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職場のメンタル危険サイン 【鈴木安名】 [2010.09.28]

パワハラ防衛法(その2)「オシメサル」法で水際防止 ~鈴木安名医師の 職場のメンタル危険サイン(6)


パワハラにあった時は、初回の対応がポイントです。ここでは、上司などからパワハラ的なコトバを受けた時の、具体的な対応法を「オシメサル法」(語呂合わせ)として述べます。

CASE6 :パワハラ上司への自己防衛策

「山田、ちょっと来い!」
昼休み直後、営業2課の山田さん(29歳、男性)大谷課長から呼ばれました。
「……山田! オマエは全然、なってないじゃないか! ……」
同僚である桐谷さん(31歳、男性)は『今年は彼が犠牲者か……』とため息をつく思いでした。今の課長は2年前の春の人事で異動してきた人でしたが、パワハラ的な言動のため、一昨年に1名が「うつ」で退職、昨年も休職者が1名出たほどです。

前の課長も厳しい人でしたが、部下をキチンと指導できる能力のある人でした。そのお陰で現在も課の業績は良いほうです。だから、今の課長は、あとを引き継いであぐらをかいているに過ぎないのですが、上にはゴマをすっているらしく、何のチェックも入りません。

社内にはハラスメント対策窓口はありますが、形だけです。桐谷さんは、こんな雰囲気の悪い会社は辞めたいと思っていますが、この不景気、我慢するほかありません。

課長 「……だいたいお前は、何年社会人やってんだァ! うちの課、いや会社のクズだ!」

ところが、今回は違いました。

山田 「課長は私を、うちの課の、会社のクズだとおっしゃるんですね?

なんと、山田さんが反論しています!
いえ、反論ではなくて、課長の発言をメモしながら、相手の目を見て冷静に対応している。課の20名全員の耳はダンボ状態。

課長 「だいたい態度がなっていない!」

山田 「態度がなっていない、ということですね?」

課長 「な、なんだ、口ごたえする気か! 態度がなっていないんだ!」

山田私の態度がなっていない、ということについてもう少し詳しく教えていただけませんか?

課長 「態度が……態度が……だ……」

山田 「態度が?」

課長は絶句状態です。
それにしても山田さんは、この場をどうやって切り抜けるのか、桐谷さんは心配でした。
でも彼は「課長、ご指導、ありがとうございました! 今後ともよろしくお願いいたします!」と言って、平然と席に戻っていったのです。

解説

1.屈服せずに自己防衛

パワハラの定義は、パワハラという言葉の生みの親である(株)クオレ・シー・キューブ 代表取締役の岡田康子氏のものが優れています(※)。パワハラは、部下を傷つけ、言いなりにして上司の支配力を強めようとする意図の下になされます。パワハラに甘んじていると、最初は不当な言い掛かりと思っていても、次第に自分が悪い、と思うようになり何も言えなくなります。学校のイジメと本質は変わりません。
(※)職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を傷つける言動を行い、就労者の働く環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること

組織的な対策(相談窓口の設置など)は、いろいろな書籍やサイトに書かれていますが、前回書いたようにパワハラは人間の支配欲に根ざしたものなので、個人レベルでの防衛策も大切です。以下に、語呂合わせで防衛策の「オシメサル」法について述べます。

①「オ」 <オウム返しの術>~罵倒を跳ね返す

山田さんは反論をしたのではなく、「課長は私を、うちの課の、会社のクズだとおっしゃるんですね?」と相手の罵倒をそのまま言い返したに過ぎません
ところが、上司にとっては、この罵倒が、そのまま自分にはね返ってくるので、冷静にならざるをえ得ません。

②「シ」 <質問作戦>

ケースでは「私の態度がなっていない、ということについて、もう少し詳しく教えていただけませんか?」と質問しています。
罵倒した内容について質問されると、相手は、傷つけるために言ったコトバなので、言い訳する立場に追い込まれて行きます。

③「メ」 <メモする、目を見る>

パワハラは相手が屈服するほど、上司の支配欲が満たされる悪循環を形成し、エスカレートしていきます。
コトバ以外に、「屈服しないぞ」という態度や雰囲気が大事で、背筋を伸ばし、目を見て、はきはきと受け答えをすると付け入る隙を与えません。
また、発言内容をメモすると生真面目な印象とともに、相手に威圧感を与えるというメリットがあるだけでなく、いざという時にパワハラの証拠にもなります。

④「サル」 <手際よく去る>

上司が言葉に詰まったら、立ち去るチャンスです。
お辞儀をしながら元気よく「ご指導ありがとうございました!」などと言って、その場を終了させ、仕事を再開すること。
傷つけるために言った発言に、指導への感謝を述べれば、たいていの人は当惑して、行き詰まります。

以上、「いうは易く、行うは難し」ですが、パワハラ被害に遭わないために、壁に向かって何度も練習するほどの気概が必要です。


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