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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
大和総研 執行役員 引頭麻実さん編
[2011.04.21]

大和総研 執行役員 引頭麻実さんが語る“デキる社員”の条件~困った時、つらい時に、社外で支えてくれる人がいたというのは大きい(3/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(9)

引頭麻実さん(3)

(株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

引頭麻実さん編最終回となる(3)では、社内外で常にご活躍されている引頭さんが、プロフェッショナルから学ぶこと、感じることをはじめ、「死ぬのかも」とさえ感じたつらかった経験の中、窮地をどう乗り切ったかを語っていただきました。

―公認会計士・監査審査会委員や企業会計審議会委員などを歴任されていますが、こうしたプロフェッショナルが集まる場で学んだことや感じたことを教えてください。

最初は1998年に女性のアナリスト経験者ということで企業会計審議会の専門委員になったのですが、実は当時、私には企業会計に関する専門知識はまったくありませんでした。ほかの委員は大学教授や公認会計士、企業のCFOを務めている方など専門家の方々ばかりでしたから、初めのうちは気後れしてしまって、委員会に行っても3回に2回は一言も発言できずに帰ってくる有り様だったんです。毎回、冷や汗をかいていました。

でも、せっかく機会をいただいて委員になったわけですし、審議会を開くのにもお金がかかっています。このままではいけないと思って、ある時、思い切って隣の席に座っていた大学教授に分からないことを質問してみたんですね。そうしたら周囲の方々がとても親切にいろいろ教えてくださった。優しく接していただくうちに、「自分も意見を言っていいんだ」「何でもいいから、一言でも発言しよう」と思えるようになったんです。

最初は自分の発言が笑いを誘ってしまったこともありましたが、レクチャーを受けるうちに問題の本質も理解できるようになっていきました。「餅は餅屋」と言いますが、専門家だけでは議論の対象から抜け落ちてしまう部分があるのも事実。私には、そういった部分について利用者の立場、あるいは資本市場の目で見た場合の問題点を提示するという役割があったと思いますし、実際に意見が取り入れられることもありました。そうやって意見を言い続けるうちに、委員会の中で少しは認知されるようになっていったように思います。

こうした審議会での経験を通じて、一皮むけたと思います。まず、まったく知らない“偉い人”と話す時も臆することがなくなりました。また、審議会では短時間で資料を読み、理解し、意見を言うことが求められます。これが非常にいいトレーニングになって、いまに活きていますね。金融庁には自分を育てていただいたと思っていますし、こうしたチャンスをいただけたことに心から感謝しています。

―若手のころからずっと第一線でご活躍ですが、これまでの社会人生活でつらかったことはありますか。もしあれば、それをどのように乗り越えたかを教えてください。

30代に入ったばかりのころはプライベートで良くないことが続いて、つらかったですね。大きかった出来事の1つは、大病をしたこと。当時は心労がたまっていて、身体が弱ってしまっていたように思います。病院に行ってもしばらく病名がはっきりしなくて、医師からは「がんかもしれません。若い方は進行が早いので命の危険もある」と言われました。一時は「死ぬのかも」と覚悟を決めていたほどです。結局、がんではなかったのですが、会社を2カ月ほど休んで病気の治療に専念しました。

仕事に復帰した後も、数年はなんとなく気持ちが晴れず、ずっと迷ったり苦しんだりしていた気がします。そんな時に私を支えてくれたのは、社外の知人たちでした。一緒に飲みに行くと、カラオケで必ず中島みゆきさんの『時代』を歌ってくれましたね。飲み仲間は年上の方が多かったんですが、彼らは経験的に「悪いことはいつまでも続かない」ということを知っていて、『時代』という歌を通してそれを私に伝えたかったんだと思います。

―だれしも壁にぶつかることはあるものだと思いますが、困った時、つらい時に、社外で支えてくれる人がいたというのは大きいですね。

人とのご縁は、本当に大事です。私は普段から研究会やセミナーなどで一緒になった方に声を掛け、インターネットのコミュニティでいう「オフ会」のような感じで飲みに行ったりするんです。そうやっていろいろな方の話を聞き、さらに人を紹介していただいたりして、社外ネットワークを広げてきました。もちろん全員と深く付き合うことはできませんが、中にはたとえ1年に1度しか会えなくても、気持ちが通じる人もいるものです。

―周囲の方々に助けられ、つらい経験を乗り越えたことで、さらに人として強くなれたんですね。

いま振り返ると、挫折したこと、周囲の人たちが支えてくれたことのありがたみがよく分かります。私は、挫折があったことで自分の人生が豊かになったと思っているんです。つらい経験があったからこそ、先にお話したような「機会を大事にしよう」という気持ちを持つこともできるようになりました。

いま私が若手のみなさんに言えることがあるとすれば、たとえ若いうちに挫折を経験したとしても、決して萎縮する必要はない、ということです。10年、20年経てば、「あの時、あの挫折を経験して良かった」と肯定的にとらえられるようになるものですよ。

profile 引頭麻実
株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長
1962年生まれ。1985年に一橋大学法学部を卒業し、女性総合職第一期生として大和証券に入社。大和証券経済研究所(現大和総研)に配属され、電機セクター・アナリスト、ストラテジスト等を経て2004年に大和証券SMBC(現大和証券キャピタル・マーケッツ)へ転籍。2005年、大和証券SMBC事業調査部長に。2007年に大和総研コンサルティング本部副本部長、2009年より大和総研執行役員コンサルティング本部長。2010年より現職。公認会計士・監査審査会および企業会計審議会の委員のほか、日本証券アナリスト協会企業会計研究委員、内閣府、経済産業省、総務省等の各種部会・研究会等の専門委員、統計審議会委員等を歴任。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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