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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
G&S Global Advisors Inc.社長 橘・フクシマ・咲江さん編
[2011.05.12]

G&S Global Advisors Inc.社長 橘・フクシマ・咲江さんが語る“デキる社員”の条件~今後ビジネスにおいて「国内にとどまり続ける」という選択肢はなくなる(3/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(15)

橘・フクシマ・咲江さん(3)

(G&S Global Advisors Inc. 代表取締役社長)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

各分野で活躍されている10人の方にご登場いただき、“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのかに迫る本シリーズ。第5回のゲストは、G&S Global Advisors Inc.代表取締役社長の橘・フクシマ・咲江さんです。
グローバルなビジネスの第一線でチャレンジを続け、多様な経験を重ねてきたフクシマさん。最終回となる今回は、「グローバル人財」となるために、若手ビジネスパーソンが意識すべきことについて語っていただきました。

社外取締役とのディスカッションを通じて、企業統治には大局的な観点から見ることが重要だと学ぶ

―12年間、米国本社取締役という重責を果たされる中で学んだことや感じたことを教えてください。

橘・フクシマ・咲江さん(G&S Global Advisors Inc.代表取締役社長)

コーン・フェリーは1999年に株式を上場し、CEOをはじめ社外から多数の取締役を迎え入れました。この時にそれまでのパートナーである社内取締役はほとんどが退任しており、私も退くつもりだったのです。しかし新しく外部から採用したCEOから「パートナーとしてエグゼクティブ・サーチや社内のことに精通している人材が必要」「あなたが退任すれば、経営陣からアジア人も女性もいなくなってしまう」と説得され、引き続き2期6年、合計12年間にわたって取締役を務めることとなりました。

今振り返りますと、上場後に取締役として残ったことが、多くの学びの機会を得るきっかけになったと思います。それまでの社内だけの取締役のディスカッションは、現場に精通していることが裏目に出て、どうしても日々のオペレーションの話に終始しがちでした。一方、社外でCEOを歴任してきた新しい社外取締役の方々は、株主の利益を視野に入れた全社的な戦略や、目標を達成するための手段など、常に社外の視点を持って意見を述べていました。こうしたディスカッションを通じて、企業統治においては日々の運営の話に終始しない、外部の視点で、「中の常識、外の非常識」にならないように大局的な観点から見ることが重要なのだと学びました。

夫の言葉を胸にチャレンジし続け、「100%できなかったとしても必ず何か学びがある」という気付きを得た

―ハーバード大学での日本語講師からビジネスの道へ進み、MBAを取得され、コンサルティング業界からエグゼクティブ・サーチの世界に転身するなど多様な経験を重ねていらっしゃいます。自らの環境を大きく変えることに対して、抵抗を感じたことはなかったのでしょうか。

私は、自分から環境を変えようと考えたことはないのです。振り返りますと、いつも良いタイミングで良い方に巡り合い、良い話をいただいてきたように思います。コーン・フェリー本社の取締役に選出されたのも、花王やソニーの社外取締役就任もすべて突然のことで、「どうして私が?」「お引き受けして、本当に責任を果たせるのだろうか」と思うことも少なくありませんでした。そんな時、私の背中を押してくれたのはそうした方々でした。何よりも一番サポートしてくれたのは夫です。「できるかどうかは、やってみなければわからない」、と。そして、その言葉を胸にチャレンジし続けるうちに、「100%できなかったとしても必ず何か学びがある」ということに気付いたのです。

もともと私は、チャレンジ精神旺盛なほうではありません。しかし、新たな機会を与えていただいた時には挑戦し、一生懸命力を尽くしてきました。その結果として次の機会をいただくということが、今日まで続いてきたのだと思います。

覚えておいてほしいのは、「責任を負うことで人は学び、成長する」ということ

―国内外で長く活躍されてきた立場から、若手ビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。

私は10年前から、「これからはグローバル人財(資産としての人材という意味)が必要とされる」と言い続けてきました。近年はこの流れが加速しており、今後、ビジネスにおいて「国内にとどまり続ける」という選択肢はなくなるでしょう。特に、東日本大震災によって日本経済が負ったダメージの大きさに目を向ければ、内需だけではなく外需も掘り起こし、企業がビジネスのグローバル化を加速させて経済を活性化することが必要です。

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)

こうした世の中の動きを踏まえれば、若手ビジネスパーソンには、積極的に海外に出ていくことを勧めたいですね。グローバル化の流れに取り残されれば、後で苦労することになるでしょう。若い時の経験は決して無駄にはなりませんから、目の前にチャンスがあるならどんどんアタックしたほうがいいと思います。

グローバルで仕事をしていくうえで、一つ、みなさんに覚えておいていただきたいことがあります。それは、「責任を負うことで人は学び、成長するのだ」ということです。長年エグゼクティブ・サーチを行う中で、私は「上司が悪い」「会社が悪い」「部下が悪い」などと、何でも他者の責任にする人にもたくさん出会ってきました。私が見る限り、このように「責任は他者にあり、自分は悪くない」と考える人は成長が望めません。仕事ができるのは、失敗を自覚して責任を負い、「同じ失敗を繰り返さないために、次はどうすべきか」と考えられる人です。

この点、世界に目を転じれば、「責任はできるだけ負わないようにするのが当然」と考える文化を持つ国もないわけではありません。個人差はありますので、一概に言えませんが、そういった国では、成功は自分の手柄にし、失敗は人のせいにして過ちを認めない人が多いのも事実です。今後、海外に飛び出せば、おそらくこうした文化の違いに戸惑うこともあるでしょう。しかし、みなさんはそれにめげず、自分の行いに責任を持つことを忘れないでください。他国の文化に柔軟に対応することは必要ですが、芯の部分は変えない「外柔内剛」を目指しましょう。

大震災の後、日本人のまじめさやホスピタリティといった国民性は海外で高く評価されました。私自身、多くの日本人の若者がボランティアに励む姿に心を強くしています。そんな日本人としての誇りを持って、グローバルに活躍していってほしいと思います。

profile  橘・フクシマ・咲江(G&S Global Advisors Inc.代表取締役社長)
清泉女子大学卒業。ハーバード大学大学院教育学修士課程修了。同大学で日本語講師を務めた後、ブラックストン・インターナショナルを経て、スタンフォード大学大学院経営修士課程修了。その後、1987年にベイン・アンド・カンパニー入社。1991年に世界最大手の人財コンサルティング会社コーン・フェリー・インターナショナルに入社。日本支社社長、会長を歴任する。2010年8月に同社アジア・パシフィック地域最高顧問に就任すると同時にG&S Global Advisors Inc.を設立し、代表取締役社長に就任。1995年よりコーン・フェリー米国本社の取締役を12年間務めたほか、花王、ソニー、ベネッセコーポレーション等で日本企業初の女性社外取締役を歴任。現在はブリヂストン、パルコの社外取締役を務めている。キャリアやコーポレート・ガバナンス等をテーマとして広く執筆・講演活動も行っており、『人財革命―あなたが組織に負けない「一流の人材」になるために』(祥伝社)、『売れる人材―エグゼクティブ・サーチの現場から』(日経BP社)、『40歳までの「売れるキャリア」の作り方』(講談社)等、多数の著書がある。夫はエアバス・ジャパン取締役会長のグレン・S・フクシマさん。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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