部下の仕事を“見える化”するマネジメント術【岡田充弘】 [2011.12.22]

デキる上司がやっている部下の心を読み取る技術-部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(6)


部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(6・完)


岡田充弘
おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役

これまでの連載でもお伝えしてきましたが、「仕事量」や「成果」「スケジュール」「ナレッジ」「スキル」など、チーム運営で“見える化”すべきものは多岐にわたります。

一方、これらの“見える化”がある程度は実現できてきているのにもかかわらず、なんとなくチーム運営がしっくりきていないと感じる場合には、実は最も大切な“見える化”が欠けている場合が少なくありません。その最も大切なものとはズバリ“部下の心”です。

実は最も“見える化”が求められるのは“部下の心”

世の中のあらゆる所業を論理や科学だけで説明することは不可能で、その半分は「心」によって動いていると言っても過言ではありません。誰もが一度は経験したことがあるとは思いますが、いろいろと試行錯誤の末に生まれたアイデアも、最後は誰かの心(内面的な広義の感情)によってひっくり返されたりするわけです。

であるにもかかわらず、優秀な上司に限って見落としがちなのもまた心であったりします。心は通常、「理解」や「共感」「やる気」といったパッと見わかりにくい形で表されます。そして、それらは通常、個人から他人へと伝染します。こういった心の集積がいわゆる“職場の雰囲気”といわれているものになります。

ただ、心がいったんネガティブな方向に動けば、やがて何らかのトラブルに発展する可能性があるため、上司は常日ごろそれらの動向に気を配っていなければなりません。その逆に、心はあらゆる経営資源の中でも最もリスクがある一方で、最も成長の原動力にもなり得ます。したがって、心の“見える化”はマネジメントにおいて必須の要素といえます。

部下は簡単にはその本心を表してくれない

実際には上司が心を開けば部下もすんなり心を開いてくれるかというと、そうではありません。むしろその逆と考えたほうがいいでしょう。宴席などインフォーマルな場では多少そのガードが和らぐとしても、デスクや会議室などフォーマルな場では、 部下はなかなかその心の扉を開いてくれません。それがメールでのやり取りだとさらに本心を読み取るのが難しくなります。また、部下からの聞き心地の良い言葉や愛想の良い笑顔も、多少の演出である場合も少なくないでしょう。

というのも、上司はたいていの場合、評価者であり、指導者であることから、部下は「本心を悟られたくない」「できるだけよく見られたい」といった警戒・防衛の気持ちが働いてしまうからです。自分が部下であった頃を思い出してみると、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?

通常、部下の本心は「表情」「言葉」「行動」といったところで何らかの兆候が表れるものです。上司は、部下が意識・無意識のうちに表しているこれらの兆候から、部下の本心を敏感に読み取る技術を身につけたいものです。

管理職必見!部下の本心を読み取る技術

読み取れる本心にはもちろんポジティブな内容のものも多いのですが、ここでは危機管理のために、あえてネガティブな兆候を読み取る技術を紹介します。

(1)表情
例えば「表情」から読み取れるものとして、
無反応さやその逆に真剣すぎるまなざしが見られる場合には、「理解度」が低い可能性があります。その場合は、別の角度から説明し直したり、簡単な質問をしてみると、より正確に読み取ることができます。

また、話している途中でそわそわしたり、目線を合わせてもらえない場合などには、「共感度」が低いと感じているのかもしれません。その場合は「○○って、□□ですよね」といった誰もが共感するような問いかけをすることによって、より核心に迫ることができます。

うつろな目をしている場合には、「やる気度」が低い、あるいは何らか悩みを抱えている可能性があります。「なんとなく元気がなさそうだけど大丈夫?」といった誘い水を出してみると、「実は…」といった形で相談話を切り出されるかもしれません。

(2)言葉
「表情」以外に「言葉」から読み取れるものとして、
上司の説明をそのまま復唱したり、短く単調な相づちが返ってくる場合には、「理解度」が低い可能性があります。

また、上司の話に対してかぶせ気味に「いやいや、そうではなくて」といった否定的な言葉がすぐさま出てくる場合は明らかに「共感度」が低いと思われます。

自分の仕事にもかかわらず、まるでひとごとのように「あぁ、そうなんですね」といったせりふが口をつく場合には「やる気度」は低いと考えていいでしょう。

(3)行動
「行動」から読み取れるものは、「表情」や「言葉」で表されるものよりも、さらにわかりやすいため、後の一覧に掲載することにします。

全6回の連載を通じて、部下の「仕事量」「成果」「スケジュール」「ナレッジ」「スキル」「心」の“見える化”について紹介してきましたが、これらが習慣として根付くことによって、チームワークが発揮しやすい環境が整い、本来個々人が持っている潜在的な力が十二分に発揮できるようになっていくことでしょう。あなたのチームが輝くことを祈って。

Profile
岡田充弘 おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役
日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングを経て、カナリアの前身である甲南エレクトロニクスにマネージングディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を断行し、創業以来最高の業績を達成。その後も2ケタ営業利益率を連続達成し、製造業屈指の高収益企業へと導く。
カナリアへの商号変更と同時に代表取締役に就任し、リモート撮影装置のトップメーカーとして世界進出を目指す。
その他、企業再生の経験をもとに、インターネットを活用した中小企業への経営指導や、チーム・個人の知的生産性の向上をテーマとした講演・執筆活動を精力的に行っている。
■Web:http://www.canaria-net.co.jp/
■Blog:http://ameblo.jp/konanele/
■Twitter:http://twitter.com/Mitsuhiro_Okada
■Mail:okada@canaria-net.co.jp

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