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人事評価(人事考課)の基礎知識 [2012.03.01]

人事評価要素


 成果評価要素群、能力評価要素群、情意(態度)評価要素群などといったそれぞれの人事評価要素群の中に、いくつかの評価項目を設け、その項目で評価を行いますが、それを「人事評価要素」といいます。図表17に評価要素の例を列挙しましたが、それらの項目によって具体的に評価をしていくことになります。

(1)人事評価要素オリジナルの原則

 「成果評価―業績評価要素群」では、受注高目標達成度や売上高目標達成度、営業利益目標達成度といった項目が評価要素と言われるものに当たります。一方、「情意(態度)評価要素群」には、規律性、責任性、積極性、協調性、自己啓発といった最も伝統的に使われた人事評価要素があります。これらの要素は、企業としての経営計画の実践という視点から、さまざまに設計されます。
 この規律性、責任性、積極性、協調性、自己啓発といったものは、多くの企業で採用された定番のような評価要素ですが、あまりにも同じ評価要素を使い過ぎると、企業としての個性がなくなります。個性がなくなるということは差別化要因がなくなることですから、企業競争力にとってあまり好ましいものではありません。
 したがって、人事評価要素については、自らの競争上の強みをどこに形成していくかという視点から、個別の企業ごとにさまざまな形で設定していくほうがよいのです。他の企業のまねをしていれば無難だという発想はできるだけ持たないこと、つまり「人事評価要素オリジナルの原則」を覚えておいてください。
 企業が市場に出している製品を例にとって説明すると、納得する人が多く出てきます。製品は、競合企業との競争優位戦略に基づいて差別化要素を必ず組み入れています。差別化要素は、製品の機能面であったり、コスト面であったり、デザイン面であったりいろいろあると思いますが、差別化要素を作り上げるための技術、スキル、チャネルはオリジナルなものでなければなりませんし、競合企業には、簡単には盗まれないように秘匿するのが鉄則です。その一方で、差別化要素を作り上げる以外の部分については、できるだけ他社とも規格を合わせて、可能な限り低コストで、調達、製作ができるようにするはずです。
 このことは、人材マネジメントにおいても全く同じことが言えます。人材が競争力の源泉であるという言い方がよくされますが、本当にそう考えるのであれば、人的能力の差別化要素づくりをしっかり意識した、オリジナルな人材マネジメント施策を講じる必要があります。もちろん、人事評価要素の組み立ても、その中に入ります。ただ、人材が競争力の源泉だと言っても、全員がそういう位置付けにならないケースもあるでしょう。そうである部分については、他社とも規格を合わせ(すなわち、他社と同じ人事評価要素や給与水準)ていけばよいのです。そういう視点から、この「人事評価要素オリジナルの原則」を考えてください。

(2)「ハロー効果」を防止するための原則

 人事評価要素を考えるうえで、もう一つ大切な原則があります。いわゆる人事評価の「ハロー効果」(何か一つでもよいことがあると何もかもよく見えてしまったり、逆に何か一つでも悪いことがあると何もかも悪く見えてしまったりするという、人事評価の最も代表的な誤りの一つ)を防止するための原則で、「人事評価要素群の中では、一つの評価事実
は二つの評価要素で評価をしてはならない」というものです。
 このハロー効果の防止については、情意(態度)評価に絡めて説明がなされるのが普通です。例えば、自分の不注意が原因でお客様からのクレームを発生させたとします。注意力不足から生まれた失敗ですから、通常は責任性の評価要素で評価(悪い評価)をすることになります。しかし、「そもそも仕事に対して攻めの姿勢がないから、こういうクレームを起こすのだ。だから、積極性もない。仕事の報・連・相をしていれば、だれかが気付いていたはずであり、協調性もない。また、もう少し勉強していたら、そういうミスに気付く知識が持てたはずであり、これでは自己啓発についてもよい評価は付けられない。そういえば、クレームが発生した日の遅刻も影響があったはずだから、規律性についても悪い評価を付けなければならないぞ…」といった言い方も、できるかもしれません。
 これが、典型的なハロー効果です。人間には、ついこういう気持ちになってしまうことがあるので、それを避けるために、一つの評価要素群では一つの評価要素だけで評価をしなさいという原則があるのです。

この解説は『人事評価の教科書』より抜粋しました。高原 暢恭:著 A5 288頁 2,100円
(URL:http://www.rosei.jp/products/detail.php?item_no=806



高原 暢恭(たかはら のぶやす)
株式会社日本能率協会コンサルティング
取締役 経営革新本部 本部長 シニア・コンサルタント
1955年生まれ。早稲田大学大学院(博士課程前期:労働法専修)修了。
HRM分野を専門とするコンサルタント。HRM分野にあっても、現地現物を自分の目で見て考えるという現場主義を貫くことを信条としている。
著作に、『人事評価の教科書』(労務行政)、『人事革新方法論序説』(JMAC)
『全社・部門別適正社員数決定マニュアル』(アーバンプロデュース)他。
また、「労政時報」にも賃金関係を中心に多数執筆。
http://www.jmac.co.jp/


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