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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
大和総研 執行役員 引頭麻実さん編
[2011.04.20]

大和総研 執行役員 引頭麻実さんが語る“デキる社員”の条件~機会はだれにでも訪れているものであって、自分自身がどうとらえるかが問題だ(2/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(8)

引頭麻実さん(2)

(株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

(1)で、「信頼のしかた」を学んだのが転機だと語ってくださった引頭麻実さん。(2)では、マネジメントする立場で留意していることや、仕事をレベルアップさせるために日々気を付けているマイルールを教えてくださいました。

―組織をマネジメントするうえで、部下とのコミュニケーションなどで留意していることを教えてください。

組織内のコミュニケーションについてはずいぶん試行錯誤してきましたが、最近心掛けているのは「指示をする際に背景を説明すること」です。指示の意図、必然性……もっといえば、大事なのは私自身の「思い」を伝えることなんですね。

一般論として、人間は、結論だけ示されて「ああしろ、こうしろ」と言われてもなかなか動かないものなのだと思います。背景が分からなければ、モチベーションは高まりません。逆に、「1の仕事をしてほしい時に0.8の指示しかしなくても、背景について3説明していれば10動いてくれる」といったこともあります。ですから、「部下を動かそう」と考えるより、「私が何をしたいのかを理解してもらう」と考え、部下にサポーターになってもらう、という方針でやっているんです。

若手の育成については、上司が忍耐強く付き合うことが必要だと思っています。経験値が圧倒的に違いますから、上司が一度言ったくらいで若手が理解できるはずがありません。ですから、たとえ面倒に感じたとしても、上司は何度でも同じことを繰り返し言い続けなくてはならないと思います。でもそうやって指導し続けていると、ある時、若手はぐっと成長したりするんですよね。

逆に若い人は、何度指導を受けても投げ出さずに挑戦を続けてほしい。そういう若手は、上司としても面倒をみたくなるものでもあります。

―若手ビジネスパーソンは、「仕事ができる人」になるためにどんなことを心掛けるべきだと思いますか?

自分の元に訪れた「機会」を大事にすることですね。

近年、新入社員や若手社員を見ていると、権利ばかりを主張する人が増えているように思います。「機会は平等であるべきだ、会社は社員に平等に機会を与えるべきだ」という思考が強くなり、「あの人が受けている研修を、どうして私は受けられないのか」などと言い出したりするわけです。

しかし、何かしらの機会というものは、だれにでもやってきているものなんです。機会を「当然の権利によって得られるもの」と誤解し、機会が与えられないことを他者の責任にしていると、自分のもとにやってきた“自分にとって本当に大切な機会”を見逃してしまうことになりかねません。重要なのは、人との出会いや新しい仕事をするチャンスなど、訪れた機会を大事にして自分のものにすることです。逆にいえば、どんな出来事も「良い機会だ」と受け止めることが、チャンスを引き寄せる方法なのだと思います。

―機会はだれにでも訪れているものであって、自分自身がどうとらえるかが問題だ、ということですね。

私自身は、「意味のない出会い」や「意味のない出来事」「意味のない仕事」はないと思っています。失敗した時は、そのやり方が良くなかったと分かることに意味がある。何かやってみて意味がなかったと分かれば、そう気付いたことに意味があるんです。こんなふうに物事をとらえることができれば、「機会を与えられる権利があるはずだ」といった、誤った思考に陥ることはないでしょう。チャンスをものにするには、どんな出来事にも感謝し、現状を受け容れ、そこから自分自身で動いていくことが必要なんです。

もちろん、これは口で言うほど簡単なことではないと思います。私も、こんなふうに考えられるようになったのは、おそらくここ10年くらいのこと。若手のみなさんに、そんなに偉そうなことは言えないんですよ(笑)。

―2009年に大和証券グループで初となる女性役員4人のうちの1人になられました。重大な責任のある立場を任されていることについて、どのように感じていらっしゃいますか?

最初は戸惑いがありましたし、役員になれたことがうれしいという気持ちもありました。でも、冷静になって思ったのは、「大事なのは役員という立場そのものではない」ということ。

与えていただいたポジションのおかげで、これまで見たことも経験したこともない、新しい世界に挑戦できる。役員になったからこそ見えてくる景色があり、いままでは思いつかなかったようなことを考えられるようになっていると思います。そのことが、とてもうれしいですね。いまは日々、終わることのない挑戦の連続です。

―仕事をレベルアップさせるために、日ごろ、気をつけていることや守っているルールはありますか?

何事も、しっかり下調べをして臨むように心掛けています。例えば、だれかとお会いしてお話する場合は、事前に「20分、調べる時間を取る」などと決め、インターネットの検索サイトなどを使ってできる限り関連する情報を集めるんです。

その際に気をつけているのは、ただ事実や状況を把握するだけで満足しないこと。昔は事実を集めるだけでよしとしてしまっていたのですが、いまは集めた情報の背景や関係性にも思いを巡らせて、多面的に物事をとらえるようにしています。こうしてきちんと準備をしておくと、初めて会う人ともスムーズにコミュニケーションすることができるんです。

profile 引頭麻実
株式会社大和総研 執行役員 第一コンサルティング本部長
1962年生まれ。1985年に一橋大学法学部を卒業し、女性総合職第一期生として大和証券に入社。大和証券経済研究所(現大和総研)に配属され、電機セクター・アナリスト、ストラテジスト等を経て2004年に大和証券SMBC(現大和証券キャピタル・マーケッツ)へ転籍。2005年、大和証券SMBC事業調査部長に。2007年に大和総研コンサルティング本部副本部長、2009年より大和総研執行役員コンサルティング本部長。2010年より現職。公認会計士・監査審査会および企業会計審議会の委員のほか、日本証券アナリスト協会企業会計研究委員、内閣府、経済産業省、総務省等の各種部会・研究会等の専門委員、統計審議会委員等を歴任。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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