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プロが語る 成果を上げる社員の条件【佐藤文男】
ベネッセコーポレーション 秋元博英さん編
[2011.04.14]

ベネッセコーポレーション 秋元博英さんが語る“デキる社員”の条件~大事なのはメンバーが「信頼され、任されている」と感じ、自ら力を発揮してくれること(3/3)


各分野のプロが語る 成果を上げる社員の条件(6)

秋元博英さん(株式会社ベネッセコーポレーション)

インタビュアー:佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
文:千葉はるか(パンクロ)

秋元さんへのインタビューの最終話は、組織運営でのマネジメントと成果を出していくうえでビジネスパーソンに求められるものに関してです。秋元さんは、成果を出すうえで失敗はつきもの、行き詰まったときに大切なのは、「考え込まず、とりあえず動く」ことだとアドバイスしてくださいました。実際の経験から紡ぎ出された言葉は重みが違います。ほかにも気づきを促すキーフレーズが満載です。

―30代前半からリーダーとして活躍されてきた経験から、組織をマネジメントするうえで重要な点はなんだとお考えですか?

チームを作るときに重要なのは、まずベースとしてメンバーが相互に信頼し、共感することです。そのうえで、一人ひとりの強みを全員が理解し合い、尊敬の念を持って仕事に取り組むことがチームの力を最大化するのだと思っています。

私は、組織を作る際は必ずメンバーの強みを調べます。部下とコミュニケーションする際も、「ビジネスパーソンとしての強みは何か」を見出せるよう、注意を払っています。ロジックに強いのか、対人能力に優れているのか、オペレーションが得意なのか。一人ひとりの強みを見極めたうえで、その強みをできるだけ活かせるポジションに就けるわけです。そのうえで「信頼し、任せる」ことが、いいチームづくりの鍵だと考えています。

秋元博英氏

私は多いときで160人の部下を束ねていましたから、すべての部下に直接指示を出すのは不可能です。私自身が信頼関係を直に築ける部下は、5~10人が限度でしょう。しかし、その下にピラミッド状に優れたチームを作ることができれば、メンバーが15人でも1500人でも、同じようにきちんとマネジメントできるというのが持論です。大事なのは、メンバーが「信頼され、任されている」ということを感じ、自ら力を発揮してくれること。地道に愚直に、いいチーム作りをすれば、5人のメンバーで10人分、20人分の仕事をすることもできるものです。

自分の強みや弱みに気づかないまま仕事をしている方は少なくないように感じますが、得意なこと、不得意なことを自覚し、助け合いながらチームで成果を最大化するという考え方は大変重要です。私自身の例で言えば、実は計画的に物事を進めるのは苦手なんです。ですから、プロジェクトなどに取り組む際には、必ずそこをサポートできる能力を持った人財を探し、協力してくれるように頼んでいます。

もう一つ、私が大事にしているのは、常に経営方針に基づいたジャッジをすることですね。経営方針というのは、ただの“お題目”ではありません。分かりやすくいえば、経営陣が「ここを守れば大きく外すことはない」という指針を示したものです。会社の方向性を決めるわけですから、常に徹底させる必要があります。リーダーの仕事は、経営方針を現場で具現化することであると言ってもいいでしょう。リーダーが常に経営方針に立ち返ってぶれずにジャッジしていれば、部下も経営方針に基づいて物事を考えるようになります。これは一人ひとりが的確な判断を下し、組織としてスピードを落とさずチームワークを発揮するための重要なポイントです。

秋元博英氏、佐藤文男氏

―これまでに影響を受けた人とのエピソード、そこから学んだことを教えてください。

以前、ある大手外食チェーンの社長と会食する機会をいただいたのですが、その際に伺った言葉が印象に残っています。

当時、私は社内でも比較的大きなビジネスユニットの管理職に就いていました。事業計画を立てる際にいつも悩んでいたのは、「既存のビジネスを大きく変えるリスク」と「変えずにジリ貧になるリスク」をどう考えるべきか、ということ。何を変えるべきか、何を変えてはいけないか。それについて上に立つ者はどんな視座を持って考えればいいのか―ずっと抱いていた疑問をぶつけてみたんです。すると社長は、「リーダーが考えることは一つしかない。それは、『何を変えてはいけないか』。これを明確に示せば、後は全部、変えていい。変えることを推奨し、どんどん変えられる環境を作るのがリーダーの仕事」とおっしゃったんですね。この言葉をいただいて、「変えることを定義する必要はない、変えてはいけないことだけを示し、後はメンバーの自主性に任せればいい」と思うようになりました。

それから、私は著名なリーダーに会う機会に恵まれた際には「リーダーとして責任を果たすために心掛けていることは何ですか?」と、いつも同じ質問を投げ掛けることにしています。この質問に、ジョン・ウッド氏(途上国の子どもたちに本の寄贈などを行う非営利団体ルーム・トゥ・リードの創始者)は「新しくジョインしたリーダーには、自分が世界のどこにいても会いに行く。そのときの主語は常に“We”だ」と答え、ムハマド・ユヌス氏(グラミン銀行総裁、ノーベル平和賞受賞者)は「リーダーにとって大切な行動は、皆がハッピーになれるビジョンを創ることだ」と答えてくださいました。どちらも、リーダーとしての在り方を深く考えるきっかけになった言葉として挙げておきたいと思います。

秋元博英氏

―仕事で成果を出していくうえで、ビジネスパーソンに求められる要素は何だとお考えですか。

すべてのビジネスパーソンに共通していえるのは、「言われたことや求められること以上にアウトプットする」という意識を持つことだと思います。私自身、「もらっているお金を上回るくらいのアウトプットを出そう」ということを常に考え続けてきました。よい会社、よい組織、よいチームとは、ミッション、ビジョン、価値観を共有したうえで一人ひとりが高みを目指すことによって生まれます。指示されてやる仕事は“最低ライン”だと考えたほうがいいでしょう。

それから、自分自身をレベルアップさせるには、一つ上の階層の人と仕事していてもダメだと思います。例えば、いつも課長と仕事をしているなら、一つ飛び越えて部長と話をしてみる。そうやって二つくらい上の階層の人と仕事をすると、視点の違いに目からうろこが落ちることがあるんです。実際、私のところに編集長と企画担当者が企画のプレゼンテーションに来たときは、その担当者と直接対話することを心掛けています。

社内である程度の実績を積んだら、社外にネットワークを作っていくことも考えたほうがいいかもしれません。会社に閉じこもっていると視野が狭くなってしまう危険性がありますし、ポジションが上がると自分にダメ出ししてくれる人が減ってきてしまうものです。会社の外で人に学ぶ機会を持つことによって、“勘違い”を防ぐことができるのではないかと思います。

もちろん、常に成果を出し続けるのは容易なことではありません。仕事をしていればだれしも失敗することがあるはずですし、不安やストレスを感じることも少なくないでしょう。行き詰まったときに大切なのは、「考え込まず、とりあえず動く」こと。いくら考えたところで、行動しなければ不安が解消されることはありません。思い切って動くことによって、いろいろなことが見えてくる、と信じています。(完)

秋元博英氏

profile 秋元博英
株式会社ベネッセコーポレーション コンプライアンス本部 環境活動推進室長/コンプライアンス本部長室長
株式会社ベネッセホールディングス J-SOXプロジェクトマネージャー
1967年生まれ。東京理科大学理学部化学科在学中、福武書店(現ベネッセコーポレーション)にアルバイトとして入社し、コールセンター業務を経験。卒業後に正社員となり、中学生向けの通信教育部門「進研ゼミ中学講座企画編集セクション」に配属される。セールスプロモーション部門、新規開発部門を経て2002年より小学生向け通信教育部門で編集長を務める。2005年に同部門「小学講座事業部中学年ユニット」ユニットマネージャー、2006年に同部門「小学講座事業部商品開発部」部長。2008年、編集業務をサポートする事業基盤室の室長に配属される。2009年に「商品安全審査センター」部門センター長となり、グループ全体のJ-SOXプロジェクトも兼任。2010年より現職。

profile 佐藤文男(佐藤人材・サーチ株式会社 代表取締役)
一橋大学法学部を卒業後、総合商社、外資系証券会社、メーカーといった異業種においてキャリアを積み1997年に人材サーチ(ヘッドハンティング)ビジネスへ。2003年に佐藤人材・サーチを設立。
著書は共著1冊を含め転職に関する本を12冊出版。 主な著書に『40歳からの転職術」(日経BP社)、『ヘッドハンティング・バイブル』『転職後、いい仕事ができる人の条件』(共に経済界刊)。今年3月に『転職のバイブル2012年版』を経済界より出版。
佐藤人材・サーチ ホームページ: http://www.sato-jinzai.com/


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