会社の制度をトコトン活用する 賢いマネープラン術 【深田晶恵】 [2011.01.21]

ビジネスパーソンの生活設計―大切なのは「減らさず、貯めて、殖やす」の3ステップ


会社の制度をトコトン活用する 賢いマネープラン術(1)
深田晶恵 ふかたあきえ
ファイナンシャルプランナー、(株)生活設計塾クルー取締役

自分の会社の福利厚生制度について知らないビジネスパーソンは結構います。しかし、そうした会社の制度はビジネスパーソンの生活設計に役立つものが少なくありません。給料・ボーナスが上がらない時代にあって、福利厚生制度の戦略的な活用が不可欠となっています。来週から連載がスタートするのを機に、まずはマネープランの基本を押さえておきましょう。

●あなたとお金の関係-3つの力が必要です!

お金に対して苦手意識を持っている人が増えています。お金といい関係を築くためには、「減らさない力」「貯める力」「殖やす力」の3つの力を身につけることが大切です。

「減らさない力」とは、社会保障や福利厚生など制度を知る力のこと。例えば、生命保険に加入する際、セールスの人に勧められるままに入るのと、公的な遺族年金や、勤務先からの死亡退職金、弔慰金制度を考慮して保障額を決めるのとでは、払う保険料に大きな差が出てきます。

保障設計プラミッド

以前、私がライフプランセミナーの講師を務めた会社では、18歳以下の子どもがいると、遺児育英資金として1人につき月2万円支給する制度を設けていました。手厚いサポートなのですが、残念ながらほとんどの社員の方がその日はじめて知ったようです。

保険料は長期にわたる固定支出となります。福利厚生制度を活用し、ムダな保険料を見直せば、お金を減らさずに済むのです。

●医療費の自己負担が月2万円の会社も!

健康保険の仕組みも知っておきたいことの一つです。病気でお金がかかったときに備え、民間医療保険に入る人は多いのですが、その前に公的な保障や福利厚生を調べてみましょう。

健康保険には「高額療養費制度」があり、一般的な所得の人なら窓口での自己負担が月8万100円を超えると超過分の払い戻しが受けられます(1カ月の限度額=8万100円+〔(総医療費-26万7000円)×1%〕)。この制度により医療費が100万円かかったとしても、最終的な負担は9万円程度で済むのです。

さらに健康保険組合の多くは上乗せ給付を行っており、1カ月の上限は2~4万円というケースが少なくありません。自分の限度額を知ったうえで、足りない部分に民間医療保険を付けるのが合理的な医療保障設計の立て方です。

まずは自分の身の回りを見直そう

●お金を貯めるには積み立てが一番

「貯める力」を付けるには、まず1年間の「家計決算書」を作ります。これからは企業会計と同じように、家計運営をしていくことが大事です。

決算を基に予算を組み、毎月いくら貯められるのか検討します。無理なく貯められる金額が決まったら、積み立ての手続きを取りましょう。私はファイナンシャルプランナーとして多くの人のお金の相談を受けてきましたが、「残ったら貯金」でお金を貯められる人はごくわずかです。“積み立ては貯蓄の王道”と覚えておきましょう。

積み立てをするなら財形貯蓄制度や社内預金など給与天引きできるものがお勧めです。利子補給を行う会社もあるので、自社の制度を調べてみてください。

マネープランをチェック

最後の「殖やす力」は、資産運用力です。投資で失敗しないためのコツは、少し勉強をしたうえで少額から始めて経験を積むことが鉄則です。勤務先が確定拠出年金制度を導入しているなら、いい機会ととらえて前向きに取り組んでみてはどうでしょうか。

この3つの力のうち、一番大切なのは「減らさない力」です。制度や福利厚生制度を活用して保険を見直しすると、お金に対して自信が付き、「貯める力」にもつながります。ぜひ取り組んでみてください。

深田晶恵(ふかたあきえ)Profile
ファイナンシャルプランナー、(株)生活設計塾クルー取締役
CFP認定者 1級FP技能士
1967年北海道生まれ。外資系電機メーカー、日本フィリップス(株)で8年間勤務後、1996年にファイナンシャルプランナーに転身。FP資格取得後、 実務経験を積んだ後、1998年にFPとして独り立ちする。その後、同じオフィスの仲間と特定の金融商品や保険商品の販売を行わない独立系FP会社「生活 設計塾クルー」を設立し、個人向けに住宅ローンや保障設計などマネープランのコンサルティングを行う。一般個人向けのマネーセミナーのほか、企業の従業員 や自治体職員向けのライフプランセミナー講師としても活躍。メディアを通じたマネー情報の発信にも注力しており、『住宅ローンはこうして借りなさい改訂3 版』(ダイヤモンド社)、『幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)など多数の著書があるほか、日本経済新聞夕刊、『日経ビジネス Associe』『日経WOMAN』などの連載も持つ。
ブログ「お金のおけいこ。」 http://www.akie-fukata.com/
Twitter  http://twitter.com/akiefukata

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