jin-jour(ジンジュール) |人材育成、リーダーシップ、モチベーション、メンタルヘルス対策など 人事の視点から、働く人と会社の関係を元気にする情報を発信

ログイン
MENU

メニュー

×

教育・研修分野の現状と階層別教育のポイント [2012.03.01]

階層別研修への期待-新入社員のテーマと概要


【1】新卒・若年層の早期退職傾向

 高卒は7割、短大卒は5割、大卒は3割が3年目に辞めてしまう七五三現象といわれる新入社員の早期退職が問題になって久しい。
 新規学卒就職者のうち就職後3年以内で退職する者は、2002年大卒で34.7%(1992年大卒では23.7%)、2002年高卒で48.6%(同じく92年高卒では39.7%)にも上る(内閣府『平成18年版 国民生活白書』)。
 新卒ばかりでなく、若年層の勤続年数が短縮化している。全年齢平均の勤続年数は、95年の12.9年から2005年の13.4年へと長期化している。その一方で20~24歳では2.7年から2.3年へ、25~29歳では5.1年から4.8年へと短縮している(内閣府『平成19年版 国民生活白書』)。
 新入社員が辞める理由としては、「自分のやりたい仕事ができない」「自分の思っていた仕事と違う」という者が多数のようである。しかし、現実に立ち返ってみて、新入社員の「やりたい仕事」「思っていた仕事」をすぐに与えてくれる会社があるだろうか。また、「やりたい仕事」「思っていた仕事」を選択することができるだろうか。答えは否、である。
 ことに新卒定期採用においては、企業側は適材適所を考えながら、経営の視点から人事戦略を基に配置配属を決定していく。また育成の視点から、あえて新卒者の希望とは異なる部署に配属することもある。日本企業の多くは、ジョブローテーションが行われる。さまざまな職務や職種の経験が、個人のキャリア形成に有効に作用するという考えに基づくが、これはスタンフォード大学のジョン・D・クルンボルツ教授が提唱した「計画的偶発性」によるキャリア理論に相応する。予期せぬ出来事や偶然の出来事を吸収し、それを自らが活かしてキャリアを形成していくことが求められているわけだ。

【2】新入社員の育成に求められる視点

 本当のところ、新入社員はなぜ辞めていくのか。ある従業員意識調査の結果によると、「会社の仕事がいやになるとき」について尋ねたところ、幾つかある選択肢の中から「上司や同僚との人間関係が気まずくなったとき」という回答が最も多く挙げられた。その結果は「自分の能力や性格が今の仕事に適していないとき」という回答を大きく上回っている。この傾向は、固有の1社だけではなく、調査を行ったほとんどの企業でみられた傾向である。新入社員の辞めていく理由の中には、人間関係の問題が多く潜んでいるのではないだろうか。
 一方で、若手社員が仕事のやりがいを感じるのは「仕事を任され、それがうまくできたとき」のようである。
 新入社員を育成するに当たっては、職場の上司や同僚との人間関係が気まずくならないようにするための「コミュニケーション」を身に付け、「やりたい仕事」や「自分の思っている仕事」を任されるようなスキルが磨かれ、それが自らの自信につながり、仕事にやりがいと誇りを感じられるようにすることが、その目的になる。
 そのためにも、新入社員の育成には短期的な視点と長期的な視点が求められる。
①短期的な育成の視点
 短期的な育成の目的は、早期戦力化を図ることである。新入社員の早期戦力化とは、職場の一員になり、上司や先輩に好意を持って受け入れられ、仕事を習うために必要なことを身に付けることである。そして職場内の仕事の一端を担うことである。そのために必要なことは、社会人としての意識変革、基本的なビジネスマナー、適切な報告・連絡・相談(ホウレンソウ)のスキルを習得し、磨くことである。これらは、仕事をする人間として基礎的なことである。しかし、その基礎ができていないことには職場で受け入れてもらうことは困難だろう。職場で認められる新入社員になるために、人間関係の第一歩を築くことが必要である。
②中長期的な育成の視点
 中長期的な育成の目的は新入社員が仕事にやりがいと魅力を感じ、活き活きと職場の中で輝いてもらうことである。仕事にやりがいを持ってもらうには、仕事をしてもらわなくてはならない。仕事をしてもらうには、その仕事をするためのスキルと知識を身に付け、それらを活用し、徐々に難しい仕事ができるようになることで達成感を得ることに尽きる。その達成感の積み重ねが、仕事のやりがいにつながる。

【3】新入社員3年間の育成計画

 ゆとり教育や、メール世代、売り手市場の影響を強く受けている昨今の新入社員には、社会人の基本から根気よく、繰り返し指導していくことが望まれる。七五三現象の最初の3年目を乗り越えることを目的とするのはいささか消極的な目標だが、3年間は“新入社員”のつもりで、手をかけて自社の戦力として活用できるように育成していくべきである。
①1年目
 まず、仕事や人間関係でつまずかないために、社会人としての基本を理解させることだ。社会人としての意識変革や働くことで社会貢献している意義や価値を伝え、ビジネスマナーの基本を習得させ、ビジネスマナーの意義や表情や態度が、他者に与える印象の重要性について納得させる。報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の重要性、上司や先輩に対する接し方など、職場でのコミュニケーションを身に付けることが必要である。
 そして、入社半年くらいでフォロー研修を入れることが望ましい。フォロー研修では、マナーやホウレンソウの事例などを活用し復習しながら、半年間を振り返る。その中で、社会人としての自分の成長を実感していくことも、仕事のやりがいを高める要因となっていくのである。
②2年目
 職場でも仕事を任される機会が多くなる時期に当たり、その中では成功体験、失敗体験について振り返ることも必要である。成功体験として、自分で達成感を得られたことや上司や先輩などから褒められたことなどと、また失敗体験として、お客さまや上司や先輩から注意をされたこと、業務上のミスなどとそれをどのように克服したかを整理することにより、仕事を通じた自分の成長に気づき、仕事の達成感を得られるようになる。
③3年目
 徐々に責任のある仕事を任せるようにし、仕事のやりがいを実感させながら、一人前に育成していく。そのためには、自ら考え行動するリーダーシップや、職場の問題を発見し解決する問題解決の手法、それを提案していくプレゼンテーションスキルを習得することも必要である。また、コミュニケーションでは後輩指導に活かせるスキルを習得することも望まれる。3年目には、上下、そして周囲へのコミュニケーションを通して、影響力を発揮することが望まれる。
 こうした3年間の育成期間を通して、毎年、目標の行動計画を作成し、振り返りを行うことで、自己の成長を促す。また3年目には、リクルーター研修として、入社以来の自分の振り返りをし、自己の仕事や働くことの意義に気づきを得る内容とする。この研修を経て、仕事や会社の魅力を熱く語れる社員を養成することが必要である。例えば、会社説明会などでリクルーターとして、学生に対して魅力ある社会人を印象づけられる社員に育てていくことが必要である(株式会社日本経営協会総合研究所 冬季セミナー「新入社員育成3カ年プログラム」長沼フミ子氏より)。
 このように、自分の背中を見つめる後輩の姿や、自分を成長させる仕事が、新入社員を会社の中で重要な役割を担う社員に育てていくのである。

株式会社日本経営協会総合研究所 組織経営ソリューション部 
勘田裕文/友成英隆/中島彩花/堀井直哉
弊社は、「人と組織のパフォーマンス最適化」のため、人と組織の相互進化を支援することを使命とし、事業を展開しています。
人事アセスメントツールの開発・提供・普及、企業の調査・診断、人材開発・育成事業など、人と組織に関わる幅広いサービスの提供を通じて、経営人事・組織人事における価値創造のパートナーを目指します。
http://www.noma.co.jp/index.html


労務管理、人事評価、ハラスメント対応など充実のコース!

労務行政eラーニング 詳しくはこちら

禁無断転載
▲ ページの先頭に戻る

ログイン

×

人事・労務に役立つ商品・サービス検索

  • カテゴリとジャンルから検索

検索

注目商品ランキング 新着商品