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使える!統計講座 【深瀬勝範】 [2011.02.10]

第12回 賃上げや賞与を調べる~妥結状況と過去の実績をみる~


使える!統計講座(12)
深瀬勝範 ふかせかつのり

「来年はどれくらい給料があがるか?」「次のボーナスはたくさん出るか?」このような期待を込めて、労使交渉の行方に関心を持っている人もいるでしょう。今や、これらの情報もネットから入手することができます。

1.賃上げ、賞与に関する統計データ

賃上げ、賞与(一時金)に関する統計データは、「現在、行われている労使交渉の要求・妥結の状況」と「過去の実績」とに分けられます。

賃上げや賞与に関する労使交渉の状況を調べるときには、日本経団連、連合、東京都産業労働局が情報公開するウェブサイトを見ます。これらのウェブサイトでは、労使交渉が行われている期間中、月1回程度、最新の要求・妥結状況に関する情報が更新されます。

一方、昨年の賃上げ率が何%であったか、あるいは、賞与がいくら支給されたかなどを調べるときには、前述した要求・妥結状況の最終結果か、中央労働委員会などが公表する賃上げや賞与の統計データを見ます。また、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の統計表の「年間賞与その他特別給与額」の項目を見れば、年齢階級や職種に応じた賞与支給額がわかります。(「第1回 給与水準を調べる①」参照)

2.統計データを使うときの注意点

賃上げや賞与の統計データは、単純平均と加重平均が表示されます(単純平均、加重平均については、「第9回 統計的手法を使う②」参照)。単純平均は集計企業1社当たりの平均値、加重平均は集計対象となった労働者1人当たりの平均値です。なお、単純平均は、従業員規模に関係なく「1社は1社」として集計されますので、加重平均と比べると中小企業の実績が反映されやすくなります。

また、賃上げの統計データは、交渉方式に応じて「平均賃金方式」と「個別賃金方式」とに区分されて表示されます。平均賃金方式は集計対象者の平均昇給額が示され、個別賃金方式は、「35歳・勤続17年」のように年齢・勤続年数などの条件を特定した労働者の昇給額が示されます。

統計で示されている賃上げ率や賞与支給月数と自社のデータを比較するときには、分母となる月例賃金の範囲(計算対象となっている手当)を確認してください。統計では、通勤手当を除く所定内給与が分母となっていますから、自社の賃上げ率や賞与支給月数を計算する際も、通勤手当を除く所定内給与を分母とすることに気をつけましょう。

3.賃上げのデータの見方

賃上げの統計データの中には、「ベースアップ」と「定期昇給」とに区分けして表示されているものがあります。

ベースアップとは賃金水準全体の引き上げを、定期昇給とは1歳年をとったことにより行われる昇給を意味します。つまり、ベースアップは「昨年度35歳の人と今年度35歳の人との賃金差」を、定期昇給は「同年度における34歳の人と35歳の人との賃金差」を反映させた昇給です。基本的に、ベースアップは物価上昇や生活水準向上に対応させた賃金増加、定期昇給は労働者の加齢に対応させた賃金増加として行われます。

賃金水準の上昇や人件費の増加を見るときにはベースアップのデータを、各労働者の賃金の増加を見るときには定期昇給も含めたデータを使います。

4.年収の試算方法

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」には月例賃金と年間賞与のデータが表示されていますから、そこから年齢階級や職種ごとに年収を試算することができます。自分の年収を世間水準と比較したいときには、この試算結果を使うとよいでしょう。

賞与は、会社の業績に応じて支給額が増減するものですから、データの集計対象となった時期が重要な意味を持っています。「賃金構造基本統計調査」では、「所定内給与額」や「きまって支給する現金給与額」は調査年の6月のデータ、「年間賞与その他特別給与額」は調査年の前年1年間に支払われた額です。これらを年収として試算に使うときには、月例賃金と年間賞与のデータには時期的なズレがあることに注意してください。


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