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職場のメンタル危険サイン 【鈴木安名】 [2011.02.25]

人事担当者のメンタルヘルス(その1)


職場のメンタル危険サイン(15)
鈴木安名(産業医)

今回は、人事担当者自身のメンタルヘルスについて解説します。特にメンタルヘルス不調者の対応をしていると、何ともいえない疲労がたまりやすく、「いつの間にか自分も!」ということもしばしば。

ケース10 「明るくて勉強家タイプの人事担当者」

山下梨緒さん(27歳 女性)は、大手製造業の拠点事業所(社員1050名)の人事部で働いています。
勉強家で衛生管理者の資格はもとより、昨年はメンタルヘルス・マネジメント検定試験のラインケアコースにも合格しました。人事部長の方針で、メンタルヘルス対策を強化することになり、常勤の産業医に加えて、この春から会社にとって念願の精神科系の産業医(32歳、男性)も着任しました。当然、事務業務も増えるから、山下さんがメンタルヘルスの担当者に。

彼女は明るく気配りのきくタイプでしたから、職場復帰のプログラム作成などで、産業医の助手を務め、面談にも毎週のように参加するようになりました。産業医は熱心で、山下さんにいろいろ優しく教えてくれます。

社員からの評判も上々で、彼女は密かに『キャリアアップできそう!』と充実感もひとしおでした。

ところが、10月過ぎから、ぐったり疲れるようになりました。退社は19時前なのに、体が重く、妙にイライラする。同僚から「病気がうつったんじゃないの」と冷やかされる。

3年ほど付き合っている彼氏から「かなり疲れてるね?」と心配され、悪いとは思っていましたが、つい仕事の話をして、一緒の時は愚痴ばかりになり、彼との関係も微妙になってしまいました。

いまさら部長に弱音を吐くわけにもいかず、フト気づけば夜、なかなか寝つけなくなってしまいました。

1.感情をコントロールする仕事、「感情労働」

メンタルヘルスに関係なくても、人事は社内外の人間を相手にする仕事。パソコンに座って企画書を作るという仕事ばかりではありませんね。権限があるように見えて、「これが人事の仕事かよ!」と愚痴をこぼしたくなるほど仕事が押し寄せてくる。

ささいな仕事でも、現場の管理職や時にはOBにお伺いを立てて、根回しをしても、あれこれ陰口を言われる。

朝には想定していなかった仕事も飛び込んでくる。クレーム対応から社員の福利厚生関係の書類処理……あれこれ、あれこれ。

つまり気を遣う対人業務がほとんどです。露骨にいえば社内サービス業で、いつも自分の感情を抑えなければならない

例えば、パワハラ対応です。

『また、この課長のトラブルか、こいつのパワハラのために、ベテランの契約社員が何人、辞めたか判るか! バカヤロー』と怒鳴りたい気分を抑えて話を聴かなければならないし、相手の態度が変わるように、上手に説得する必要があります。

こういう、自分の感情やホンネを抑えて、相手の感情を損なわずに物事を処理する仕事を感情労働といいます。メンタルヘルス、パワハラ、セクハラ、ローン問題などの面談は、まさに「感情労働」といえます。

クレーム対応の後は、だれもがぐったり疲れ果てる。こういった特有な疲労を感情疲労と呼び、慢性になると山下さんのように不眠症になり、時には“うつ状態”にもなりかねません。

山下さんのように明るく気のきく人は、メンタルヘルス対応にうってつけのように見えますが、初心者では、感情疲労が起こっていることに気付かず、下記の図のようなわなにはまる恐れがあります。

図 「良い人」の悪循環

感情疲労の多い業務には、品質保証やサポートセンター、技術営業などクレーム対応などがあります。業種としては意外なことに消防、警察、病院(特にナース)もそうです。

(次回「人事の自覚が平常心を保つ」につづく)


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