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採用支援業界の現状と活用のポイント [2012.03.01]

採用支援業界のサービス内容


 採用支援業界のサービスは、例えば求人広告の代理店のように広告を販売するわけでもなく、人材紹介会社や人材派遣会社のように人材そのものを提供するサービスでもない。採用支援サービスとは、一言でいえば「採用業務におけるノウハウ、および工数を提供するサービス」であり、広告や人材のような有形のサービスではないものが多い。
 採用支援業界のサービスは、採用支援会社によってさまざまなものが挙げられるが、募集対象人材と業務内容の二つの観点からみると、[図表1]のように大別できるだろう。
 これらのサービスのうち、最近の傾向を踏まえ、代表的なサービスを以下に紹介していく。

図表1 募集対象人材と業務内容

①新卒採用アウトソーシング
 前述のとおり、現在の新卒採用活動はインターネットを介して行われるのが一般的であり、それに伴う採用業務工数の増加および煩雑化といった問題が発生している。これに対応するのが、新卒採用アウトソーシングサービスである。
 具体的には、インターネット求人サイトの運用管理から応募者とのコミュニケーション(説明会の告知や面接への呼び込み、合否結果の連絡など)、応募者データの管理といった業務の一部、もしくは全部を採用支援会社に外部委託するのである。また採用の早期化に伴い、インターンシップ業務や内定フォロー業務にまでその対応範囲を広げてきている。
 初めて新卒採用を行う企業や、数年ぶりに新卒採用を再開させた企業など、新卒採用に関するノウハウが不足しているようなケースでは、求める人材像の設計、母集団形成の企画(媒体選定などのメディアミックス)、説明会の企画などのコンサルティングサービスを利用することが多かったが、最近では自社で新卒採用活動を例年行いながらもなかなか思うような結果が出せない企業や、現状の採用活動そのものには満足しているものの、より質の高い採用を目指す企業がコンサルティングサービスを利用するケースが増えている。

②中途採用アウトソーシング
 中途採用アウトソーシングサービスとは、新卒採用アウトソーシングと同じく企業の中途採用計画に基づき、企画の立案や業務運営全般に対応するサービスである。ただし、新卒採用とは違い、採用スペックや難易度に応じて母集団形成の企画バリエーションが異なってくる。
 例えば、技術職や専門職のように、求人広告ではマッチした人材を集めるのが難しいような場合には、人材紹介会社に候補者の斡旋を依頼するケースが多いだろう。ただし、採用人数が1名や2名といった場合を除けば、複数の人材紹介会社に依頼をすることになり、思った以上に人材紹介会社とのやりとりに手間が掛かってしまうものである。これに対応するのが、「人材紹介会社(エージェント)コントロールサービス」である。
 具体的には、新規の人材紹介会社開拓や人材紹介会社向け説明会の企画運営、求人情報の告知や候補者の合否結果連絡など、求人企業と人材紹介会社の間に入り、日々の人材紹介会社とのやりとりを求人企業に代わって採用支援会社が行う。つまり求人企業は多くの人材紹介会社とのやりとりを行う必要がなく、採用支援会社1社とのやりとりで済むのである。

③アルバイト採用アウトソーシング
 飲食業や小売業など、全国に多店舗展開をしている企業において、近年アルバイト採用活動の本社一元管理化が進んでいる。これは、各店舗にアルバイトの採用を任せることにより店長の負荷が増えることと、各店舗バラバラに採用活動を行うことの非効率性を解消するための動きといえる。
 しかしながら、実際のところ本社一元管理体制を作ることは容易ではなく、また各地域の雇用市場の把握も必要になってくるため、逆に本社の負荷が増えてしまうという現象が起きている。これを解消するために、全国対応のできる採用支援会社を活用してアルバイト採用を一括外注化するのが、アルバイト採用アウトソーシングサービスである。
 各地域の雇用市場の調査から、調査結果に基づいた母集団形成方法の提案、さらに応募窓口の一括代行や面接への呼び込み、合否結果の連絡、応募者データの管理など、アルバイト採用の場合は、面接を除くすべての業務を委託されるケースが多い。
 その背景には、極力アルバイトなどの非正規社員の採用にコストや工数をかけたくない企業側の事情もあるのだろうが、ある特定の採用が困難な地域における採用活動の成功のためには、採用のプロのノウハウが必要になってくるからという理由もあるだろう。

④面接官トレーニング
 ここ数年の売り手市場の影響から、面接官への体系立った教育の必要性を感じている企業が増えており、面接官に関するトレーニングのニーズが非常に高まっている。その背景には、「企業が選ぶ面接」から「企業と応募者が選び、選ばれる面接」に変化している状況が考えられるだろう。以前のように「採用してやる」といった態度では、応募者にそっぽを向かれてしまい、せっかく苦労して集めた母集団も、面接次第で台無しになってしまう危険性がある。こうした事態を避けるためにも、会社の顔として、面接官には最低限のマナーと応募者を引き付けるトークが必要になってくる。
 また、ミスマッチによる早期退職を防ぐためにも、面接での応募者の見極め方が非常に重要になってきた。景気後退局面に入ったものの、バブル崩壊後の極端な採用抑制による悪影響を経験した各企業は新卒採用を中断せず、より優秀な学生の獲得を目指す傾向にある。そのため、従来のような学歴や成績重視型の素材採用であればそれほど難しくなかった面接スキルが、俄然注目を浴びるようになってきたのだ。
 こうしたニーズに応え、いくつかの採用支援会社では面接官としての応募者に対する基本的な対応マナーを学ぶ基礎トレーニングから、応募者をコンピテンシー理論に基づいて見抜くためのロールプレイングを組み込んだ実践的なトレーニングまで提供し始めている。

樋口 弘和(ひぐち ひろかず)
株式会社トライアンフ 代表取締役
1958年、東京生まれ。1982年早稲田大学商学部卒業後、日本ヒューレット・パッカード株式会社に入社。
以後20年近くにわたり、採用、教育、給与システムなどの人事部門に勤務し、コンピュータ事業部の人事部門を統括。米国本社でキャリア採用の現場やダイバーシティやワークライフバランスといった 最先端の人事を学ぶ機会に恵まれる。
1998年に人事・採用のアウトソーシングとコンサルティングを手掛ける株式会社トライアンフを設立。自ら 中小企業の経営者として採用、定着、育成に関して実践を重ねながら、その合間を縫って年間約80本の講演、取材、執筆活動に東奔西走の日々を送る。著書に『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』(光文社新書)、『社長の人事でつぶれる会社、伸びる会社』(幻冬舎)など。自らのブログやメルマガ「トライアンフの種」でも、その実践体験から得られる経営視点で捉える人事の有益情報を発信している。
http://www.triumph98.com/


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