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教育・研修分野の現状と階層別教育のポイント [2012.03.01]

階層別研修への期待-管理職層のテーマと概要


【1】部下育成力の低下の原因

 今、最も教育・研修ニーズが高いのは、現場組織をマネジメントする管理者である。管理者の部下育成力の強化についての相談が多い。なぜ管理職の部下育成力が弱くなってしまったのか。考えられる原因としては、主に三つのことがいえる。
①管理職のプレイング化

 自らも個人目標を追いかける管理職のプレイヤー化により、メンバーや部下の育成に充てる時間の量が必然的に減少している。もちろん短い時間でいかに効率よく質の高いOJTを行うか、それが管理職の能力といえるが、絶対的なコミュニケーション量の不足が、部下育成力を低下させた原因の一つと考えられる。
②組織のフラット化

 以前は、組織上、管理職の下には監督職としての職位を担う部下が置かれていた。しかし、意思決定のスピードを上げることを目的に、監督職を廃止し、管理職以下、部下が文鎮型に位置する組織のフラット化が進んでいる。フラット組織では、上からの経営意思の伝達が早くなり、またメンバー・部下がそれぞれの目標に対して、権限が委譲され、自律的に行動することで、個々の目標に対する関心が高まり、成果に対する意識の向上が望める。その一方で、1人の管理職がマネジメントする部下の数が多くなり、負担が重くなる。また、新人や若手社員が多い職場では、育成に対してのニーズが満たされず部下の不満が高まる。逆に専門性の高いベテラン社員を中心とした成熟した組織では、個人がそれぞれの目標について動くため個人商店化して一体感が醸成されないなどのリスクが高まる。
③経験・知識の不足
 バブル期に大量採用した世代が40代となり、管理職に登用される時期を迎えている。組織がフラット化する中で、彼らは監督職という経験を経ずに管理職となる可能性がある。また、キャリア志向の高まりから専門性を磨いてきた世代でもあるため、マネジメント力についての教育が不足しており、管理職要件についてのトレーニングが十分とはいえない。
 このような点を背景として、マネジメント力の弱さが指摘されており、課題が顕在化してきている。

【2】管理職層に求められる教育・研修とは何か

 では、管理職層に対して、今どのような教育・研修が必要だろうか? 研修機会としては、大きくは昇格前と昇格後に分けることができるだろう。
(1)昇格前-アセスメント研修
 昇格前としては、アセスメント研修の問い合わせが増加している。
 アセスメント研修は、主に管理職への登用試験の一つとして導入されている。管理職のマネジメント能力開発のためのプログラムであり、組織が求める管理能力の強弱について、複数のマネジメント演習(体験学習)を通じてアセッサー(プロの行動観察者)が分析し、フィードバックを行う研修である。
 通常は、各部署からの上司推薦を受け、管理職候補者を対象に、論説や論文試験などの他の昇格選考ツールとアッセンブリして実施される。中でもアセスメント研修の比重は大きい。なぜなら、知識や考えを問うのではなく、演習における発揮された行動から、思考や対人面などを分析することで、事実に裏付けられた診断ができるからである。
 アセスメント研修の導入が増えている理由として、①選考対象者への機会の公平性・納得感、②結果のフィードバックによるマネジメント力に対する気づき・認識、③アセッサーから見た他社と比較しての自社の課題発見などが挙げられる。
 特に、②の結果のフィードバックは重視されており、アセスメント研修後、個人レポートを作成し、アセッサーが受講者一人ひとりと個別に面談を行い、強みと弱み、今後の課題について話し合うことで、個々のマネジメント力の強化が図れるというメリットがある。 

(2)昇格後-マネジメント力、部下育成力、ビジョン構築力
 昇格後の研修においては、マネジメントに対する気づきと部下への指導・育成、ビジョンの作成
などに重点が置かれている。
①マネジメント力
 マネジメント力に対する気づきという点では、多面観察(360度診断)を実施する企業が増えている。昇格後の管理職を対象に、管理職に求められるスキルを理解いただくために、事前に多面観察を実施してフィードバック研修を行う。日常のマネジメント行動について、「テクニカルスキル」「アドミニストラティブスキル(コンセプチュアルスキル)」「ヒューマンスキル」を中心に、自己診断とメンバーからの診断について結果を重ねることで、自己の強み・弱みを発見するのである。
 普段、自らのマネジメント力の発揮について振り返る機会はあまりない。研修を通じて育成という観点からこういったサーベイを実施することで、研修受講生には新鮮な驚きと新たな発見があり、マネジメント力の向上に役立つ。多面観察実施後は、研修の中でフィードバック面談を行う。自らの気づきを確認し、自己成長に結び付くよう講師がファシリテーションをして個別に指導する。
②部下育成力
 部下への指導・育成という点では、OJTの理解と習得を目指す。OJTスキル向上のために、コーチング技法を取り入れながら、理論だけでなくロールプレイングなどの演習を通じて、部下一人ひとりに目を向けた部下育成・指導方法の習得を図る。基本は、部下一人ひとりに目を向けて、それぞれのミッションとありたい姿を考えることが大切である。
 多面観察結果によるフィードバック、部下育成、そして問題解決スキルを主要テーマとして、管理職を現場の組織活性化のためのレバレッジ(てこ)とする育成が増加している。
③ビジョン構築力

 さらに管理職のニーズとして高いものに、ビジョン構築研修が挙げられる。ビジョンとは、自らの強い思いで組織の方向性を示すことである。職場のリーダーである管理職には、ビジョンがますます重要になると思われる。景気後退局面での混迷した環境下で、少なからず社員の中に不安や動揺が生まれている。そのときに、自分たちの進むべき方向を示し、熱く語るとともに、それに向かってメンバーを巻き込むことが求められている。管理職にとって「ビジョン構築」「エンパワーメント」「ファシリテーション」は、フラット化した組織で、個々に異なる目標を追いかける状況下にあっては、組織としての一体感を高めるために欠くことができない必須スキルの3点セットといえる。
 研修では、ビジョン構築のステップを伝え、組織のビジョンを描くとともに、メンバーを巻き込むための権限委譲と支援、メンバーのコンセンサスを得るファシリテーションスキルについて、演習やケーススタディ、ロールプレイを通じての習得を目指す。

 以上のとおり、管理職においては、部下を育成しながら組織を活性化して、環境変化に対してしなやかで、また危機を好機ととらえるタフな実行力が求められている。

株式会社日本経営協会総合研究所 組織経営ソリューション部 
勘田裕文/友成英隆/中島彩花/堀井直哉
弊社は、「人と組織のパフォーマンス最適化」のため、人と組織の相互進化を支援することを使命とし、事業を展開しています。
人事アセスメントツールの開発・提供・普及、企業の調査・診断、人材開発・育成事業など、人と組織に関わる幅広いサービスの提供を通じて、経営人事・組織人事における価値創造のパートナーを目指します。
http://www.noma.co.jp/index.html


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