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プロが語る 成果を上げる社員の条件【社長編】佐藤文男
株式会社バルス高島郁夫社長編
[2011.10.27]

リーダーに一番大事なのは、「成長させてやりたい」という部下への愛情  ~プロが語る 成果を上げる社員の条件【社長編】-株式会社バルス 高島郁夫社長に聞く(2)


プロが語る 成果を上げる社員の条件【社長編】-バルス高島郁夫に聞く(2/3)

高島郁夫さん
株式会社バルス 代表取締役社長)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)
各界のリーディングカンパニーを率いる経営者が、ご自身の体験談も踏まえて「“デキる社員”にはどんな思考、行動様式が求められるのか」を語る本連載。今シリーズのゲストは、Francfranc(フランフラン)やBALS TOKYO(バルス トウキョウ)などのインテリア・雑貨店を展開し、急成長を遂げてきた、株式会社バルス代表取締役社長の高島郁夫さんです。
第2回となる今回は、商品企画に当たっての発想法と、組織のリーダーに必要な資質についてお聞きしました。ビジネスにおいて当たり前のように使われる「ターゲット」という言い方、そのおかしさに気付いていますか?

■お客様は「ターゲット(標的)」ではない。信頼関係を築いて親友になろう

——長年にわたりFrancfrancをはじめとする人気店を経営される中で、大きな気付きや転機となったことがあれば教えてください。

私は、20年近くかかって、「お客様と勝負するのではなく、信頼関係を築いて親友になろう」という考え方にたどり着きました。

このことに気付いたのは、社員が自分たちで作った商品を「ほしいと思わない」と言ったことがきっかけでした。お客様の多くは20〜30代で、社員たちと同年代なんです。それなのに、「自分はほしくない」というのはどういうことなのかと考えました。それで、「今まで、偶像化したターゲットを念頭に置いて商品を作っていたんじゃないか」と気付いたんです。

……このように、ビジネスにおいては、よくお客様のことを「ターゲット」と呼び、標的にしているかのように扱います。しかし、この考え方が私たちとお客様とを「狙う側」と「狙われる側」に分けてしまいます。標的として狙っているという意識であるために、「外れると悔しい」という考えを生むんです。しかし、そもそもお客様と勝負しているかのようなスタンスは、商売としてまともではないでしょう。お客様がバルスの店舗でものを買わなくても、それはお客様が満足するものを提供できなかったことを我々が反省すべきなんです。

高島郁夫さん(株式会社バルス 代表取締役社長)

まともな商売の考え方に忠実にビジネスをするには、お客様をだましたり裏切ったりしてはいけないのはもちろん、「どうしたら喜んでくれるか」「どうすれば信頼関係を築けるか」を基準に物事を考えることが必要なのだと思っています。言い換えれば、「これは親友のためになる」「きっと親友が喜んでくれる」と思えるものを提供していけばいいんだ、ということです。だから、社員自身がほしいものや、自分の友達にあげたいものを作ればよかったんですね。単純な話なのに、気付くまでにずいぶん時間が掛かってしまいましたが、今ではもう迷いはありません。

——つまり、商品企画の発想を根本から変えられたわけですね。

お客様との信頼関係を重視すると、接客でも無理に売ることがなくなります。

これは私自身の経験ですが、家具メーカーに勤めていた頃、販売応援で家具店に行くと「このサイズならお部屋に入りますよ」といった接客をしていることに疑問を感じていたんです。しかし、お客様が求めているのは家具を部屋に埋め込むことではなく、「素敵な生活」がほしくて店に来てくださっているんですよね。

お客様が持ってきた部屋の図面を見て「ソファとテーブルを置くと部屋が狭く感じるだろうな」と思ったら、「無理せずにソファだけの方がお部屋を広々使えていいですよ」とアドバイスすることが大切ですし、そこで無理にテーブルを売らないことが信頼関係につながるのだと思います。

ですから、スタッフには「無理に商品を売らないように」と言っています。お客様が、ヒマな時にお店に来て商品を見て回って、何も買わずに「楽しかった」と帰ってくださるだけでいい。楽しかったら、きっとまた来てくださいますから。――これも小難しい話ではなくて、お客様との関係性を大事にしたいという、それだけの話なんです。

■リーダーに一番大事なのは、「成長させてやりたい」という部下への愛情

——会社が成長し組織の規模が拡大していくなかで、マネジメントにおいて苦労されたことはありますか?

最初に会社を立ち上げた時は、営業アシスタントと事務の女性の3人しかいませんでした。

しかし、会社が大きくなって人員が増えると、私を頂点とした組織の“三角形”も少しずつ大きくなっていくわけです。ここで注意が必要なのは、企業が成長する過程においては、三角形は「下」に広がるのではなく「上」に大きくなるものだ、ということ([図表]参照)。

[図表]組織の拡大と立ち上げメンバーの位置

つまり、私はどんどん上へ上へと意識が高くなっていきましたし、最初は三角形の底辺あたりにいた社員も、会社の成長とともに意識を高めて私と一緒に上に登ってきてくれなくてはいけなかったんです。ところが社員の中には、残念ながら、会社の成長について来ることができずにずっと同じ位置に居続ける人もいました。

私には、「社員は家族のようなものだ」という意識があります。創業社長だからかもしれませんが、社員はみんなかわいいし、成長させたい。でも、会社が成長途上にある時、環境に甘んじて自分を磨く努力をしない人は、いつの間にかついて来られなくなってしまったわけです。自然に会社を離れていった人も少なくありません。急速な成長の中、社員の意識を高めるようメッセージを伝えていくことが大切だと感じました。

——これまでのマネジメント経験から、組織のリーダーに求められる資質をどうお考えになりますか?

一番大事なのは、部下への愛情ですね。「成長させてやりたい」という気持ちこそ、上司に求められるものだと思います。

佐藤文男さん(佐藤人材・サーチ株式会社)

私は20代で営業マネージャーをしていた頃、「部下から嫌われても構わない。自分のやり方でマネジメントして、徹底的に厳しくチームを鍛え上げよう。付いてこられない奴は辞めればいい」と考えていた時期がありました。しかし、本当に辞めてしまうメンバーが増え、チームがボロボロになってしまったんですね。そこで「自分のやり方が悪かったのではないか」と自省した結果、チームがうまくいくようになったという体験があります。

この時の経験から、上司は特定の人を優遇したり冷遇したりせず、優秀な人もそうでない人も、部下全員を公平に愛することが大事なのだと学びました。部下の成長のためには、一人一人のレベルに合わせて、小さな成功も褒め、常に新しい目標を与え、失敗した時は決して責めずに失敗に至った原因を一緒に考えることが必要です。その上で、できればプライベートも含めていつもスタイリッシュであること。そういう上司には、部下は必ず付いてきます。

部下から好かれる上司なら、あとのコミュニケーションはどうとでもなるものです。「コミュニケーション能力が大事だ」と、部下との関係性ができる前に指示命令のやり方にこだわって仕事を進めようとしてはいけません。部下に愛情を注ぎ、好かれることがファーストステップなんですよ。

Profile 高島郁夫(タカシマ フミオ)さん 株式会社バルス 代表取締役社長
1956年福井県生まれ。関西大学経済学部卒業。1990年に株式会社バルスを設立。2002年、BALS HONGKONG LIMITEDを設立。2005年に東証二部へ株式上場。2006年に東証一部へ株式を指定替え。2010年にBM CHINA CO, LTD.設立。現在は、2012年に20周年を迎えるFrancfrancを中心に、BALS TOKYO、WTW、About a girlなどを国内外150店舗以上展開している。趣味はトライアスロンとサーフィン。著書に『フランフランを経営しながら考えたこと』(経済界)、『遊ばない社員はいらない』(ダイヤモンド社)がある。

profile 佐藤文男 佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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