言ってもいい。大事なのは、話す中身と話す勇気。その2つがあれば、“根性英語”でいいんです。ネイティヴの発音で、ペラペラしゃべれなくてもいい、拙い片言の英語力だって十分通じるものです。例えば、ソニー創業者の盛田昭夫さんの演説は、多くのアメリカ人を魅了しました。プロゴルファーの青木功さんは、おそらく日本人ゴルファーの中で最もアメリカ人の友達が多い方です。盛田さんも青木さんも、必ずしも語学としての英語力に秀でていたわけではない。しかし、一流のビジネスパーソンであり、一流のプロゴルファーであり、そのうえで人とコミュニケーションしようという姿勢を持っているんです。大事なのは、そこなんです。

米倉誠一郎さん(左)と佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役 右)

英語は、“アメリカ人やイギリス人が話す言葉”ではなく、ビジネスの世界の共通語です。母国語が英語でない人々が英語で議論すること、もっと言えば「中身のあることを“根性英語”で話すこと」が世界のトレンドであると言ってもいい。おびえる必要はないんです。

Profile 米倉誠一郎(一橋大学イノベーションセンター長・教授)
1953年生まれ。1977年に一橋大学社会学部、1979年に経済学部を卒業。1981年、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。1982年に一橋大学商学部産業経営研究所助手、1984年に同専任講師、1988年より同助教授。1990年にハーバード大学にて歴史学の博士号を取得。1995年に一橋大学商学部産業経営研究所教授に就任。1997年より一橋大学イノベーション研究センター教授。1999年より2001年まで同センター長、2008年から再び同センター長。季刊誌『一橋ビジネスレビュー』編集委員長も務める。専門はイノベーションを核とした企業の経営戦略と発展プロセス、組織の史的研究。『脱カリスマ時代のリーダー論』(NTT出版)、『経営革命の構造』(岩波書店)等、著書多数。

Profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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