部下の仕事を“見える化”するマネジメント術【岡田充弘】 [2011.11.24]

ナレッジは宝!湧き出るナレッジを漏らさず共有する-部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(4)


部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(4)

岡田充弘 おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役

「いま担当者がいないので、その件についてはあいにくお答えしかねます」
「なんだ、そんないいアイデアがあるなら、何で先に言ってくれなかったのよ」
こういったシーンをたびたびオフィスで見かけることがあります。

これは、メンバーのナレッジ(知識)がチームで共有されていないがために生まれてきている現象です。またそんな時、誰もまさか自分がその現象を生み出している張本人であることには気付いていないものです。

大切な情報に限って無意識のうちに共有されていない

このように今日多くの職場では、本人の自覚症状がないまま情報共有の機会が見逃されています。企業のIT化が進んだとはいえ、むしろきちんと共有されている情報はごくわずかで、ほとんどの情報が個人に閉じてしまっているか、共有されないまま闇に消えてしまっているのです。しかも、共有されない情報に限って重要だったりするので困ったものです。

もしかしたら「これくらい言わなくても相手に伝わっているはず」といった日本人ならではのメンタリティーのせいかもしれません。

しかし実際には、恋人同士や親しい間柄でさえ「はっきり言ってよ」「言わなきゃ分からないよ」といった言葉が飛び交うくらいですので、人の気持ちや考えは他人には簡単には分からないものなのです。

その結果、ほとんどの人が、既に誰かが悩んだり、考えたりしたことに何度も直面し、同じ問題を解こうとしています。考えなくてもいいこと、既に答えがあることに、多くの時間や才能を使っているのです。極端な話、共有されていないだけで、この世にまだ見ぬ新しい問題など存在しないのかもしれません。

議論や判断に必要な知識格差をなくすのが情報共有の目的

そもそも情報はなぜ共有しないといけないのでしょうか。

例えば、Aさん「○△□だと思います」、Bさん「いやそうじゃなくて」といった議論がかみ合わない状況の場合には、前提となるナレッジ(知識)や経験の種類に差があることが少なくありません。

また、上司が個人的な思い込みによって客観性に欠ける判断を下してしまう場合にも、前提となるナレッジが不足していることが多いのです。

このような状況では、当然、結果もついてこないでしょう。
意義のある議論や正しい意思決定を行うには、前提となるナレッジが整っている必要があります。つまり情報共有とは、関係者間で必要なナレッジの格差をなくすことが目的なのです。

一方、多くの職場では、自分が情報を受け取る立場であればそう願うのですが、いざ自分が情報共有しないといけない立場になった場合には、ITインフラが未整備であったり、リテラシーの不足もあって、ただ「面倒くさいこと」として捉えられがちです。職場で情報共有が進まない理由として、意外とこういった部分がネックだったりするのです。

共有すべき情報の中身によってその手段やツールは変わる

具体的にどのように情報共有を進めていけばいいのでしょうか?

実際には、共有するための手段やツールはその情報の中身によって変わってきます。

例えば、インターネットニュースのような流動性の高い“フロー情報”なら、URL情報をメールで簡単に共有すればいいでしょう。その際、ブラウザ上から直接メーラーを起動してURL情報を送信できる機能を使うと大変便利です。

一方、製品設計図や顧客リストのような資産性の高い“ストック情報”であれば、ナレッジとしてデータベースやサーバーに共有・保存することになります。

ちなみに、ファイルサーバーを使って情報管理する方法は、費用がかからず手軽である反面、「顧客」と「サービス」といった複数軸での整理が難しく、どちらか一方の軸に決めてもう片方のショートカットファイルを置くなど運用上のルール決めが必要です(後掲:ファイルサーバーを使って情報共有するための留意点参照)。

会社でグループウェアなどを使っている場合には、導入時に手間とコストがかかるものの、複数軸で管理・参照できるため、これらの心配はなくなります。また、最近ではクラウド上で情報を共有・保存するケースも徐々に増えてきています。

ナレッジはチームの宝、漏らさず可視化する仕組みが必要なのです。

【参考】
ファイルサーバーを使って情報共有するための留意点

いまやグループウェアを使った情報共有は珍しくはありませんが、実際にはいまだ多くの企業でファイルサーバーを使った情報管理が行われているのもまた事実。
ただし、この手法は社内情報がカオス化する危険性も潜んでいるため、フォルダやファイルの管理について、以下の点に留意しながら取り組まれるといいでしょう。


■フォルダリングの留意点 (下図参照)
①分類の視点・レベル感(具体度)が同じ
②互いに漏れやダブリがない(MECE)
③並び順に意味がある(時系列、重要度など)


■ファイリングの留意点
(下図参照)
フォルダ内に格納するファイルの名称は、下記のように統一したルールを共有化しておく。
(カテゴリ)_(製品・案件名)_(顧客名)_(暦年) _(バージョンNo)

Profile
岡田充弘 おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役
日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングを経て、カナリアの前身である甲南エレクトロニクスにマネージングディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を断行し、創業以来最高の業績を達成。その後も2ケタ営業利益率を連続達成し、製造業屈指の高収益企業へと導く。
カナリアへの商号変更と同時に代表取締役に就任し、リモート撮影装置のトップメーカーとして世界進出を目指す。
その他、企業再生の経験をもとに、インターネットを活用した中小企業への経営指導や、チーム・個人の知的生産性の向上をテーマとした講演・執筆活動を精力的に行っている。
■Web:http://www.canaria-net.co.jp/
■Blog:http://ameblo.jp/konanele/
■Twitter:http://twitter.com/Mitsuhiro_Okada
■Mail:okada@canaria-net.co.jp

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