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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
メンタルトレーナー 田中ウルヴェ京さん編
[2011.06.02]

メンタルトレーナー 田中ウルヴェ京さんが語る“デキる社員”の条件~自分の感情や考え方のクセを知ることで、ストレスを軽減することができる(3/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(24)

田中ウルヴェ京さん

(メンタルトレーナー/コーピングコーチ)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

各分野で活躍されている10人の方にご登場いただき、“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのかに迫る本シリーズ。第8回のゲストは、シンクロナイズドスイミングの元五輪メダリスト、田中ウルヴェ京さんです。
アスリート時代の経験を経て、現在はメンタルトレーナー/コーピングコーチとして、スポーツ界のみならずビジネスパーソンへのメンタル指導も行う田中ウルヴェさん。プレッシャーの掛かる状況下で、ビジネスパーソンはどうメンタルを強く保てばよいのか、語っていただきました。

メンタルは「強くしよう」とするのではなく、しなやかに保とう

田中ウルヴェ京さん(メンタルトレーナー/コーピングコーチ)

「絶対に強くならないこと」です。頑張ろう、強くなろうと思うと、心が折れてしまいます。メンタルは強くしようとするのではなく、しなやかに保とうと考えてください。

メンタルをしなやかにするためには、日々の自分の感情に気づかなければなりません。日本人は感情に気づくことをよしとしない傾向がありますが、「仕事が面倒くさいな」「この上司は嫌だな」などと思うことは、実は大事なことなんです。自分は何が嫌なのか、何を面倒だと思い、何が楽しいのかを理解して、自分の考え方のクセをつかむことが大事なのです。

例えば、ある女性が「男性上司からいじめられていて、つらい」と考えているとします。そこで「自分が上司を嫌っている」という感情に目を向け、「上司のことを嫌いにさせている、私の考え方のクセはなんだろう」と振り返ると、「男性なのだから、上司はもっと女性部下を大事にすべきだと思っている」といったことに思い至るかもしれません。

もし、ここまで理解したうえで「上司は、男女の区別なく接するべきだと考えている」ということに気づけば、厳しく叱られた時も上司に共感できるようになり、ストレスが軽減されるでしょう。メンタルがしなやかな人になるには、まずは、自分の考え方のクセに着目して「起きているストレス」を検証するというような問題対処をすることが必要なのです。

自分の「考え方のクセ」を気付いていれば、嫉妬という感情だって決して悪いものではない

でも、自分のことはだれしも知りたくないものなんですよ。格好悪いですから。例えば過去の私の場合、小谷さんがテレビに出ているのを見るのは気分のいいものではありませんでした(笑)。この感情に目を向け、どうして私は気分がよくないんだろうと考えると、要するに私は小谷さんに嫉妬していたんですね。

考え方のクセとして、自分よりちやほやされている人がいると「負けたくない」と思ってしまう。その思いが、私にストレスを与えていたわけです。

しかし、この格好悪い自分を知ると、自分の長所も分かってきます。例えば、嫉妬深い私という人間は、違う見方をすれば、「それだけ頑張り屋さんなんだ」というとらえ方もできる。もちろん、その「嫉妬」という感情を、人に危害を与えたりするという悪い行動にうつしてしまっては、まったくダメですが、嫉妬という感情エネルギー自体が悪いわけではないですよね。その嫉妬というエネルギーも、考え方のクセに気づき、自分にとっても、他人にとってもよい影響となる「行動」にうつせれば、嫉妬というものは、決して悪いものではなくなるわけです。

まあ、そのことに気づくには、ずいぶんとコーピングの勉強が必要でしたが(笑)。こんなふうに、自分のよいところ、悪いところにきちんと気づくことが大切だと思います。

「私はこんなに頑張っているのに」と主張する人が成功したためしはない

―経験の浅い若手ビジネスパーソンの場合、大きなプロジェクトを任された時などにプレッシャーを感じることもあると思います。重圧に対してはどのような心持ちで臨めばよいのでしょうか。

本気で達成したいと思って頑張るなら、死ぬ気でやればいいと思います。わがままでも、アンバランスでもいい。でも、やると決めたら達成しなければいけません。格好をつけずにがむしゃらに頑張って、絶対に結果を残してください――と言いたいですね。

ただ、スポーツ選手でもそうですが、中には「一生懸命やっている自分が好き、頑張っている姿を人に見せたい」という人もいるんです。「頑張る自分が好き」というタイプは、目標を達成できません。頑張っているかどうかは他人が評価することであって、「私はこんなに頑張っているのに」と主張する人が成功したためしはありません。“空回り”にならないよう、注意が必要です。

完璧主義のためにプレッシャーを感じているのであれば、少し肩の力を抜いて“適当力”を発揮することが大切

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

完璧主義で「○○すべきだ」という“べき思考”に陥ってしまってプレッシャーを感じているのであれば、少し肩の力を抜いて“適当力”を発揮することが大切でしょう。一生懸命、真面目に頑張る人は、100%ではなく120%を目指そうとするものですが、頑張れば頑張るほどパフォーマンスは落ちるんです。休む時は休まなければ発想も生まれませんし、寝ずに頑張ればいいというものではありません。

プレッシャーを感じるのは120%を目指すからです。「とりあえずやれるだけのことをやってみよう」「ダメだったら周りに相談しよう」「失敗したら思い切ってわびることも考えておこう」というくらいに考えてみましょう。

世の中には、「絶対に失敗するな!失敗して詫びるなんてもってのほかだ!」という上司もいらっしゃいます。当然、失敗を前提に仕事はしてはいけません。しかし、絶対に失敗してはいけないことでも、失敗することもあるのが人生です。若者に、「失敗するな!」と繰り返すことで、何か得なことがあるのか、ということは、リーダー側には研修などで、申し上げていることです。

一方、「自分にはこの仕事は絶対にできない」といったような自己否定指向からプレッシャーを感じている人は、「評価や結果を考えずに自分のペースで淡々とやろう」と思ってください。無理に「自分にはできる」と思い込もうとする必要はありません。自分の目の前に来た仕事なのですから、深呼吸をして、落ち着いて取り組むしかないんです。

profile  田中ウルヴェ京さん(メンタルトレーナー/国立鹿屋体育大学客員教授)
1967年生まれ。聖心女子学院初中高等科を経て、日本大学在学中の1988年にソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得。1989~1999年に日本代表チームコーチ、アメリカ五輪ヘッドコーチアシスタント、フランス代表チーム招待コーチなどを歴任。1991年より渡米、米国カリフォルニア州セントメリーズ大学大学院健康・体育・リクリエーション学部修士課程修了。99年からは米国アーゴジー心理専門大学院にて認知行動療法とスポーツカウンセリングを、2000年米国サンディエゴ大学院にてパフォーマンスエンハンスメントとアスレティックリタイヤメントを学ぶ。2001年に起業し、心身の健康をテーマに、株式会社MJコンテスを経営。アスリートからビジネスパーソンまで幅広くメンタル指導を行う一方、東京・白金台と大阪にピラティススタジオ「DMJボディバランシング」を持つ。米国ネバダ州立大学との完全提携で、ピラティス指導者、ゴルフピラティス指導者の公認資格発行も行っている。企業研修や講演は年に200を数え、最近では報道番組でコメンテーターも務める。夫はフランス人、二児の母。『書くだけで人生が変わる{感謝日記} すぐに幸福を引き寄せる30の方法』(実業之日本社)、『「リーダー力」を鍛える!メンタルトレーニング実践講座』(PHP研究所)など著書、共著、訳著多数。
【公式HP】http://www.coping.jp
【公式ブログ】http://ameblo.jp/miyako-land/
【twitter】http://twitter.com/miyakoland

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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