部下の仕事を“見える化”するマネジメント術【岡田充弘】 [2011.11.10]

スケジュール共有で、ココ一番のチャンスを逃さない-部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(3)


部下の仕事を“見える化”するマネジメント術(3)

岡田充弘 おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役

「もし御社にお願いすれば、来月からこの仕事に取り掛かかれそうですか?」
顧客との打ち合わせの中でポッと出てきたビッグチャンス!
しかし、こんな時に限って頼りにしている部下のスケジュールが分からない。
苦し紛れに「社に戻って確認してから、また来週にでもご連絡を差し上げます」と回答するも、せっかちな顧客はなんだか急に冷めてしまった感じ。
このように世の多くの上司は自分でも気付かないうちに、みすみす大きなチャンスを逃してしまっている可能性があるのです。

部下のスケジュールへの無関心さが、やがて大きな損失に

上司が部下について把握すべきことは、性格やスキルなど多岐にわたります。特に先ほどのケースのように、仕事の中で上司は部下のスケジュール情報を必要とするシーンが度々訪れます。例えば、プロジェクトメンバーのアサインメント、顧客への同行訪問の日程調整、重要事項を決める会議の段取りなど、いずれも部下のスケジュール情報がなくては話が前に進みません。

しかし実際には、上司は部下のスケジュールを大体はつかんでいるものの、知りたい時に的確につかめる状況にはなっていない場合が少なくないようです。
原因として、おそらく物理的な制約はあるとは思うもの、上司の部下に対する無関心さも否めないことでしょう。「個人の自主性を尊重する」といえば聞こえはいいのですが、部下のスケジュールすら把握できていない状況では、上司として管理不行き届きであるばかりか、チームのリスク管理の面においても問題があります。例えば、部下が事故に遭遇したり、不正に手を染めたり、競合企業に転職したり、といったことも、普段から部下の動向を察していなければ、その発見と対処は手遅れになってしまう可能性があります。

スケジュール共有の目的は “成功するタイミング”の把握

では、上司は部下の全てのスケジュールを把握していなければならないのでしょうか?

答えはノーです。なぜなら、全てのスケジュールを知っていても、必要な時に必要な情報でなければ意味がないからです。つまり、スケジュールを知る目的は“成功のためのタイミング”を知ることであり、不必要に部下を管理するためではありません。適切なタイミングで部下を使うのとそうでないのとでは成功確率は何倍も変わってきます。“成功の門”が開いている時間はそう長くありません。上司は、そのわずかな間に部下の手をとってその門をくぐらなければならないのです。

例えば、他社の辞退によって思いもよらない企画提案のチャンスが舞い込んできたとします。提出期限は来週で、あなた一人の力ではどうしようもありません。

そんな時、必要なスキルを持った部下のスケジュールが瞬時に分かれば、その場で連絡をとって速やかに仕事の段取りをお願いすることができます。

仕事は今後ますます複雑化し、完了までに多く人が関わるようになってくることでしょう。部下とのスケジュール情報の共有が、これまで以上に重要になってくることは間違いありません。

ITを駆使して、いつでもどこでもスケジュールを把握する

では、あなたが部下のスケジュールをタイムリーに把握するには、一体どのような方法が有効でしょうか。

結論から言うと、部下が自分のためにスケジュールを管理するのであれば、紙のスケジュール帳を用いてもいいのですが、チームでスケジュール情報を共有するには向いていません。

また、ホワイトボードも外出している時はタイムリーに情報を把握することができません。つまりスケジュール共有に“アナログ方式”ではどうしても限界があり、PC上でいつ でもどこでも共有できる“デジタル方式”のほうがスケジュール共有の面ではいろいろと都合がいいのです。

デジタルツールでスケジュール管理ができる代表的なものには、Googleカレンダー、Outlookカレンダー、iCalなどがあります。中でもGoogleカレンダーはクラウド型のサービスなので、アプリケーションのインストールの必要がなく、無料で手軽に利用することができます。

ここではGoogleカレンダーの機能について詳細な説明は割愛しますが、ツールは通常、相手によって公開する情報を定義できるため、仕事だけでなく買い物や家族旅行などプライベートのスケジュール管理にも併用すれば、ツール操作に早く慣れることでしょう(著者がオススメするGoogleカレンダーを使いこなすための書籍、ソーテック社『Gmail+ドキュメント+カレンダー Perfect GuideBook』)。

これらをうまく活用すれば、上司・部下に限らずメンバー間でスケジュールをタイムリーに共有したり、PCやスマートフォン上でどこでも会議や同行訪問のアポを入れることが可能になります。同時に「すぐやる」、「すぐ確認する」といった習慣付けがしやすくなるので、目の前に訪れたチャンスをみすみす逃してしまうといったことが少なくなるはずです。

実際の運用では、仕事とプライベートでの共通利用を認め、登録を義務付けるなど、形骸化させないための業務上のルール作りが大切になってきます。また、基本料金や通話料金の一部を会社で負担するなどコスト面の課題もあるでしょう。

ただこれらの課題を乗り越えてでも、スケジュールを共有することは、やはり計り知れないメリットがあるのです。

Profile
岡田充弘 おかだみつひろ
カナリア株式会社 代表取締役
日本電信電話、プライスウォーターハウスクーパースコンサルタント、マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングを経て、カナリアの前身である甲南エレクトロニクスにマネージングディレクターとして参画。事業再編、ブランド構築、プロセス改革、ワークスタイル改革、オフィス改革など、短期間に多くの改革を断行し、創業以来最高の業績を達成。その後も2ケタ営業利益率を連続達成し、製造業屈指の高収益企業へと導く。
カナリアへの商号変更と同時に代表取締役に就任し、リモート撮影装置のトップメーカーとして世界進出を目指す。
その他、企業再生の経験をもとに、インターネットを活用した中小企業への経営指導や、チーム・個人の知的生産性の向上をテーマとした講演・執筆活動を精力的に行っている。
■Web:http://www.canaria-net.co.jp/
■Blog:http://ameblo.jp/konanele/
■Twitter:http://twitter.com/Mitsuhiro_Okada
■Mail:okada@canaria-net.co.jp

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